月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2023.08.07

BリーグがNBAと連携した選手研修を実施「所属するクラブのセールスパーソンとなってほしい」

NBAバロカ氏がBリーガーに説く


2026年に装い新たにスタートするBリーグ。「B.革新」と銘打った新リーグ構想では、世界と伍するリーグを目指しており、中でも最上位のリーグとなるBリーグプレミアでは競技力、アリーナ、エンターテインメントと世界水準を求めていく。

【動画】Bリーグの研修報告ツイートをチェック

そうした「B.革新」の一環として、世界No.1のリーグであるNBAから学ぶことを目的とし、連携した取り組みを行っている。先月開催された「Jr.NBA Powered by B.LEAGUE Basketball clinic in JAPAN」もその一つだが、今回はBリーグの選手研修にNBAアジアのバイスプレジデント、カルロス・バロカ氏が登壇した。
Bリーグの選手研修は主として新人選手を対象とし、一週間にわたって、選手契約、コンプライアンス、メディアトレーニング、SNSなどさまざまな観点からのレクチャーを行い、プロアスリートとして自身を取り巻く環境に対する理解促進と、自覚の醸成を促すプログラム。

その最終日となる8月4日に、新人および プロ2、3年目の選手、希望する選手を対象にバロカ氏がレクチャーを行った。テーマは「プロフェッショナルマインド~More than just a game~(単なる試合にとどまらないバスケットボールとは)」。ポルトガル出身で、母国代表プレーヤーの経験もあり、米大学、ポルトガルのアンダーカテゴリー代表など、コーチ歴30年以上のコート上での豊富な経験を持つバロカ氏は、「バスケットボールは私のビジネス。私のビジネスはバスケットボール」と考え、自らをバスケットボールの「セールスパーソン」と例えた。そのうえで選手それぞれが、地域やコミュニティーにおいて、Bリーグ、所属するクラブのセールスパーソンとなってほしいと語った。「コートの上でシュートを決めるだけでなく、地域やファンやスポンサーに対して、いかに貢献し、つながりを持っていけるかどうかが大切」だとし、NBAでの事例を紹介しながら「自らクラブの、Bリーグの一員として、クリニックやコミュニティー活動、ファンサービスに関わっていくことで、それぞれが成長し、クラブ、リーグも成長していきます。結果、自らの価値も高まり、得るものも大きくなるのです」と話した。





今回の研修に参加したキング開(横浜ビー・コルセアーズ/プロ2年目)は「この7日間研修を受けて、社会人として選手として当たり前のこともたくさん学んだのですが、税金のことや、Bリーグのビジネスのことなど、普通にバスケをプレーしているだけなら触れないことを教えてもらい、自分はただバスケをしているだけではないんだと再確認できました。本当にいろいろな方々のサポート、ファンの方々の支援があって、それが一つになってバスケができているということを改めて実感できたので、そうした部分を常に忘れずに、選手としてコートの上でしっかりといいプレーをすることで恩返しをしていけたらと感じました。また、今後はもっとSNSを活用していきたいと思いました。バスケのことだけでなく、地域の問題などについても、自分が声をあげていくことで、少しでも目にしてもらえれば、賛成、反対も含めて問題提起になるのでは」とコメント。

また、プロ1年目を迎える千葉ジェッツの小川麻斗は「学生からプロとなり、これまでとは違い、常に見られているということを忘れずに行動しなければと思いました。また、バスケができているのは当たり前ではないということを、今回の7日間の研修を受けて感じました。2026年にBリーグも革新し、NBAに次ぐリーグを目指すということですから、選手としても日本中の方々にバスケットボールの魅力を伝えていきたいですし、まずは千葉から、クリニックなどの活動を通して広めていきたいと思いますし、応援されるチーム、選手になっていきたいですね」と感想を話した。参加した選手たちは、それぞれこれからプロフェッショナルキャリアを進んでいくうえで、ためになる知見を得た研修となったようだ。





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文・写真/飯田康二(月刊バスケットボール)

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