月刊バスケットボール6月号

大学

2023.12.03

【インカレ2023】女子第2日、東北学院大学が高知大学の追い上げをかわして74-66で勝利


12月3日に第2日を迎えた第75回全日本大学バスケットボール選手権大会は、国立代々木競技場 第二体育館でグループステージの4試合が行われた。この日の第1試合はDブロックの東北学院大学対高知大学。どちらも有能なオールラウンダーを複数擁するチーム同士の対戦だったが、#10石田侑実を中心にインサイド、アウトサイドでバランスよく得点を重ねた東北学院が74-66で白星を手にした。

東北学院は#10石田と#2加藤瑞紀、#5斉藤花帆、#16相原ゆい、#23金澤姫乃がスターター。対する高知大は#3西田采加、#14冨永莉央、#17産賀菜名、#23牧直帆子、そして#29谷口美結の5人でティップオフに臨んだ。

序盤に勢いよく飛び出したのは高知大で、#29谷口がオフェンスリバウンドからのプットバックを決めて先制した後、#14冨永がフィールドゴールを3本立て続けに成功させて8-2とリードした。開始から2分過ぎに、東北学院の#23牧が#10石田からのパスを受けてレイアップを沈めたところからは点の取り合いとなったが、高知大は#17産賀が2本連続で3Pショットを成功させて17-13とリードした後の第1Q残り4分を切るあたりまでは、ほとんどの時間優位を保っていた。

しかし東北学院は、#5斉藤がフリースローを1本決め、2本目が落ちたところのセカンドチャンスで#2加藤の3Pショットが決まり17-17と追いつく。この4Pプレー以降東北学院のオフェンスは調子づき、インターバルをまたいで第2Q開始2分半過ぎまで18-6のランを展開して31-23と逆に8点のリードを積み上げた。

流れを変えたい高知大はタイムアウトで立て直しを図るが、東北学院は#12難波彩風のブロックショットなどディフェンス面でも躍動。高知大も#17産賀の5連続得点に#23牧の3Pショットが2本続いて第2Q残り3分36秒に37-34と3点差に詰め寄ったものの、東北学院は#16相原ゆいのブロックショット、#10石田のブザービーターとなるミドルジャンパーなど好プレーが飛び出し、41-34と再度リードを広げて後半戦を迎えることとなった。

後半は両チームともなかなかショットの確率が上がらない中での我慢比べのような展開となったが、そんな中でミスが多くなった高知大は第3Qに7得点しか奪えずに終わる。最後の10分間は、一時東北学院が点差を19まで開き主導権をほぼ掌握。終盤の高知大の反撃もしのいで勝ち切った。

東北学院の勝因の一つには、スピーディーな高知大のディフェンスにしっかり対応してうまくボールをシェアしたことが挙げられる。2桁得点こそ17得点の#5斉藤、13得点の#2加藤、12得点の#10石田の3人だけだったが、得点を記録したプレーヤーは計9人に上る。一方の高知大は、度々窮地を救うビッグショットを沈めた#17産賀がゲームハイの22得点。#29谷口も終盤反撃した時間帯の7得点を含む17得点を記録し、#14冨永も16得点、7リバウンド、5アシストに3スティールと攻守両面の活躍を見せたが、得点を記録したのはほかに#23牧(8得点)と#3西田(3得点)だけだ。

特に後半の東北学院は、ハーフタイム時点で10得点を稼いでいた#10石田からのお膳立てでカッターがイージーバスケットを決めたり、キックアウトを受けたシューターが3Pショットをスウィッシュさせるシーンが度々見られた。身長170cm以上のプレーヤーが一人もおらず、平均身長で東北学院大よりも4.9cm小柄な高知大が、#3西田の13本を筆頭にリバウンドで52-49と上回った奮闘は大いに称えられるべきだが、勝負としては、コートを広く使い多くのプレーヤーがよりよいショットを狙った東北学院に軍配が上がった形だ。

■月バスWEB/インカレ2023大会特設ページ
https://www.basketball-zine.com/article/detail/114119

■全96試合LIVE/見逃し配信『バスケットLIVE
https://basketball.mb.softbank.jp/features/8943/



大会名:第75回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ2023)
主催:公益財団法人日本バスケットボール協会/一般財団法人全日本大学バスケットボール連盟
共催:一般社団法人大学スポーツ協会
特別協賛:三菱電機株式会社
大会期間:2023年12月2日(土)~10日(日)、16日(土)、17日(日)
会場:国立代々木競技場第二体育館(東京都渋谷区神南2-1-1)、大田区総合体育館(東京都大田区東蒲田1-11-1)、エスフォルタアリーナ八王子(東京都八王子市狭間町1453-1)、太田市総合体育館(OPENHOUSEARENAOTA/群馬県太田市飯塚町1059)
参加チーム:男女各40チーム(計80チーム)
配信:バスケットLIVE



文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB)

タグ: インカレ

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