月刊バスケットボール7月号

10連覇中のENEOSがインカレ女王・白鷗大を下す、シャンソン化粧品も4強入り[皇后杯準々決勝 1日目]

シャンソン化粧品がトヨタ自動車に逆転勝ち


第90回皇后杯 全日本バスケットボール選手権大会ファイナルラウンドが、12月13日 に国立代々木競技場第二体育館において幕を開けた。

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皇后杯は都道府県代表47チームとWリーグ14チームの61チームが参加し、日本一を競うトーナメント。1次予選、2次予選を経て、ファイナルラウンドへとコマを進めた8チームは、10連覇中のENEOSサンフラワーズを筆頭に、トヨタ自動車 アンテロープス、デンソー アイリス、シャンソン化粧品 シャンソンVマジック、富士通 レッドウェーブ、トヨタ紡織 サンシャインラビッツ、アイシン ウィングスのWリーグ勢7チームに加え、栃木県代表として勝ち上がってきた白鷗大が名を連ねた。



ファイナルラウンド初日、準々決勝第1試合はトヨタ自動車対シャンソン化粧品の顔合わせ。トヨタ自動車は今シーズン、安間志織、山本麻衣、川井麻衣の3ガードを軸にアグレッシブなオフェンス、ディフェンスを繰り広げ、Wリーグ前半戦で首位の成績を残してきた。試合の出だしはその3ガードが躍動しスタートダッシュを見せた。しかし、徐々にシャンソン化粧品もアジャストしていき、2Qでトヨタ自動車に追い付くと、そこからは接戦となった。後半に入っても一進一退。試合の趨勢は終盤にもつれ込んだ。4Q残り1分05秒、63-62とシャンソン化粧品1点リードの場面でキャプテンの小池遥が3Pシュートを決めて66-62と差を開くと、粘るトヨタ自動車を振り切って70-68で逃げ切りを果たした。
「安間、山本のトラブルでゲームプランが狂った部分はあります」と試合後にトヨタ自動車の大神雄子ヘッドコーチ。前半終了間際に安間が負傷し、後半のほとんどをプレーすることができなかったこと、山本が後半早々に3つ目のファウルをしてしまったことで、やはりプレータイムを制限せざるを得なくなってしまったのだ。「それでも梅木(千夏)や平下(愛佳)がよくゲームを作ってくれました」と悔しいゲームの中で、ベンチメンバーのステップアップを語った。
 一方、シャンソンの鵜澤潤コーチは「選手たちがディフェンスで我慢して、最後まで、自分たちのチャンスがくるまで粘ってくれました」と選手を讃えつつ、トヨタ自動車を苦しめたゾーンディフェンスを「トヨタ自動車戦のために、いくつか用意してきました」と、してやったりの表情を浮かべた。

■シャンソン化粧品 #6白崎みなみコメント
「とにかく今日はトヨタの3Pを止めることがテーマで、(Wリーグで)14連勝しているチームに勝ったことは自信につながりました」






白鷗大の粘りを女王・ENEOSが退ける

第2試合は昨年皇后杯、Wリーグの2冠を果たした女王ENEOSに、今年度の大学チャンピオン白鷗大が挑んだ一戦。白鷗大は皇后杯2次ラウンドで、日立ハイテク クーガーズ、東京羽田ヴィッキーズのWリーグ勢を破りファイナルラウンドに進出。その後12月10日にインカレの決勝で6連覇中の東京医療保健大学を破り大学チャンピオンに輝いたばかり。この試合も勢いをそのままに、女王に襲い掛かってきた。開始早々から思い切りよく放つシュートが次々に決まり、ENEOSと互角の勝負を繰り広げる。前半が終わって39-41とワンゴールビハインドと、両チームとも80点ペースのゲーム展開。前半の白鴎大の3Pシュートは7/13本成功で成功率53.8%。ENEOSも5/12と決して悪くないのだが、それを上回る成功率で食らい付いていった。
後半に入っても拮抗したまま59-59の同点で迎えた最終Qに、ENEOSが底力を見せ始める。星杏璃が3Pシュート2本を含む8得点を加えてオフェンスを勢いづけると、宮崎早織も続き、あっという間に74-64とリードを10点に広げる。粘る白鷗大が反撃を見せると、今度は長岡萌映子、高田静が3Pシュートを沈めて再び引き離す。その後も白鴎大が詰め寄るたびに突き放し84-74でENEOSが勝利を収めた。昨年度の皇后杯で富士通相手に大健闘した東京医療保健大に続き、白鷗大もWリーグの強豪相手に好ゲームを演じ、大学界の実力を証明して見せた。

皇后杯ファイナルラウンドに臨むに当たり「胸を借りるつもりで、見ている方々にバスケットボールの魅力が伝えられる試合ができれば」と語っていた白鷗大の佐藤智信ヘッドコーチは「インカレを勝った勢いと、疲れのある中で、準備してきたことを選手たちが最後までやり通してくれました」と試合を振り返った。4年生でキャプテンの樋口鈴乃は「すがすがしい気持ちです。引退ゲームでENEOSさんとやり合えて、負けて悔しい反面、うれしさがあります」と話す。その言葉のとおり、女王に挑む白鷗大の選手たちはいきいきとした、楽しそうな表情でプレーしていたのが印象的であり、バスケットボールの魅力を十分に伝えられたゲームだったのではないだろうか。

準々決勝残り2試合、アイシン対富士通、デンソー対トヨタ紡織の対戦は12月14日に行われる。


■白鷗大#74樋口鈴乃キャプテンコメント
「今日のゲームは4年間の集大成だったので、清々しい気持ちというか、引退ゲームでENEOSさんとやれて、悔しい反面うれしい気持ちもあります。大学チャンピオンとして皇后杯に挑むということは、プライドを持たないといけないと監督が話されていたので、そこからギアを入れて今日の試合に挑めました」




文・飯田康二

タグ: 皇后杯

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