月刊バスケットボール7月号

日本代表に待たれる馬場雄大、復調の時「メンバーに選んでもらえたここからが勝負」

積極的に攻めた後半に“馬場らしさ”復調の兆しあり


「FIBAワールドカップ2023」まであと10日に迫り、男子日本代表は有明アリーナにアンゴラ、フランス、スロベニアを迎えた本戦前最後の強化試合に臨んでいる。

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1試合目のアンゴラ戦には、渡邊雄太とジョシュ・ホーキンソンもメンバー入りし、本戦に臨む12人で戦う初めてのゲームとなった。

主導権を握ったのは日本で、富永啓生の3Pシュートで先制すると、渡邊もさすがの落ち着きで連続得点、さらにはホーキンソンのダンクもお膳立てするなど、上々の滑り出しを見せた。

しかし、徐々にアンゴラのディフェンスの前に勢いを削がれ、1Qは14-16。さらに、2Q途中には渡邊が右足を捻挫して負傷交代するアクシデントに見舞われるなど、どこか乗り切れない時間帯が続き4点のビハインド。

後半、その流れを変えるべく、アグレッシブに攻め立てたのが馬場雄大だった。馬場はチャイニーズ・タイペイからニュージーランドまでの6つの強化試合で平均8.0得点、FG成功率37.5%、3P成功率23.5%というスタッツを残している。

お世辞にも本調子とは言えず、さらに好不調の波がかなり激しい。例えばチャイニーズ・タイペイとの第1戦では18得点、ニュージーランドとの第1戦でも3P2/5の12得点と好調だったが、韓国との2試合では順に4得点と2得点。直近のニュージーランドとの第2戦でもFG1/4の5得点と本調子ではない。プレー面でもドライブかシュートかを迷うようなシーンもあり、本人も「強化試合全体では全然ダメです。納得いくものではない」と険しい表情で語っている。

アンゴラ戦でも前半はターンオーバーからワンマン速攻を許したり、フリースローを含むショットにも精彩を欠いた。


後半はよりアグレッシブにペイントアタックした

ただ、「前半の自分のプレーが納得いくものではなかったので、『このままで終われるか』という思いでやるしかなかったです」と後半はよりアグレッシブに、かつ頭を使いながら冷静に攻め立てる馬場らしいオフェンスを展開した。「後半の最初のフリースローのときに、『なんでこんなに肩に力が入ってるんだ?』と思って自分で笑っちゃって、そこから楽しくなっていきました。バスケットボールを楽しまないとと思ってプレーできました。納得がいかないこともありますけど、瞬間、瞬間を生きていくしかないので、楽しんでいきます」と吹っ切れた様子だ。

本人は渡邊の負傷がその呼び水となったことを否定しているが、この日はホーキンソンがプレータイムを制限していたこともあって、2人を欠く中で実質的に馬場がチームを引っ張る立場になったことは事実だ。もちろん、富永の3Pショーが日本をけん引したことは間違いない。ただ、馬場がペイントにアタックし続けて10本ものフリースローを稼いだことは、より評価されるべきである(ちなみにアンゴラはチーム全体でフリースロー試投数13)。

トム・ホーバスHCも「馬場は最近、波が結構ありましたよね。ミスしたプレーも『何で?』というものがあったり。今日の前半もあまり良くなかったじゃないですか。でも、後半に彼のマインドセットがよく変わったと思います。馬場の力は大事です。経験もあるし、ディフェンスもフィジカルプレーもドライブもできる。今はあまり良くないけど3Pも練習中はよく入るんですよ。彼の力が必要だし、大事です。彼にはもっとステップアップしてほしい」と信頼を崩さない。



馬場にとって、今回の選考レースは今までにない危機感を感じた期間だった。「今までになかった下(の世代)からの勢いと、結果を残していかないといけないという自分の立場もあって、なかなか納得のいくプレーができなくて…。本当にこのままでいいのかとずっと思いながらやっていますし、ひとまず選んでもらえたので、ここからが勝負」と気を引き締める。

アンゴラ戦のスタッツは10得点(フリースロー8/10)、3リバウンド、2アシスト、2スティールで、チームも75-65で勝利した。馬場自身もまずまずのスタッツだが、彼にはより多くを期待してしまう。

ホーバスHCは言う。「今は馬場が落ち着いて、馬場らしいバスケットをやってほしいです。(渡邊とホーキンソンがいない時間帯でも)馬場がオプション1ではなく、全員がオプション1ですよ。そこではないです。でも、彼には経験があります。いろいろな国でプレーしたから、選手たちも馬場を見ているんです。これから馬場はステップアップしますよ。信じています」

馬場も「トムさんからはいつも『お前が必要だ』『もっと良いのは分かっている』と言われていて、期待されているところと自分が納得し切れてないところ。戦いの中でそういうこともありますし、でも、最高の状態でワールドカップに入れるように準備していこうと思います」とモチベーションを高くもがき続けている。

ホーバスHCは試合後、渡邊がフランス戦には出場しないことを明言した。続くスロベニア戦もケースバイケースだ。ホーキンソンも引き続きプレータイムを制限されることだろう。そう考えると、残り2試合は馬場がステップアップするために与えられたチャンスなのかもしれない。我々もホーバスHCと同じように、馬場が馬場らしくプレーするその瞬間を信じて待ちたい。


★男子日本代表今後の予定

「男子日本代表国際強化試合2023東京大会」
会場 : 有明アリーナ(〒135-0063 東京都江東区有明1丁目11-1)
(1)8月15日(火)vs.アンゴラ代表(41位) 75-65
(2)8月17日(木)vs.フランス代表(5位)19:00ティップオフ
(3)8月19日(土)vs.スロベニア代表(7位)15:00ティップオフ
※カッコ内はFIBAランキング(2023年2月27日現在)

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取材・文・写真/堀内涼(月刊バスケットボール)

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