月刊バスケットボール6月号

FIBA

2023.09.14

バスケW杯成功の一因か、FIBAが徹底した「選手第一」の大会運営

“選手第一”を合言葉に運営したとFIBAが紹介


ドイツの初優勝で終わったワールドカップ2023大会。日本代表の大健闘もあって日本でも連日報道されるなど話題になったが、フィリピンで行われた決勝の観客数は大会新記録の38,115人となるなど、大いに盛り上がった大会となった。9月13日にFIBA(国際バスケットボール連盟)が紹介したのは「プレーヤーズファースト」を合言葉に選手たちに大会を運営し、最高のホスピタリティーを提供していたというもの。

【写真3点】床屋・リラックス施設などを見る



今大会開催にあたってFIBAが関係者に求めたのは“プレーヤーズ・ファースト(選手第一)”の考え方。宿泊するホテルはもちろん、会場までの交通、警備、競技などあらゆる面を選手第一で考えてもらったと紹介している。中でもFIBAが特筆しているのが大会システムとホテル、プレーヤーズ・ラウンジだ。

日本、フィリピン、インドネシアと初の3国共催になった今大会だが、期間中どのチームも2回以上の移動がないよう選手、チームに優しいシステムにしたうえ、2019年中国大会と比較してレストデー(試合がない日)が1日増えていると紹介。ホテルでは、すべての選手にシングルルームが供給されたほか、リカバリーエリア、ジム施設がいつでも利用できるようにし、観光ツアーの実施、地元ならではのプレゼントなどのサービスも受けたという。そしてプレーヤーズラウンジ(会場で選手がくつろぐ場所)では試合を見るためのスクリーン、ゲームができる設備、理容施設、リカバリー・ステーションが設けたのだという。また、チームの選手の家族や友人にチケットを手配したとも綴っている。



準優勝セルビアのスベティスラブ・ペシッチヘッドコーチは、「バスケットコート、食事、ホテル、すべてが素晴らしくレベルが高かった」と賞賛。中国のヤオ・ミン(元ロケッツ)会長も「開催地は選手のために、できるだけ尽くしてくれた。すべてがハイレベルだったよ。私は5度NBAオールスターにも出ているが、ラウンジ、ホテル、食事はそれと同レベルだった」と最高クラスの環境が用意されていたと大会運営に感謝したと紹介している。

接戦、そして好ゲームが多かった一因は、徹底した“プレーヤーズ・ファースト”の運営にあったのかもしれない。




文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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