月刊バスケットボール1月号

【DVD紹介後編】佐藤久夫コーチ「U-18 誰にでもできることをしっかりプレーしよう」

6月に亡くなった佐藤久夫コーチの生前最後のDVD作品『U-18 誰にでもできることをしっかりプレーしよう』が、ご遺族の承諾を得て10月5日に発売された。
 
今作は、佐藤コーチがジャパンライム株式会社とともに昨年10月に撮影した新作の指導論DVD。映像内で佐藤コーチは「“誰でもできること”だけでも、優勝できる」と選手たちに語りかけ、“バスケットボールの基本”をテーマにさまざまな項目を扱っている。
 
【DVD紹介前編】では、DVD3枚組のうちのDisc1について紹介した。この後編では、Disc2とDisc3について、実際の映像もまじえながら紹介していく。


個人技術がメインだったDisc1に比べ、Disc2はより連係プレーなどのグループ戦術に発展する。DVD内でまず扱われているのは、「パスワークの中でビジョンと合わせるタイミングを育てる」というテーマ。選手たちにオールコート3対3のパスワークでボールを運ばせながら、その際の重要なポイントを佐藤コーチが指導していく。
 
合わせのプレーには「タイミングを合わせること」が重要。そのためにはボールマンがレシーバーから目を離さず(ビジョンを外さない)、小さいピボットでパスのタイミングを計ること、レシーバーはラダーを使ってタイミングを計り、そこからディフェンスを振り切る「急発進・急ブレーキ」を求めている。急発進、急ブレーキはDisc1で扱った基本プレー。このように、Disc1の内容がDisc2Disc3にも深く関連している。佐藤コーチは時折選手たちのプレーを止めながら、「慌てないこと」や「レシーバーが考えて動くこと」などを指導する。

また、次のサンプル映像は、「スペーシングとムービングのタイミング」を抜粋した映像。



1対1の良いリズムを作るために、選手が動くことによるスペーシングが大事だと佐藤コーチ。「選手が動いたあと、そこに一つのスペースができる。そこを次のプレーヤーが埋めることで、1対1が良いリズムに変わってくる」と言い、ハーフコート3対3の動きの中でポイントを指導している。

続いてDisc3では、「オンボールマンスクリーンとオフボールマンスクリーンの同時プレー(2on22on2)」「「レイアップシュートの考察」「シザースプレーの発展考察」など、基本のプレーを組み合わせることで、より破壊力のあるバスケットボールの構築を目指す。

下記は「シューターを活かすプレーの考察」を抜粋した映像。


佐藤コーチは、得点源となるシューターが厳しいマークをかいくぐって連続得点するために、最低3種のシュートバリエーションが必要という。また、「ナイスプレーの1つ前のプレーが真のナイスプレー」と常々言っているように、シューターを活かすために重要な周りの選手の動き、ディフェンスを外すスクリーンや、スペースを作るためのオフボールマンのカッティングなどについても解説している。

長年の指導で培ってきた“基本のプレー”に関する指導を、佐藤コーチが惜しみなく公開し、“誰でもできること”を極めることの難しさと大切さを教えてくれる今作。最後に、撮影の合間、佐藤コーチが選手に伝えたメッセージ(音声)を紹介する。



詳しい商品説明や本編サンプル動画は、下記ジャパンライム株式会社の公式HPにて。

■作品名:佐藤久夫『U-18 誰にでもできることをしっかりプレーしよう』
■商品名:1138-SDVD 3枚組)
■制作:ジャパンライム株式会社
■通販サイト:
https://www.japanlaim.co.jp/fs/jplm/gr3316/gd9052


(月刊バスケットボール)



文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

タグ: 佐藤久夫 仙台大明成

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