月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2023.12.20

島田チェアマン、Bプレミアは「18クラブ以上の可能性も」

「3次審査の参入条件をクリアしたクラブはすべてを受け入れる」


2026-27シーズンより「B.革新」として構造改革を行うBリーグ。現状の競技成績による昇降格を廃止し、原則として降格を行わないエクスパンション型へと移行する。その最上位に位置するBプレミアのクラブ数を、これまでは上限18クラブとするとしていたが、参入条件をクリアしたクラブすべてがBプレミアに迎え入れることになった。12月19日のBリーグ理事会後に、島田慎二チェアマンが明らかにした。

Bプレミアの参入条件は売上12億円/入場者数4,000名/収容人数5,000人以上等の基準を満たすアリーナといったものが柱となるが、島田チェアマンは「多くのクラブが経営努力によりこの条件をクリアしてきそうな状況で、条件を満たすクラブが18を超える可能性もでてきているなかで、相対評価ではなく、3次審査の参入条件をクリアしたクラブはすべてを受け入れる」とBプレミアのクラブ数制限を事実上なくすことを表明した。3次審査の基準は12億円/3,000人、または9億円/4,000名+アリーナ基準を充足していること。「とはいえ特にアリーナ基準をクリアすることは簡単ではなく、18を超えるかどうかは分かりません」



さらに、売上12億円/入場者数4,000名をクリアしていながら、アリーナ基準が整わないクラブに対し、時間的な猶予を与えることも発表。審査書類の提出期限を2024年6月~9月と幅を持たせ、そのタイミングでアリーナ審査の確度を証明する資料提出が間に合わないものの、最終的に基準を満たす可能性の高いクラブに対し、仮ライセンスを与え、2026-27シーズンの参戦を許すというものだ。ただし、仮ライセンスはアリーナ基準を満たせる可能性が高いことを理事会が承認する必要がある。また、仮ライセンスが与えられたとしても、その後2024年12月の理事会までに進捗(公設の場合は落札者、優先交渉権者の決定、民設の場合は基本協定など)が確認できること、そして2025年3、4月頃までにはアリーナ審査の確度を証明する資料提出が求められ、それができない場合は2027-28シーズンからは降格となる。

「昨今の建設業界状況、2024年問題や資材高騰など外的なマイナス要因がある中で、アリーナの基準を満たすことは簡単ではない」と島田チェアマン。「2028年までに新アリーナが建つという専門家によるギリギリのラインを引き、そこまでに間に合うクラブに仮ライセンスを与えて許容していきたいというものです。ですから仮ライセンスを与えたクラブが降格することはあまり想定していません」と説明する。



ちなみに今シーズン、12月17日現在のB1リーグの平均入場者数は4,405人。これはコロナ禍以前を超えた昨シーズン(3,469人)と比較しても大きな伸びを見せている。4,000人を超えているクラブは琉球ゴールデンキングスの7,620人を筆頭に17クラブ。3,900人台も3クラブあり、現B2リーグではアルティーリ千葉が4,938人と4000人ラインをクリアしている。アリーナ新設の計画も多く、各クラブの経営努力もある中で、そうした動きを後押ししていくために、参入時要件に柔軟性を持たせることになった。


文・飯田康二(月刊バスケットボール)

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