月刊バスケットボール10月号

大学

2023.08.11

【第2回WUBS】エキシビジョンから激アツ! WUBS学生選抜、初代王者アテネオ・デ・マニラ大に1点届かず

#13塚本智裕はチームハイの4アシストと活躍した(右奥は根本 大[白鷗大3年]、ディフェンダーは#23レブロン・ニエト、左は#22カイル・オン 写真/©WUBS)

世界の7つの国と地域から大学バスケットボールのトップチームが8チーム参加して開催されるWUBSSun Chlorella presents World University Basketball Series=ワールド・ユニバーシティー・バスケットボール・シリーズ)が、810日に国立競技場代々木第二体育館で幕を開けた。初日(Day 0)のこの日は2023年度 WUBS日本学生選抜チーム(以下WUBS学生選抜)が昨年大会のチャンピオンであるアテネオ・デ・マニラ大(フィリピン)を迎え撃つエキシビジョンゲーム。結果としては、70-69という大激戦の末、アテネオ・デ・マニラ大が幸先良く白星を手にした。


☆WUBS Day 0Opening Night)試合結果
WUBS学生選抜69(14 17 20 18)
アテネオ・デ・マニラ大 70(15 23 12 20)

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WUBS学生選抜を1点差で下したアテネオ・デ・マニラ大。#25ジョー・オバサはいずれもゲームハイの17得点、15リバウンドというモンスターゲームを披露した(©WUBS)

試合前、コートに姿を見せたアテネオ・デ・マニラ大のタブ・ボールドウィンHCに歓迎の言葉をかけると、力強く握手を返し、しばらく会話に応じてもらうことができた。「この日のエキシビジョンには若手中心の起用で臨みます。経験を積んでもらえるようにね」というのがこのとき聞けたこと。豪快なダンクが次々飛び出したウォームアップの様子からも、この日の一戦に向けたプレーヤーたちの意欲の高さが伝わる。

前日WUBS学生選抜の公開練習では、松藤貴秋HCが準備不足の懸念を言葉にしていたが、全員そろっての練習が初めてだったにしては良い感触を得ていたことも明かしていた。WUBS学生選抜は12日(日)からのウイリアム・ジョーンズカップを控えていることもあり、やはり高いモティベーションで臨んでいる。どちらのチームにとってもギアを上げていくための重要なステップ。良いマッチアップになりそうな雰囲気がコート上に満ちていた。

試合の流れとしては、高さに勝るアテネオ・デ・マニラ大がまずは身長206cmのセンター、ジョー・オバサのダンクで先制し、その後もリバウンドで優位を奪う展開となった。31-38のWUBS学生選抜劣勢で始まった第3Q開始早々の流れはその象徴的な場面だ。ここでもオバサがゴール下のフィニッシュを狙い、WUBS学生選抜がファウルで止めたものの1本目のフリースローを決められ31-39。2本目はミスとなったが、WUBS学生選抜はアテネオ・デ・マニラ大に4本連続でオフェンス・リバウンドを奪われた。

しかしこの一連の流れは、同時にWUBS学生選抜側の粘り強い奮闘をクローズアップするものでもあった。というのも、4本連続オフェンス・リバウンドを獲られた厳しい局面を結局無得点でしのぎ、5度目のフィフティ・フィフティ・ボールを自チームのボールにした後、伊藤治輝(明治大3年)と根本 大(白鷗大3年)の連続3Pショットが炸裂して流れを引き寄せたからだ。WUBS学生選抜はさらに、伊藤のミドルジャンパーと小澤飛悠(日体大1年)のドライビング・レイアップが続き、10-2のランで一気に41-41の同点に追いつく。

混成チームで臨む初めての実戦であったことから、序盤は緊張もあったのだろう。試合が進むとともにディフェンスの強度も上がったWUBS学生選抜は、最終的にリバウンドで35-51と圧倒される中でも、アテネオ・デ・マニラ大に16本のターンオーバーを誘発させ食らいついた。ターンオーバーについては、自チームの数を9本に抑えられたことも大きな収穫。このメンバーでの初の実戦ということを忘れさせるほどの連係と思い切りの良さを、攻守両面で感じさせた。

終盤、フィジカリティーの高いプレーの連続の中でアテネオ・デ・マニラ大にここぞのオフェンス・リバウンドを奪われ、体力を削られた中で身長193cmのパワーフォワード、ジョシュ・ラザーロに右ベースラインからのバックカットで決定的なボースハンド・ダンクを決められ、64-70と突き放されたのは非常に悔しい流れだった。それでも残り45秒に、この試合でWUBS学生選抜のチームハイとなる13得点を稼いだ根本が相手の厳しいクローズアウトをかわして3Pショットを沈め67-70。さらに残り17秒にもボールを運ぶ根本が激しく当たってくる相手ディフェンスから第4Q5つ目のファウルを誘い、フリースローをしっかり2本決めて69-70と追い上げた。

国立競技場代々木第二体育館に両チームへの大声援がこだまする中、次のアテネオ・デ・マニラ大のポゼッションではWUBS学生選抜がファウルゲームをしかける。まだ18歳の1年生でフィリピン代表歴もあるメイソン・アモスがフリースローに臨んだが、これが2本ともミス。12.9秒を残して、気がつけばWUBS学生選抜は絶好の逆転機を迎えていた。WUBS学生選抜の最後のオフェンスは実を結ばなかったが、どちらが勝ってもおかしくない好ゲームを展開した両チームには、試合終了とともに場内から大きな拍手が贈られた。

WUBS学生選抜はこの後、11日(金)にはチャイニーズ・タイペイに飛び、翌12日(土)からウイリアム・ジョーンズカップに突入する。一方のアテネオ・デ・マニラ大は、11日のGAME4でシドニー大(オーストラリア)と今大会の正式フォーマットにおける初戦を戦う予定だ。両チームの健闘に引き続き注目しよう。

☆WUBS Day 1試合予定(811日[金・祝] 会場: 国立競技場代々木第二体育館)
GAME111:00~) 国立政治大 vs. 東海大
GAME213:30~) ラドフォード大 vs. 高麗大
GAME316:00~) 白鷗大 vs. ペルバナス・インスティテュート
GAME418:30~) アテネオ・デ・マニラ大 vs. シドニー大

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取材・文=柴田 健/月刊バスケットボールWEB

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