月刊バスケットボール6月号

渡邊雄太がジョーダンブランドのイベントに登場。高校生たちに語り掛けた“自分を信じること“の大切さ

自身の経験を踏まえて高校生たちに語り掛けた渡邊


8月9日、ジョーダンブランド主催による、日本代表候補の渡邊雄太をゲストに迎えての高校生を対象としたバスケットボールクリニックが渋谷ストリーム ホール(東京都渋谷区)で行われた。

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佐々木クリス氏がMCを務めたイベントではまず、『AIR JORDAN XXXVIII』や『JORDAN Luka 2』といった最新のジョーダンブランドのプロダクツについて、熱心に部活に励み、シューズにも深い関心を持つ高校生たちに詳しく紹介が行われた。





続いて行われた、トヨタ自動車 アンテロープスHCの大神雄子氏によるクリニックでは、大神氏ならではの、基本を踏まえながら楽しさあふれる数々のドリルを実施。「大切なのはしっかり声を出してしゃべる(コミュニケーションをとる)こと」「バスケットボールはスピードじゃなくて、しっかり“間”をとることが大事」など、高校生たちは体を動かし、ボールに触れながら、大神氏が折々に放つアドバイスの一つ一つにうなづいていた。








そして、クリニック後の息を整えた高校生、約30名が待つトークショーの舞台に渡邊が登場。 “自分を信じる”ことをスローガンとして掲げるジョーダンブランドだが、渡邊はその体現者とも言える存在。強い信頼関係を持つ佐々木氏の“自分を信じること”に関する質問に対し、渡邊はありのままの思いを言葉にした。ここでは、その中から抜粋して、渡邊が高校生たちに語り掛けた言葉の幾つかをお届けする。





「アメリカに行ったら、とにかく“自分を出す”ということが大事だなと思いました。日本では、僕もそういう性格だったんですけど、消極的になって自分のプレーを出し切れない。実力はあるはずなのに、それをコート上で表現できないことが何度もありました。でも、アメリカではそれではチームメートからリスペクトを受けることができない。いかに自分を出し、自分の強味をみんなに分かってもらえるか。チームの一員として自分が何をしなきゃいけないのかっていうのを、いろいろ考えながらプレーしていたら、いつの間にかリスペクトされるようになっていきました」





「不安になることも当然あります。そういう時は、自分はあれだけ練習したんだから、これだけ今までやってきたんだから、絶対活躍できると、そういうふうに(不安な気持ちから)切り替えるようにしています。今までの本当に小さな努力の積み重ねが、ちょっとずつ自分を助けてくれるのかなって」






「僕だって、今日は練習に行きたくないなっていう時はあります。多分、毎日100%のモチベーションを持ちながら練習できる選手って、おそらくいないと思います。体が疲れて、今日はしんどいなって思う日もあるでしょうし、同じ練習の繰り返しで精神的に疲れることもある。そういう時に思っていたのは、“昨日頑張れたんだから、今日も頑張れるだろう。今日頑張れない理由がない”っていうこと。もし今日頑張れないんだったら、今までやってきたことが全部無駄になっちゃうし、過去の自分に対しての侮辱だって思うようにして、“今日も頑張ろう”と思いながらやっています」





「もし、今日はさぼりたいって思ったら、“さぼるのは明日にしよう”と思います。その繰り返し。さぼりたいと思ったときには、今日頑張ってみて、無理だったらさぼろうと。(実際にさぼった)覚えはないんですけど。弱い自分を認める、練習しんどいな…と思う自分自身に嘘をつく必要はないと僕は思っていて、それは認めつつ、でも頑張ってみようって。そこから、あと一歩踏み出せるかどうかだと思います」



間もなく8月25日(金)に開幕を迎えるFIBAワールドカップ。その舞台に立った時、渡邊は自身の経験を踏まえて高校生たちに語り掛けた言葉の意味を、そのプレーで証明してくれることだろう。





取材・撮影/村山純一(月刊バスケットボール)

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