月刊バスケットボール7月号

富士通、デンソーが勝利、16日の準決勝へ[皇后杯準々決勝 2日目]

江良萌香の3Pで富士通が勝利


皇后杯ファイナルラウンド、準々決勝2日目、アイシン ウィングス対富士通 レッドウェーブ、デンソー アイリス対トヨタ紡織 サンシャインラビッツの2試合が12月15日、国立代々木競技場第二体育館において行われた。

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第1試合で顔を合わせた富士通とアイシンは、Wリーグ前半戦で2度対戦しており、いずれも富士通が勝利。しかし、いずれも僅差だったこともあり、アイシンは一発勝負のトーナメントでリベンジを果たしたいところ。
試合の出だし、アイシンは富士通ディフェンスを攻めあぐみ点数が伸びず。ところが一方の富士通もシュート率が上がらず、重い展開の立ち上がりとなった。1Qを終えて13-6で富士通がリードとロースコア。2Q、アイシンは流れを変えようと現役復帰した元日本代表の司令塔・吉田亜沙美を投入。その吉田が3Pシュートを決めるなど、アイシンにも流れが出てきた。3シーズンぶりに復帰したベテランの吉田は、現時点ではゲームチェンジャーとして3、4分プレーするとベンチに戻る状況だ。



アイシンに向きかけた流れを引き戻そうと、富士通はオリンピック銀メダリストの町田瑠唯が積極的に反撃を仕掛け、ゲームが動き始める。前半を終えて27-23と富士通が4点リードで折り返した。
後半も両チームともディフェンシブな展開の中、45-37と富士通がややリードを広げて迎えた最終Q。アイシンは再び吉田をコートに戻し、追い上げの一手を打つ。緊迫感を増したゲームは3~5点差で拮抗する。残り4分7秒、思わぬアクシデントが富士通を襲う。絶対的司令塔の町田が負傷退場となってしまったのだ。50-47とその差は3点。その後残り3分になるのを待っていたように、アイシンの梅嵜英毅HCは吉田をコートに戻して勝負に出る。1ゴール差まで詰め寄り、逆転を狙った峰晴寿音の3Pシュートはゴールに嫌われる。命拾いをした富士通は町田に代わってコートに入っていた江良萌香が3Pシュートを沈め54-49。結局このプレーで勝負が決まり、試合終盤でフリースローを決めた富士通が56-49で逃げ切りを果たした。

試合後、アイシンの吉田は「このチームでプレーできているのは楽しい」としつつ「私自身、決め切らなければならないシュートがありましたし、いいゲームができているからOKではなくて、やはり勝ち切る力をもっと付けていきたいです」と振り返る。梅嵜HCは「ディフェンスはうまくいっていたのですが、決めてほしいシュートが入らなかったですね。吉田はゲームの流れを変えてくれますし、ほんとうにいい仕事をしてくれています。Wリーグの後半戦に向けて、徐々にプレータイムを増やしていければ。悔しい負けをたくさんしてきているので、そろそろ勝っていきたい」と後半戦への意欲を語った。

勝利を決定づける3Pシュートを沈めた江良は「勝つためには打つしかないと思って打ちました。決まってくれて良かったです」と町田が退場した試合を勝利で終われたことに安どの表情を見せた。BTテーブスHCは「相手のディフェンスも良く、私たちがシュートを決められない状況もありましたが、それでも私たちがすばらしいディフェンスができたと思います」とオフェンスが波に乗れない中で、ディフェンスで勝ち切れたことには合格点を与えた。

富士通・宮澤夕貴キャプテンコメント
「外のシュートが入らなくて悔しい展開だったんですけど、オフェンスはそんなに悪くなかったので、次の試合に向けて修正して臨みたいと思います。町田がケガをしてしまったので、そこをカバーしながら全員がステップアップして戦いたいと思います」





現役復帰した元日本代表の司令塔・吉田亜沙美はアイシンの流れを変えた




デンソーがアイシンの精度を下げて勝利


第2試合のデンソー対トヨタ紡織の対戦。両チームとも序盤はシュートが入らず、得点が動かなかったが、1Q半ばからデンソーが力強さを見せてリードを奪う。バランスよく得点するデンソーに対し、トヨタ紡織はなかなかシュートを決まらないまま、1Qは18-7とデンソーが先手を取った。共に当たりの強いディフェンスのやり合いの中、高さに勝るデンソーがリバウンドで優位に立ち、33-21と2ケタ差のリードを保ったまま後半に。突き放そうとするデンソーに、トヨタ紡織も何とか食らい付いていくが、連続得点に至らず、さらにシュート確率が落ちていく。デンソーも決していい流れだったわけではない。それでも「苦しいときに、しっかりとゴールにアタックして、ファウルをもらえたのはよかった」と髙田真希が試合後に語ったように3Q終盤にはファウルによるペナルティーフリースローを決め、点差をジリジリと引き離していった。

55-34と20点差を付けて迎えた4Qも、トヨタ紡織は反撃に対し、デンソーの固いディフェンスは最後まで崩れることなく72-43でセミファイナル進出を決めた。
「相手がいろいろとディフェンスを変えてくる中で、それに自分が対応できて、相手が嫌なところを攻めることでファウルをするしかない状況が作れたと思います。また、そうした相手に対応した動きに、周りの選手が合わせられるのも今のチームです」とこの試合最多の21得点を記録した高田は、前述のコメントのあとに続けた。

敗れたトヨタ紡織のエース・東藤なな子は「ディフェンスに関しては、一試合フィジカルに戦えた部分はありましたし、そこはルーカス(モンデーロ)コーチも評価をしてくれていました。オフェンスでは、シュートチャンスは作れていたのですが、それを決めることができなかったことが課題です」と悔しさをにじます。今シーズンからトヨタ紡織の指揮を執るモンデーロHCも「ディフェンスはプランどおりでしたがシュートが入りませんでした。ノーマークのシュート、3Pシュート、フリースローもです。デンソーのような強いチーム相手にこれでは勝てません(3P成功率5.6%、2P成功率31.9%、フリースロー成功率62.5%)。ただしアテンプトはできているので、少しずつ良くなっていくでしょう。チームは良い方向に進んでいます」と話す。モンデーロHCはスペイン女子代表を率い、ワールドカップ銀メダルをはじめ、さまざまなタイトルに導いた実績を持つ。日本ではトヨタ自動車をWリーグ連覇(2020-21、21-22シーズン)に導いた名将が、今後トヨタ紡織をどう成長させていくのかにも注目だ。

シャンソン化粧品対ENEOS、富士通対デンソーのセミファイナルは12月16日(土)に開催される。

デンソー・赤穂ひまわりキャプテンコメント
「最初の試合が大事だと思っていたので、全部が全部良かったわけではないですけど、結果として勝てたので良かったと思います。自分のプレーは、入れられるシュートを何本か落としちゃったんですけど、他の部分、リバウンドは取れたし、ディフェンスでも相手を50点くらい(43点)に押さられて、そこのところは機能していたから良かったなと思います」





トヨタ紡織の精度を下げたデンソー

■セミファイナル日程
12月16日(土)/東京・国立代々木競技場第二体育館
13:00〜シャンソン化粧品×ENEOS
15:00〜富士通×デンソー
ローソンチケットにて販売
インターネット(PC・携帯電話)

■ファイナル日程
12月17日(日)/東京・国立代々木競技場第二体育館
15:00〜決勝

■チケット
ローソンチケット WEBサイト
https://l-tike.com/sports/empc2023/






文・飯田康二

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