月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2023.10.06

横浜エクセレンスでキャプテン2シーズン目、俊野達彦の思い

キャプテン2シーズン目、俊野達彦の思い


2022-23
シーズンでB2昇格を逃した横浜エクセレンスは、オフ期間にクラブの運営体制を一新するとともに、「大型」と呼ぶべき戦力補強を行って2023-24シーズンを迎える。Bリーグが公表している新B1構想でトップリーグにあたるB.LEAGUE ONE2026年に参入することを目標に掲げており、その入会審査対象となる今シーズンに向けた意気込みは非常に強い。


昨シーズンに続いてキャプテンを務める俊野達彦は、「B3優勝とB2昇格という目標をクリアするために移籍してきて、そこを成し遂げるために常に練習からみんながハードワークできるチームになりたいという思いを持っています。2年目の夏を過ごしましたが、今までいた選手も新しく来た選手も含めて皆ハードに練習できていて、スタンダードを上げることができています」と新チームに対する手応えを語る。


9月18日のプレシーズンゲーム後、インタビューに答える俊野達彦

9月中のチームの様子を振り返ると、まだまだ仕上がりとしては時間が必要なことは否めない。唯一のプレシーズンゲームだった918日のアルティーリ千葉戦は62-97と差をつけられて敗れた。その4日後の22日に行われたB1大阪エヴェッサ相手の天皇杯2次ラウンドも、59-87という黒星だ。



ただ、ワールドカップで5位に躍進したラトビア代表のビッグマン、クラヴス・チャバルスが新戦力としてチームに合流したのがプレシーズンゲームのわずか数日前。チームにはチャバルスを含め新戦力が14人中9人おり、ヘッドコーチもワールドカップでアンゴラ代表を率いたジョゼップ・クラロス・カナルスが新たに就任し、こちらも合流から日が浅い状態だった。それを思えば、昨シーズンのB2最高勝率チーム(アルティーリ千葉)とB1クラブ(大阪エヴェッサ)相手にウォームアップをできた意味は非常に大きい。俊野は、「最初の試合はいろんなことを試す部分もあり、勝っても負けても、そこから一つ一つの練習で成長していく必要があります。(負けたといっても)下を向くことなく高いスタンダードと良い雰囲気を保ちながら、しっかりいいバスケットをみんなで作り上げていけたらなと思っています」と話している。



俊野は昨シーズン前に愛媛オレンジバイキングスから移籍し、新加入にもかかわらずキャプテンを務めた。今シーズンは横浜でキャプテンとして2シーズン目となるが、地元横浜出身のベテラン西山達哉と新加入組の一人である谷口 淳という二人の副キャプテンとともにチームをまとめていく。

昨シーズンの横浜エクセレンスは、興行的にも横浜での飛躍に向けたポテンシャルの高さを十分に感じさせていた。20221015日の金沢武士団とのホーム開幕戦には、2,155人のファンが来場。その夜俊野は、「移籍後最初のホームゲームを楽しみにしていたんですけど、こんな大観衆の前でプレーできて幸せです。この大声援にふさわしいチームになれるようにもっともっと上を目指してやっていきたいと思います」と感激した様子だった。

レギュラーシーズンのホーム最終戦となった42日の豊田合成スコーピオンズ戦では、満員御礼の2,410人が横浜武道館を大いに盛り上げ、ポストシーズンに向け士気を高めていくチームを勢いづけた。この日も俊野はファンの気持ちを受け止めて「今日みたいに2,400人を超えるファンが集まるような流れのときに、何か大きな物事は動いていくと思っています。ファンの皆さんがその雰囲気を作ってくれて、フロントが一つにしてくれていることを感じて、僕らは勝ち続けていきたいです」と話していた。



横浜エクセレンスは2022-23レギュラーシーズンを7連勝で締めくくり、最終成績4012敗(勝率.769)の5位でプレーオフに進んだ。クォーターファイナルではアウェイで鹿児島レブナイズに連勝。昇格をかけて戦ったセミファイナルでは岩手ビッグブルズに敗れたが、3位決定戦ではさいたまブロンコスを21敗で下し、プレーオフ全体では43敗と勝ち越した。ファンが生み出した流れは間違いなくチームの力となっていたことが感じられる。

昨シーズンの全ホームゲーム平均では1,188人という数字が明らかになっているが、その約2倍となる平均2,400人のB.LEAGUE ONE参入基準達成は決して不可能な数字ではないだろう。俊野を筆頭にチームとしても、見応えのあるパフォーマンスとB3制覇/B2昇格という結果でB.LEAGUE ONE参入への弾みをつけたいところに違いない。

アルティーリ千葉とのプレシーズンゲーム開始前、レイアップラインで勢いよくゴールに向かった俊野が一度だけダンクを試みる場面があった。身長187cm35歳のベテランポイントガードという俊野は、高校時代から身体能力の高さは知られていたとはいえ、最近はこんな場面が多い方ではない。試合後、その件に触れて「体のキレがよさそうですね! 今シーズンは見どころが増えるんじゃないですか?」と声をかけると、「ダンクはもともとできるんですけど、試合でもお見せできたらいいですね!」と明るい笑顔で答えてくれた。106日にアウェイで戦う徳島ガンバロウズ戦から始まる2023-24シーズンでは、俊野のトマホークが横浜エクセレンスの勢いの源流になり、チームの躍進と平均2,400人という入場者数目標達成を呼び込むことも期待したい。

横浜エクセレンス公式サイト(試合日程ページ)



取材・文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: 横浜エクセレンス B3リーグ

PICK UP

RELATED