月刊バスケットボール10月号

車いすバスケ・鳥海連志がプロ宣言&アシックス所属契約、河村勇輝からも祝福メッセージ

多様な活躍を見せたいと語った鳥海


10月10日、アシックスは「鳥海連志×アシックス契約締結記者発表会」を開き、車いす選手で東京パラリンピック銀メダリストの鳥海連志(神奈川VANGUARDS)と所属契約締結を交わしたと発表した。鳥海はこれを機にプロ転向を宣言しており、アシックスにとって初のプロパラアスリートとの契約になる。発表会の中で、鳥海は「立ち振る舞いも含めて、注目していただけるよう、恥じない姿を見せられるように頑張っていきます」と抱負を語った。

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鳥海は中学1年生で車いすバスケを開始。わずか3年後の高校1年時には日本代表に初選出。2016年リオ大会で初のパラリンピック出場を果たすと、2017年U23世界選手権、2018年アジアパラ競技大会、世界選手権に出場し、スピードを生かしたプレーでチームに貢献。2021年に行われた東京パラリンピックでは銀メダルを獲得した。鳥海はオンコートでの活躍の一方、「第50回ベストドレッサー賞」スポーツ部門を受賞するなど、オフコートでも活躍を見せている。

会見の冒頭で廣田康人アシックス代表取締役社長CEO兼COOは「アシックスにとって初のプロパラアスリートとの契約は大変うれしいことです。今回の契約は一方的なサポートというものではありません。鳥海選手のプロとしての思いや覚悟をサポートしつつ、彼が持つ感性や発想も尊重し、双方向のコミュニケーションを図っていきたいと考えています」とあいさつすると、“今回の契約はパートナーとしての契約、アシックスの一員となる契約”と伝えた。鳥海は今後、オンコートではアシックスを、オフコートではオニツカタイガーを着用。商品に対してのフィードバックだけでなく多様な活躍をしていく予定だという。


鳥海と廣田康人社長

アシックスの一員になった鳥海は「今まで以上に成長することを期待していただきたいです。そして車いすバスケ、パラスポーツ、スポーツをする全員に影響を与えられる存在になりたいと思っています。プレッシャーもありますし、プロとしてどういうプレーをするか。立ち振る舞いも含めて、注目していただけるよう、恥じない姿を見せられるように頑張っていきます」とあらゆる人に影響を与えられる存在にまで成長したいと宣言した。また、ファッションにもこだわりがある鳥海は、父からプレゼントされたこともあって幼少時からオニツカタイガーが好きだったと明かし、「スタイリッシュであり、ハデであり、インパクトがあるところが好きです。僕は義足だというもの対して、障害の方という先入観でなくて、かっこいいという言葉がまず出てくるようなスタイリングを心がけていいます。これからアメカジにも挑戦していきたいし、より洗練されたウエアを着用できるのは楽しみです」と語った。

甲田知子常務執行役員からは「アシックスは2030年に向けて誰もが一生涯、運動スポーツを通じて、心も体も満たされるライフスタイルを創造していきます。障害のある方への取り組みもさらに進めていきたい。パラスポーツ企画部を新設しており、パラスポーツを通じて健康で持続可能な共生社会の実現していく」と今回の契約をきっかけにさらにパラスポーツ、多様性の発展にも貢献したいとアシックスとしての思いも強調した。

発表会の最後には、同じアシックスのアドバイザリースタッフの河村勇輝(横浜BC)から契約を祝福するビデオレターも紹介。「同じアシックスファミリーとなれることを大変うれしく思っています。バスケ界全体を一緒に盛り上げていきましょう」とメッセージが紹介された。


オニツカタイガーのスーツを着たスタイルも披露

文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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