月刊バスケットボール6月号

【ウインターカップ2023】最後までチームで、笑顔で──大阪桐蔭#4北條瑚奈


どんな結果になってもチーム一つで諦めず、笑顔で戦い抜きたい


松徳学院との1回戦を突破し、選手たちの顔から笑顔がこぼれた。キャプテンの④北條瑚奈も例外ではなく、取材対応時は常に満面の笑み。その理由は初戦を突破したことによる安堵のほかに、もう一つあった。昨年、チームはベスト16まで勝ち上がったものの、自身はヒザのケガで試合に出場できなかったからだ。


『ウインターカップ2023』特設ページ(日程・出場校&選手名鑑・トーナメント表)

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「去年はケガで出られず、今年のインターハイでもまだ本調子ではありませんでした。でも、この大会が最後なので、キャプテンとしても選手としても、高校3年間やってきたことを集大成として出せるようにとケガして以降も頑張ってきました」

中学2年時には全中準優勝を経験し、大阪桐蔭でも1年時からスタメンを任された。その1年時のウインターカップでは、17得点と奮闘を見せたが、八雲学園の前にわずか2点及ばず初戦敗退で終わっている。つまり、北條にとっては自身初のウインターカップ勝利でもあった。

言葉では「目標は日本一なので明日も明後日も強豪ばかり。自分たちのすべきことを徹底して勝ちにつなげていきたい」と地に足をつけてはいたが、表情にはうれしさがにじみ出る。


大阪桐蔭の副キャプテン⑤片山朋子

特に、当時から共にスタメンとしてコートに立つ副キャプテンの⑤片山朋子とは、二人三脚でチームを作る関係だ。

「試合前に『緊張するね』という話はしていて、今は私たちがキャプテンと副キャプテンですし、メンバーに入っている下級生も多いです。だから、どうやったらチームが良い方向に進むかを考えていて、試合前には自分たち2人が良い表情で引っ張らないといけないと話しました」と北條。

自身は6得点、得意の3Pシュートも1/6と振るわなかったが、チームをまとめ上げてきた努力がまず一つ実ったことは何よりもうれしいことだ。

大阪桐蔭は昨年度を持って森田久鶴コーチが勇退し、市川藤乃コーチのもとで新たなスタートを切った。「ウインターカップに向けて市川先生と練習や日常生活からもコミュニケーションを取ったりして、うまくいかないときでも先生も含めてチーム一つになってやってきました」と北條。指揮官交代による戦術面などの変更はもちろん、選手とコーチの繋がりにも再構築が必要だった。

だからこそ「チーム」という言葉は今年度の大阪桐蔭を、そして北條を象徴するものとなっている。

「私は全中を経験して、桐蔭でも1年からスタートで大きな舞台を経験させてもらってきました。今年は最後なのでチーム一丸で勝ち進んで、自分が大きな舞台をたくさん経験しているからこそ、今度はみんなをそういう舞台で引っ張りたい。チーム一つという目標で1年間やってきたので、どんな結果になってもチーム一つで諦めず、笑顔で戦い抜きたいです」

本日の2回戦は土浦日本大との対戦となる。侮れない強敵だが、また北條の笑顔が見たいものだ。






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「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会」
(略称:SoftBank ウインターカップ2023 / ソフトバンク ウインターカップ2023)
■開催期日:2023年12月23日(土)~29日(金)
■会場:東京体育館(A,B,C,D,Mコート / 東京都渋谷区千駄ケ谷1-17-1※メイン会場)、武蔵野の森総合スポーツプラザ(E,F,G,Hコート / 東京都調布市西町290-11※サブ会場12月23日のみ)
■出場校:男女各60チーム(計120チーム)



文/堀内涼(月刊バスケットボール)

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