月刊バスケットボール6月号

Tokyo Samuraiが児童養護施設支援のチャリティー・クリニックを開催

©TokyoSamurai

東京都を拠点に活動するAAUクラブのTokyo Samuraiが、1210日にセントメリーズ・インターナショナルスクール(東京都世田谷区)で、児童養護施設への募金活動と、そこで暮らす子どもたちへのクリスマスプレゼントを兼ねたチャリティー・バスケットボール・クリニックを開催した。


今回のチャリティー・クリニックは、Tokyo Samuraiのコミュニティーへの関わりと青少年育成に向けた前向きな姿勢を示す取り組みと言える。クリニック当日は、8歳から12歳までの熱心な子どもたちを対象として2時間のセッションが2回行われた。コーチ陣にはTokyo Samuraiのスタッフに加えて、普段はクラブで指導を仰いでいるユースプレーヤーたちも献身的に参加。教える側も教えられる側も活気にあふれ、実り多い体験を提供した。


最初のセッション参加者一同(写真/©TokyoSamurai)


最後のセッション参加者一同(写真/©TokyoSamurai)


クリニックでコーチングをサポートしたTokyo Samuraiのユースプレーヤーたち(写真/©TokyoSamurai)

日本では、プロクラブやプロアスリートが養護施設を慰問に訪れたりクリニックを行う例は少なくないが、地域で活動する若者たちのクラブ(例えばミニバスや中学校・高校の部活動チーム、民間のユースバスケットボールチームなど)がこのような形でチャリティー活動を行う例はあまり多くはない。その意味では、若年世代を含めた人々のコミュニティー参加・貢献の一つの在り方を提示する、ユニークな取り組みではないだろうか。なお、クリニックの収益はすべて、児童養護施設にスポーツ用品購入費用として寄付されている。

このクリニックでは、地元で暮らす子どもたちの積極的な参加を歓迎することにより、地域の人々にバスケットボールでつながりを生み出すきっかけも提供することもできた。スポルディングの協力により、バスケットボールを持ち帰った参加者たちは、この日以降も練習に励むことができるのだ。

Tokyo Samuraiのディレクターを務めるクリス・シーセンは、「こうして地域コミュニティーに恩返しできてうれしく思います。若者たちが、コートの外でもコミュニティーに貢献できる貴重な人材なる意義を認識できるようにするのも、私たちの目標ですからね」と話し、クリニックの成功を喜んだ。


指導に当たるクリス・シーセン氏(中央の赤いTシャツの男性 写真/©TokyoSamurai)

シーセン氏は、「バスケットボールには物事を大きく変える力がある」と話し、個人の成長や逆境に直面してもへこたれない強い心、真摯に取り組む姿勢をはぐくむ機会を提供するというバスケットボールの役割を再認識した様子だ。「こうした恩恵を享受する機会に恵まれない若者もいることを認識し、スポーツの世界にいざなうことで彼らに元気をもたらしたいです」と述べた。

Tokyo Samuraiはこれまで、東京2020オリンピックで日本代表として活躍したシェーファーアヴィ幸樹(シーホース三河)をはじめ、BリーグやアメリカのNCAAで強豪として知られる大学でプレーする有力タレントの数々をバスケットボールの世界に送り出している。 コート上での成果だけではなく、人としての成長に重点を置くのもTokyo Samuraiの特徴。プレーヤー自らが自身の将来を見据える機会を提供し、コミュニティーへの積極的な関わりを促し、バスケットボールの舞台にとどまらない幅広い活躍ができるように若者たちの背中を押し続けている。

Tokyo Samuraiは過去に、スペシャルオリンピックスとの合同クリニックを運営したこともあるとのこと。今回のチャリティー・クリニックは、あらゆる背景や特徴を持つ人々に前向きな力をもたらす取り組みの延長上にあるものだ。シーセン氏は、「Tokyo Samuraiとして、このチャリティー・イベントの成功を誇りに思います。今後も社会的責任を認識し、プレーヤーと青少年全体の育成に対する真摯な取り組みをぜひとも継続していきたいと思っています」と話し、積極的なコミュニティー支援へのさらなる意欲を誓った。

文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

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