月刊バスケットボール7月号

【ウインターカップ2019】福岡県同士の“最終決戦”を制した福岡第一が冬の連覇達成[リバイバル記事]


2019年大会決勝で実現した福岡対決


12月29日、「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会」に行われる男子決勝(13:00試合開始予定)は、福岡大附大濠(福岡1)と福岡第一(福岡2)による4大会ぶり2度目の福岡対決に。2019年大会福岡対決はどんな試合だったのか? 当時の原稿をリバイバル記事として再掲する。


『ウインターカップ2023』特設ページ(日程・出場校&選手名鑑・トーナメント表)

【表】ウインターカップ2019決勝福岡第一×福岡大附大濠ボックススコアをチェック


最終決戦――。まさにそんな言葉にふさわしい対戦カードとなった『Softbank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会』の最終日。男子決勝は2019年の高校バスケット界をリードしてきた絶対王者・福岡第一(福岡①)と、その福岡第一に阻まれ続けてきた最強にして最大のライバル福岡大附大濠(福岡②)の“福岡対決”となった。

多くのメディアが報じるように、この福岡対決はインターハイとウインターカップを含めて史上初、同県対決でも通算で史上3度目という稀有な組み合わせとなっている。

前日の記者会見で「子どもたちには意識させず、目の前のディフェンスとオフェンスをしっかりとやらせたい」と福岡第一を率いる井手口孝コーチが言えば、大濠を指揮する片峯聡太コーチも「福岡対決ということで変に力み過ぎないようにしたい。福岡県のレベルの高さを明日のコートで目一杯表現できれば」と、互いに意識を強く持ち過ぎないように、という趣旨の言葉を口にしていた。

そんな一戦には連日以上の多くの観客が詰めかけ、電車内や駅から会場までの道中でも「福岡第一」「大濠」という言葉が異様とも言えるほどに飛び交っていた。福岡第一の高速バスケットが炸裂するか、それとも大濠が「第一をたたき潰す」(大濠#14横地聖真/現筑波大)のか。注目の対決がついにティップオフ。

先制点は福岡第一。#8河村勇輝(現横浜BC)から#60スティーブへのホットラインで試合を動かすと、大濠も#8木林優(現筑波大)、#14横地のドライブで対抗。それでも大舞台の経験値に勝る福岡第一がスティーブと#46小川麻斗(現千葉J)を起点に得点を積み重ね、福岡第一がリードを生み出す。

2Qに入ると福岡第一が徐々に試合のテンポをコントロールし始める。河村の鋭いドライブや#13神田壮一郎(現拓殖大)の3Pシュートで最大20点のリードを作る場面も見られた。対する大濠も#6田邉太一(現明治大)、#10平松克樹(現明治大)が何とかつなぎ、13点差(42-29)で前半を終えたが、エースの横地はわずか3得点(試合をとおしても9得点)。#54内尾聡理(現中央大)がフェイスガードでエースを封じ込めたことは大濠にとって大きな誤算だったと言える。

迎えた後半、大濠が勝負に出る。オールコートプレスで福岡第一のリズムを乱すと、ここまでインサイドで無類の強さを見せていたスティーブに対してもダブルチーム、トリプルチームで対応し、ターンオーバーを誘発。攻めては味方のミスを田邉がフォローし、一時9点までリードを縮めた。それでも動じなかった福岡第一は河村、スティーブ、小川の3本柱を起点に冷静なボールコントロール。大濠も木林、平松の3Pシュートで何度も打開のチャンスを得たが、あと一本が決まらない。

みるみる時間が経過し、10点差で迎えた残り11.2秒。勝敗が決した大濠の最後のオフェンスは横地のアイソレーション。片峯コーチ、そしてチームメイトたちは、この3年間の大濠を支えた横地にラストプレーを託した。「自分が腐ったときでもチームメイトは声をかけてくれたし、先生も見捨てずに指導してくれた」と話したエースの最後の3Pシュートはきれいな軌道を描いてリングに吸い込まれた。

タイムアップ。福岡第一が大濠を退け、令和初のウインターカップ王者に。大きな期待とプレッシャーの中、チームを率いた井手口コーチは「ホッとしています。彼らは日本の高校生の中で一番練習をして、いろんなものを犠牲にしてきた。選手たちを褒めてあげたい」と最大限の賛辞を送った。

大濠の2年生ガード#10平松は「試合の後、河村さんに『来年は絶対に第一を倒します』と言いました。そうしたら河村さんは『やってみろ!』と返されました」と明かす。史上初の福岡対決となった今大会の決勝戦は、最終決戦であると同時に新たなスタート。バトンを託す者と託される者。最後の最後までライバル関係むき出しの、1年を締めくくるにふさわしい一戦となった。







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文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

タグ: ウインターカップ2023

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