月刊バスケットボール6月号

大学

2023.12.05

【インカレ2023】[女子]部員6名の北洋大(北海道)が“最初で最後のインカレ”でグループリーグ戦を突破



「勝ち負けではなく、自分たちのバスケをどれだけ楽しんでできるかが大事」

12月5日、「第75回全日本大学バスケットボール選手権大会」(インカレ2023)女子4日目(大会4日目)。エスフォルタアリーナ八王子では、女子初出場の4チームがグループリーグ戦2試合目を戦った。その中で、北海道2位で出場の北洋大が見事2勝目を挙げてリーグ戦を突破。トーナメント戦への進出を決めた。

【動画】最初で最後のインカレ、北洋大・梶原理奈のレイアップをチェック

1戦目では、#97曽根有紗(4年)が31得点、17リバウンドを稼ぐ活躍を見せ、東北学院大に88‐81で勝利を収めた。高知大と対戦した今日の試合では、#98小久保瑞希(3年)が26点でトップスコアラーに。#11桜庭莉李亜(3年)が24得点で続き、出場6人全員が2桁得点を記録。また、リバウンドでも#97曽根の14本を筆頭に、チームトータル65本という数字が示すようにゴール下を制し、108‐72で連勝を飾った。





前出の3選手のほか、北洋大の今大会出場メンバーは無尽蔵の体力でチームの元気印的な存在の#43會田芽夢(3年)、オールラウンドにあらゆるプレーを器用にこなす#56梶原理奈(4年)、冷静な状況判断と正確なパススキルで1戦目では11本のアシストを決めた#88高橋こはく(3年)を合わせて計6名。そして、この6名が同大部員の全てだ。学年を見て分かるように、北洋大には1、2年生がいない。それは、大学の方針により今年度いっぱいでの廃部が決まっているからだ。2020年の創部から1部へとスピード昇格を果たした北洋大にとって、今大会は文字どおり“最初で最後のインカレ”となった。だが、コート上で見せる選手たちのプレーは、そんな憂いをみじんも感じさせることなく溌剌としたもの。

#97曽根は、「この1年、インカレに出ることを目標としてやってきたので、その目標がかなって、できるだけ楽しんで自分たちのバスケができるように頑張ろうねって、大会前にはみんなと話していました」と語る。部員が少ないことによる練習の苦労も少なくなかった。「試合前になっても5対5などゲーム形式での練習が全くできないので、3対3やシューティングの練習を積んできましたが、いざ試合となると、やっぱり練習とは感覚が違うのがちょっと大変でした」。





それでも、躍動感いっぱいのバスケットを披露できた要因はいったいどこにあるのだろう。#97曽根は「私たちは常に走るバスケを意識していて、ドリブルとパスをたくさん駆使して仲間でボールをつなぎ、見ている人にも楽しいバスケを目指してきました。人数は少ないですけれど、みんなで走って頑張ろうって」とその秘密を明かす。6日(水)はいよいよトーナメント戦となり、関東の強豪・山梨学院大との対戦となる。「勝ち負けではなく、自分たちのバスケをどれだけ楽しんでできるかが大事。それを目標に精いっぱい頑張っていきたい」と意気込みを語る。

選手たちの戦いを見守った一ノ瀬和之監督は、「大会が始まってさらに良いチームになってきたと思います。このカテゴリーで大会を通じて伸びるというのはあまりないと思うのですが…」と目を細める。その一方、「一番苦労したのはコンディションです。ケガや体調を崩して、誰か1人欠けてもいけない」と胸の内を明かす。



トーナメント戦に挑む選手たちに対して一ノ瀬監督は、「このメンバーで戦う最後の大会なので、とにかく楽しんでくれればいい。それに、同じように昇格を果たした、同じ北海道の星槎道都大さん(創部3年目、1~3年生だけのチームで今大会初出場)も応援してくれていて、昨日も今日も本当に感謝感謝です」と優しい笑顔で語った。そんな一ノ瀬監督をはじめ、これまで支えてくれた全ての人々への思いも込めて、北洋大の選手たちはこれまで切り拓いてきた道なき道を、最後まで力強く、そして笑顔で走り抜けるはずだ。


☆北洋大をはじめ、今大会初出場の女子4チーム=星槎道都大、新潟青陵大(北信越)、園田学園女大(兵庫)の戦いぶりは、2024年1月25日(木)発売の月刊バスケットボール3月号で掲載予定!

■月バスWEB/インカレ2023大会特設ページ
https://www.basketball-zine.com/article/detail/114119

■全96試合LIVE/見逃し配信『バスケットLIVE』
https://basketball.mb.softbank.jp/features/8943/


大会名:第75回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ2023)
主催:公益財団法人日本バスケットボール協会/一般財団法人全日本大学バスケットボール連盟
共催:一般社団法人大学スポーツ協会
特別協賛:三菱電機株式会社
大会期間:2023年12月2日(土)~10日(日)、16日(土)、17日(日)
会場:国立代々木競技場第二体育館(東京都渋谷区神南2-1-1)、大田区総合体育館(東京都大田区東蒲田1-11-1)、エスフォルタアリーナ八王子(東京都八王子市狭間町1453-1)、太田市総合体育館(OPENHOUSEARENAOTA/群馬県太田市飯塚町1059)
参加チーム:男女各40チーム(計80チーム)
配信:バスケットLIVE



文・写真/村山純一(月刊バスケットボール編集部)

タグ: インカレ

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