月刊バスケットボール6月号

【DVD紹介後半】恩塚亨コーチが指導するアタック中におけるサポートの原則

アンダーカテゴリーからトップまで、幅広い世代のコーチングを経験してきた恩塚亨コーチのDVD最新作『恩塚亨 Offence Game Model』が、121日よりジャパンライム株式会社から発売中だ。
 
本作は、オフェンスのゲームモデル=チームでの戦い方(プレーの原則を体系化したもの/チームの約束事)をテーマにした3枚組DVD。「こういうときはこうする」という原則をコーチや選手全員で合わせることで、選手たちは自信を持って瞬時に意思決定できるようになり、チームの方向性やコーチングの視点も明確になる。
 
DVD紹介前編】ではDisc1について紹介したが、この後編ではDisc2BREAKの原則~アタック中におけるサポートの原則~)、Disc3(5on5におけるBREAK)について紹介していく。
 
恩塚コーチはオフェンスを、CASTING(攻撃のはじまり)→CREATE(チャンスメイク)→CHANCE(勝ちどころ)→BREAK(アタック中)→FINISH(シュート)の5段階に分解し、Disc1では主に「CHANCE(勝ちどころ)」に焦点を当てた。Disc2では、「BREAK(アタック中)」の原則、また、そのアタック中におけるサポートの原則を取り上げている。
 
バスケットボールのオフェンスは5人、そしてコートのスペースも限られる。だからこそ「CREATE(チャンスメイク)」まではさまざまな方法があっても、「CHANCE(勝ちどころ)→BREAK(アタック中)→FINISH(シュート)」の部分はパターンが限られると恩塚コーチは言う。Disc2では、攻撃パターンをBreak1(ボールマンの進行方向にサポートが1人)、Break2(進行方向に味方がサポートが2人[コーナー/ウイング])、Break3(進行方向にサポートが3人)、Break3 IN(進行方向にサポートが3人、うち1人がインサイド)の4つに分け、それぞれのオフェンスの原則を解説している。
 
その際、ボールマンが有利か不利かの状況に応じて、オフボールマンに求められるサポートが変わってくる点はDisc1と同様だ。例えばBreak1の状況で、ボールマンがドライブ、パスの両方を守られる不利な状況であれば、オフボールマンはバックカットを狙うことがサポートとして有効。そのバックカットに対するヘルプの対応を見て、ボールマンはパスなのかドライブかを判断することが原則となる(ヘルプがドライブを守るようならパス、バックカットを守るようならドライブ)。


本編サンプル動画(BREAK2について)



Break3やBreak3 INは、ヘルプやローテーションに入るディフェンスが3人いるため、オフェンスにとっては基本的に攻めにくい状況となる。この状況を突破するためには、周りの選手の「ポジショニング力」が大きなカギ。DVD内では、サポート役の中でも特にいろいろな役目を担い、ディフェンスを撹乱してローテーションを狂わせる「JOKER」の働きなどが解説されている。
 
続くDisc3ではDisc2の内容をさらに発展させ、Break4(進行方向にサポートが4人)でのボールマンやサポート役の原則を解説。具体的には、コーナーから1on1を仕掛けるときの5人の動きだ。人数が増える分、それぞれの動きの連係も複雑になったように見えるが、基本的には人が動きながらBreak3 INBreak3を行うことでBreak4は成り立つので、Break1から順序立てて原則を身に付けていくことが必要となる。
 
また、Disc3の後半は、ハーフコート5on5におけるペイントアタックの原則やトランジションの原則について、実際にドリルを行いながら説明。DVDの最後にはオフェンス5段階のうちの「FINISH(シュート)」の項目を取り上げ、シュート後に徹底すべきタギングアップ、オフェンスリバウンドについて解説している。

本編サンプル動画



このように本作では、オフェンスを丁寧に分割し、それぞれのパターンについての原則を細かく解説している。Disc1からDisc3まで徐々にレベルを上げながら段階を踏んで解説されているため、オフェンスの考え方、状況判断の仕方を体系的に学ぶことができるだろう。詳しい商品説明は、下記ジャパンライム株式会社の公式HPにて。

■作品名:恩塚 亨 Offence Game Model
■商品番号:1141-SDVD 3枚組)
■制作:ジャパンライム株式会社
■通販サイト:
https://www.japanlaim.co.jp/fs/jplm/gr3326/gd9059

文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

タグ: 女子日本代表 恩塚亨

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