月刊バスケットボール6月号

女子日本代表21時から中国と決勝、勝てば6大会ぶりの金メダル[アジア競技大会]

完全アウェイの中、6大会ぶり金メダルなるか


第19回アジア競技大会(2022/杭州)バスケットボール10日目、AKATSUKI JAPAN女子日本代表(FIBAランク9位)は決勝で中国(同2位)と対戦する。勝利すれば1998年バンコク大会以来、6大会ぶりの金メダルになる。

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女子決勝の相手は中国。7月の女子アジアカップ決勝の再戦になった。6連覇を狙った同大会、女子日本代表はグループステージを1位で通過すると準決勝でニュージーランドを下してオリンピック予選出場権を獲得。そして3大会連続となる中国との決勝に臨んだ。いい入りをした日本は4Q残り5分半で60-54とリードしたが、3Pシュートを3本連続で決められて逆転を許す。それでも残り40秒、キャプテン林咲希の同点3Pシュートをねじ込んで望みをつないだが71-73で惜敗。準優勝に終わった。



そこから約3ヵ月、“オリンピック予選出場権を見据えた強化の機会にしたい”という恩塚亨ヘッドコーチの意向もあって女子日本代表はアジア競技大会に出場することに。事前合宿で恩塚HCは「もちろん優勝を目指しています。地元開催で負けられない中国はベストメンバーで来る。その上を行く戦いをしたい」と中国を倒しての優勝を目指すと発言。林キャプテンは「前回よりステップアップできていると思うし、悪い流れになってもやるべきことをやれば優勝できると思っています」とアジアカップで見えた課題は対応していると語っている。

中国は、MVPとなった205cmシュー・ハンなどアジアカップ出場の10選手に、昨年のワールドカップで活躍したリー・ユエル、ファン・シジンも加わる強力ロスターで臨んできている。最も警戒しなければならないのは身長2mのツインタワーだ。今大会200cmリー・ユエルは23.8得点、11.4リバウンドのダブルダブル、205cmハン・シューは15.6得点をマークしている。また、アジアカップ決勝では3Pシュート、ドライブで苦しめられたリー・メンも平均16.2得点、3Pシュート成功率43.8%と好調をキープしているようだ。





対戦チームも異なるだけに単純比較はできないが、チーム成績を見るとフィールドゴール成功率、2Pシュート成功率、フリースロー成功率、平均リバウンド数、平均アシスト数、平均ブロック数、平均得点などは中国が上である。一方、日本は平均スティール数(16.6)、3Pシュート成功数(73本)ターンオーバー数(9.6)では大会No.1をマーク。速攻からの得点は29.0(中国20.4)、ターンオーバーからの得点で39.4(中国21.8)と相手を上回っている。いかにミスを引き出して速い展開につなげ、武器である3Pシュートも効果的を放って主導権を握りたいところである。

クォーター毎のスコアを見ると、日本は前半51.4得点・後半41.2得点(中国は前半50.6得点・後半52.8得点)。そして中国は失点の約3割強を2Qに記録している。日本は前半(特に2Q)でリードを奪い、後半いかに粘れるかもポイントになりそうだ。中国開催だけにアリーナは完全アウェイと化するはず。“加油(ジャヨウ)”の大声援を跳ね除けて勝利をもぎ取る。そんな女子日本代表の戦いを期待したい。



■女子決勝放送・配信情報

[TBS系列]20:45頃〜
[TVer]https://tver.jp/live/special/leydpfebfa
[U-NEXT CH1]https://video.unext.jp





文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

タグ: 第19回アジア競技大会(2022 杭州)

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