月刊バスケットボール24年3月号

Wリーグ

2023.11.26

髙田真希インタビュー「年齢が上がったとしてもプレーの質は落としたくない」

デンソー、日本代表の要として活躍


11月19日に各チームとも12試合消化し、Wリーグのレギュラーシーズンもほぼ中間地点となった。現在、トップは無敗のトヨタ自動車、それに続くのが10勝2敗のデンソー、ENEOS、富士通、そして、シャンソン(9勝3敗)が後を追っている状態だ。
今回、公式プログラムの巻頭企画・Wリーグ総選挙の『ゴール下の要部門』で1位に選ばれた髙田真希(デンソー)に直撃した。

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髙田は11月11日の富士通との第1戦で、『リーグ通算400試合出場』の記録を樹立。その試合数は、現役復帰を果たした吉田亜沙美(JOMO/JX/JX-ENEOS→アイシン)には僅かに及ばないものの、髙田は16シーズンにわたってデンソーの大黒柱としてチームを支え、日本代表でも東京2020オリンピックで銀メダル獲得の立て役者になったことは誰もが知るところだ。



――デンソーの戦いぶりを見ていると、チームとして昨シーズンよりレベルアップしているように見えます。

「個々のレベルアップは確実にしていると思います。あとはチームとしてどう組み立てていくかですね。(赤穂)ひまわりと私は(日本代表の活動で)チーム練習があまりできていないので、試合の中で経験することによってお互いの共通理解を増やしていかなければと思っています。それによって個々の能力が上がっている分、チームとしてより一層の強みが増すと思いますし、何よりもみんなが自分の役割をしっかり理解してコートに立っているのはすごく伝わってきます」

――今シーズンから東京2020オリンピックメンバーだった馬瓜エブリン選手が加わったことなどプラス材料がいろいろありますね。

「エブリンは得点能力に加え、ディフェンスもしっかりやってくれるので、チームにすごくいい影響を与えてくれます。そしてそれ以上にチームの雰囲気が良くないとき、ゲーム中だけでなく練習中からすごく声を出してみんなのモチベーションを上げてくれるところは、プレー以上に助かっている部分です」

――シャンソン戦(11月5日●72-77)に続いて富士通戦(11月12日●59-62)で2敗目を喫しました。今後に向けて、どんな調整をしていきますか?

「(富士通戦の敗戦について)ディフェンスはそんなに悪くなかったと思いますが、オフェンスですごく停滞してしまう時間帯がありました。オフェンスの入りが遅くなることによって、攻める時間が少なくなり、焦ってシュートを打ったり無理な1対1をするなど、もう少しオフェンスを整理したいです。自分でもこうしたいというのはありますが、それはすぐにできるものではないし、普段の練習からしっかりとできるまで、理想に近づくまでやり続けたいと思っています」

――以前から髙田選手はブロックショットがうまいという印象を持っています。ご自身ではブロックショットについて感じることはありますか?

「そうですね。もちろん、ブロックに行けるときは思いっ切り行きますよ。でもこのチームは、すごくディフェンスがいいので、相手にシュートを打たれる前に守れている部分がたくさんあって、自分が無理にヘルプに行く必要がないんですよ。ひまわりやエブリンたちは高さで守って相手のシュートを防いでくれていますしね。それにWリーグの選手たちの身長が大きくなったということも感じています。それもあって、まずはインサイドをノーファウルでしっかり守るということが大事で、相手のインサイドプレーヤーに簡単にボールを持たせないという意識でディフェンスをしています」




Wリーグ総選挙『ゴール下の要部門』で見事1位に


――選手の皆さんに投票してもらった第25回Wリーグ公式プログラム(2023-24シーズン)の巻頭企画「Wリーグ総選挙」では、髙田選手が『ゴール下の要部門』で見事1位となりましたね。

「そうですね。試合では敵同士ですけど、一緒のリーグで戦っている人たちから評価されるというのはすごくうれしいことだと純粋に思います。それに、選手たちからこう見られているんだとか、こういうふうに思っているんだと感じられました」

――そういった声を聞いて、もっと発奮しなければ、もっとうまくなりたいと思うことはありますか?

「そのことだけじゃなくても、やっぱりいろいろな人から注目してもらえることが増えたので、そういった意味では年齢が上がったとしてもプレーの質は落としたくないです。多くの人に注目されているからこそ、練習に取り組む意識や向上心を忘れてはいけないものだと思っています。どうしても年齢とともにそういう意識が下がってしまうことがあるのかなとは思いますが、そこを自分は上げていけるように、モチベーションとしてやれていることが今のパフォーマンスにつながっているのだと思います。ですから周りの皆さんの評価はものすごくうれしいです。自分のモチベーションとなっています」



――ちなみにあと何年頑張ろうとか、何歳まで現役を続けようと考えていますか?

「(笑) 具体的な数字はないですけど、1年でも長くやりたいと思っています。そのためにもプレーの質を落とさないこと。ケガも関係しますが、ハードワークをするときにはハードワークをして、休むところは休みながらオンとオフをしっかり切り替えること。そして、気持ちの部分でもモチベーションを保ちながらやっていくことで1年でも長く続けられると思います」

――ぜひ、女子の現役最高年齢記録を目指してください。37歳までプレーした“だん”さんこと山田美幸*さん(元トヨタ自動車)など40歳近くまでプレーしていた方もいますので、ぜひ少しでも長く現役を続けてください。

「はい、頑張ります。ありがとうございます。(山田さんは)めちゃめちゃ跳ぶ方ですよね。私は自分が高校生のときに山田さんがクラブチームでやっているのを見たことがあって、あの年齢でもプレーしているんだと思ったことがありました」

*=インタビューの最後に名前が挙がった山田さんは中京女子大学を卒業後、1986年にトヨタ自動車に入社し、2000-01シーズンまで日本リーグ~Wリーグで活躍。第一線を退いた時は37歳だった(引退時の1試合の平均得点は14.1点)。ニックネームの“だん”は、大学時代に先輩から『ダンクができるくらいジャンプ力がある』という意味でつけられほど、卓越したジャンプ力の持ち主だった。当時の印象的なことといえば、ミドルカットのバッシュを履いている選手が多い中で、彼女はいつもローカットでプレー。しかもサポーターもテーピングも巻かずにプレーしていて、それでも大きなケガをしなかったのは非常にボディバランスに優れていたからだと言われていた。



髙田 真希 Profile
たかだ・まき◎デンソー№8/185㎝/センター/1989年8月23日生まれ/愛知県豊橋市出身/桜花学園高→デンソー(2008年入団)/入団2年目に日本代表入り/2008-09Wリーグ新人王をはじめ、レギュラーシーズンMVP、得点王、リバウンド王、ベスト5など多くの個人賞を受賞/プレー中に発揮される体幹の強さや当たり負けしない強い体は、小4から中3までやっていた空手によって培われたもの。バスケとの出会いは小5で始めた部活でだったが、本格的にバスケと向き合うようになったのは中学に入学してからで、中学時代は空手との二刀流選手だった/2020年4月にイベント等を企画運営する「TRUE HOPE」を設立し、社長に就任。現在は選手&社長業の二刀流で活躍中だ



取材・文/飯塚友子 写真/ⓒWリーグ

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