月刊バスケットボール1月号

NBA

2023.12.08

ケイレブ・ジョンソン(NBA Gリーグ、オースティン・スパーズ)が語る“スパーズ・ウェイ”

サンアントニオ・スパーズの育成チームとしてGリーグに所属しているオースティン・スパーズのガードを務めるケイレブ・ジョンソンは、スパーズでスモールフォワードとして活躍中のケルドン・ジョンソンの実兄だ。兄弟そろってスパーズで切磋琢磨するのはレアケースだが、兄のケイレブはジョージタウン大で4年間プレーした後にプロ入りを果たし、オースティン スパーズの他、昨シーズンはベネズエラでプレーした経験も持っている。


今シーズンは122日時点までの8試合を通して11.5点、3.1リバウンドのアベレージ。フィールドゴール成功率はGリーグ1位の73.2%を記録している。取材実施日(20231124日オースティンにて収録)は、残念ながらオクラホマシティ・ブルー(オクラホマシティ・サンダーのGリーグチーム)に113101で敗れてしまったが、試合後のインタビューにケイレブは快く対応。オースティンでも浸透しているスパーズカルチャーや。オースティン・スパーズの見どころなどについて話してくれた。


取材当日のジョンソンと小谷氏(写真/小谷氏提供)





歴代一番好きなスパーズの選手は実弟ケルドン・ジョンソン

——まずは少し遅くなってしまったけれども、誕生日おめでとうございます(取材3日前の1121日がケイレブの28歳の誕生日だった)。誕生日は何をしていたの?

ありがとう。誕生日は友達と食事に行って祝ったよ。

——今シーズンはオースティンでは4シーズン目かな?

そうだね。初めてのシーズンはバブルで短いシーズンだった。翌シーズンはフルシーズン通してプレーして、昨シーズンはシーズン終盤からオースティンでプレーすることになったけど今が4シーズン目にはなるね。

——個人成績を見ると、平均得点がシーズン毎に上がっているよね。平均5点から始まって、6点、10.8点、今シーズンは13.9点(取材日時点)。継続的にパフォーマンスを向上させる秘訣は何かある?

4シーズン目にもなると余裕も出てきて、コート上で何が起きるのかも想定できる。あとは自信がついてきていることも大きい。

——4シーズン目にもなるとチームでの役割も変化してきている? チームではベテランかなと思うけども。

少しかな。このチームの選手は皆自分を証明しようとプレーしている。その点は僕も変わらない。コート上では、僕は複数のポジションをプレーできるから、シーズン通してコーチも色々な使い方でコートに送り込んでくれる。とても幸運に感じているよ。

——スパーズは個人よりもチームを優先させるカルチャーがとても根付いているイメージだけども、オースティン在籍4シーズン目にもなると選手としてもスパーズカルチャーを強く感じている?

100%そうだね。トレーニングキャンプでは、一番最初に“スパーズウェイ”の話を聞く。インパクトもとても大きい。コート内外で、正しい行動をとらなければいけない。勝つことは一番重要なことだけども、適切なマナーに沿って、しっかりした行動をとることに対しても同じくらい重きを置いている。

——スパーズの行動規範を体現するために何か意識していることはある?

特にこれといったものはないかな。今まで高校、大学とずっとバスケットボールをプレーしてきて、ユニフォームのフロントに書いてある名前の意味はとても大きいことは学んだ。個人の行動は常に注意しなければいけない。選手の個々の行動はチームに影響するし、ユニフォームのバックに書いてある名前を表してプレーしている訳ではないことを理解しないといけない。

——オースティンでの4シーズン目は、つまりGリーグでも4シーズン目になるよね。Gリーグがなぜ重要なのかについて話してくれる?

育成の場としては、めちゃくちゃ重要だね。NBAからGリーグに選手を育成目的で送り込んで来ることも多々ある。ドラフト1巡目で指名されても、最初の12シーズンはGリーグで過ごす選手もいる。自分自身もGリーグでプレーしていて、毎年リーグが大きくなったりして、より良いリーグになっていることを実感している。いい仕事をしてくれる選手会もある。彼らは例えばより良い住居環境を整えるために、しっかりとリーグに主張してくれる。毎年選手を取り巻く環境もよくなっているよ。

——因みにチームにドミニク・バーロウ、サージャバリ・ライスのようなツーウェイの選手がいるとモチベーションにはなる? 彼らはGリーグとNBAを常に行き来しているわけだけども。

いや、彼らが僕をモティベートすることはないかな。NBAGリーグを行ったり来たりで、良いなあと思うことはあるけど。僕自身も弟(ケルドン)から色んな話を教えてもらっているよ。





——話は変わるけど、今年5月にケルドンと中国に行ったよね? アジアに行くのは初めてだった?

そう、アジアに行くのは初めてだったよ。何が起きるのか最初はわからなかったけど、本当にいろんな経験ができた。僕や家族に対してのおもてなしには驚いたよ。来年もまた行きたいなと思ってる。

——中国滞在中の動画や画像を見たけど、どこでもレッドカーペットを歩いているみたいだったね?

そうだね。最高級のおもてなしだったと感じたし、中国のバスケットボールカルチャーも最高だった。すべての経験が「ワオ!」っていう感じだった。

——食べ物とかで、特に印象に残っているものはある?

とにかく色んなものに挑戦しようと思っていたけど、火鍋は僕のお気に入りだった。あとは弟とザリガニをたくさん食べたよ。アメリカでは食べないものも中国では食べていたし、とにかく何ごとにもオープンマインドで試していたよ。

——因みに日本については何か知っている?

少しは知っているけど、正直あまり知らないかな。

——オースティン・スパーズからファンは今シーズン何を期待できる?

僕らは毎試合ハードにプレーして、100%を出し切ること。あとはサンアントニオ・スパーズの選手もオースティンで見ることができる。将来的にサンアントニオで出場時間を得られる有望な選手達だと思うし、彼らが育っていく姿を見ることもきっと楽しいよ。2~3年後にはNBAでロールプレーヤーやスターになっている選手たちを、僕も「彼とプレーしたことがある」なんて言えるかもしれない。

——最後の質問は、あなたの歴代一番好きなスパーズの選手は?

ケルドン ジョンソン。

——ケルドン以外は…?

(笑)ケルドンかな…直ぐに頭に浮かぶのは彼しかいないよ(笑)

この企画は、スパーズのスーパーファンとして知られる小谷太郎さんが立ち上げた「Paint it Silver & Black!」プロジェクトの一環として小谷さんの全面的協力の下でスパーズ周辺の様々な話題を取り上げています。不定期ながら随時楽しい企画をお送りしていきますので、乞うご期待!



取材・文・写真/小谷太郎(Paint It Silver &Black!)

タグ: サンアントニオ・スパーズ

PICK UP

RELATED