月刊バスケットボール10月号

相楽伊織のバスケ大好記①「WC前の強化試合を見て感じたこと“やっぱり3Pを決め切るしかない!”」 

不定期ですが連載スタートです!


皆さんこんにちは。
元乃木坂46の相楽伊織です。

バスケが好きすぎて、乃木坂46時代は『バスケならできます。』という個人PVを作ったり、乃木坂46卒業後はサンロッカーズ渋谷のチームナビゲーターを務めたりもしていました。
プライベートでもBリーグや日本代表の試合を見に行くくらいハマっています。
せっかくなので、自分のSNS以外でもどこかで私のバスケ愛を発信したいな、と思っていたところ、月刊バスケットボールWEBさんで不定期連載していただくことになりました!
タイトルは『相楽伊織のバスケ大好記(だいすき)』に決定。

その第1回目は、自分でチケットを買って見に行ったバスケットボール日本代表国際強化試合、対フランス戦と対スロベニア戦の2試合を見た感想と、8月25日に開幕するFIBAバスケットボールワールドカップ2023(WC)の展望についてなどを、素直に記してみたいと思います。

WCへの期待も感じたフランス戦


まずフランス戦。
結果はみなさんご存じのように70‐88での負けとなりましたが、『ディフェンスはよかったので、シュートの確率がもっとよければ、もしかして勝てたんじゃないかな? フランス相手にここまでできたのでWCでも期待できるのでは?』というのが私の率直な感想です。



富永啓生選手の3Pから日本もポイントを取れるようになったのは良かったと思います


開始2分半で0‐7のランを許しましたが、富永啓生選手の3Pから徐々に日本もポイントを取れるようになったのは良かったと思います。
またディフェンスでは、川真田紘也選手がディフェンス、オフェンス関係なく常に体を張っていて、バスケではよく、「自分を犠牲にして」という言葉を使いますが、川真田選手のプレーはまさにそのもの。すごく印象に残りました。

でもやっぱり世界ランキング5位のフランスは強かったですね。
ディフェンスとのズレをしっかり作って、それを生かして確実にポイントを取っていましたし、3Pの確率も結構高かった(36.4%。日本は29.5%)。
スピードもすごく速くて、日本がディフェンスの形を作る前にパス回しでフリーの選手を作ってしまうのは本当にすごかったです。

前半を5点ビハインドで折り返した日本ですが、後半に引き離されてしまったのは体格差のため体力が削られてしまった部分があると思います。
でも、最後までそれなりに粘れていたのは、チームとしてメンタル面が強くなっている証拠。
心折れずに最後まで気合を見せてくれたことに感動しました。



川真田選手のプレーはすごく印象に残りました


とにかくルカ選手がすごかったスロベニア


スロベニアはとにかくルカ・ドンチッチ選手がすごかったですね。
パス回しとかファウルのもらい方とか、もう「はぁ~」というため息がでちゃうくらいうまくて脱帽。
前半を見ただけで心を奪われてしまい、『もうこれはNBAを見に行くしかない!』って思っちゃいました(笑)。

そのルカ選手に河村勇輝選手がついたときには、会場が「オォ~」とざわつきましたね。
わたしも見ていてテンションが上がりました。
河村選手(172cm)にルカ選手(201cm)をマッチアップさせるというトム・ホーバスヘッドコーチの采配もすごいと思いますし、身長差に臆することなく完全にビタづきで食らいついていた河村選手もすごいと思いました。



河村選手(172cm)にルカ選手(20cm)をマッチアップさせるというトム・ホーバスヘッドコーチの采配もすごいと思いました


またディフェンスに関しては、原修太選手も身長差がある相手に対しマイナスになっている感じがなくて光っていたと思います。
そしてフランス戦に続き、川真田選手が頑張っているのが印象的でした。
ジョシュ・ホーキンソン選手だけでなく、川真田選手もゴール下を守れるというのは、日本にとってとても心強いことだな、と。

オフェンスでは、比江島慎選手のステップを駆使したアンドワンや、ホーキンソン選手の得点という魅せるプレーがあったり、富樫勇樹選手、富永選手、吉井裕鷹選手の3Pがありました。
でも、本来の日本のかたちとは違い、個での打開、という感じがしました。
3Pの確率が21.7%と低かったことも、日本のかたちでなかった証しだと思います。
振り回されている感というか、相手に翻弄されている感じがすごくありました。

それでも4Qでは、ズレを作ってポイントを取ったりと流れがきたときがありました。
『相手がすごくても、日本もできなくはないんだな』と思い、『2Qぐらいでアジャストすることができれば、後半につなげられるのでは』と希望も見えました。

WCでドイツに勝つにはもう3Pを決めるしかない


会場で2試合観戦して思ったのが、ファンの方の応援が選手の力になっているな、ということ。
得点したときはもちろん、河村選手がルカ選手についたとき、ブロックショット、いいディフェンスをしたときなど、一つ一つのプレーにしっかり声援を送っていたので、それが選手にとってかなりエネルギーになっていると思います。
WCでも地元の声援が、日本が目指すドイツ戦での勝利に大きな影響を与えるんじゃないかな、と。

でも、やっぱり世界の壁は高くて厚いですよね。
これまでWC予選での日本代表の戦いぶりを見てきて『何か、いけるんじゃないか』みたいな期待が予選を重ねるごとに高まっていたのですが、やっぱりフランス、スロベニア(世界7位)は強かった!

前回のWC、そして東京2020オリンピックと世界トップクラスの国相手に勝利を挙げられていない日本ですが、目指すドイツ戦での勝利のためには3Pを入れるしかないと思います。
『打っていれば入る』ではなく、『打ったら確実に決める』ぐらいでないと…。
体格差ある相手をディフェンスで抑え込むのは限界があると思うので、対抗するためには日本も点を取っていくしかありません。
もし3Pが入らなければ、というときのためのオプションも必要だと思いますが、フランス戦、スロベニア戦を見て『3Pが入らなければ勝負にならない。3Pを決め切るしかない』と思いました。
そうして3Pが入れば、ドライブのチャンスも増えると思いますし、その際はきっと川真田選手がスクリーンをかけて道を作ってくれるはず。

日本代表のみなさん、頑張ってください。
いい試合を期待しています。
私も応援の準備をしています!




Profile
相楽伊織 Iori Sagara
1997年11月26日、血液型0型 出身地:埼玉県出身、身長:164cm
2013年乃木坂46の2期生として加入。 愛称は「いおり」「いおちん」。特技はバスケ、ジャグリング。学校の都合で1年遅れて同期生に合流。2018年7月に卒業し、現在はファッショ ンモデルや女優として活動。 2020年にBリーグ「サンロッカーズ渋谷」チームナビゲーターに就任。バスケットボールの魅力をSNSでも発信している。


文/相楽伊織

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