月刊バスケットボール6月号

女子U16日本代表が準優勝、来年U17W杯での飛躍に期待[U16女子アジア選手権]

4Q後半に逆転を許して準優勝に


現地7月16日、「FIBA U16女子アジア選手権2023」(7月10日〜16日/ヨルダン)、AKATSUKI JAPAN女子U16日本代表は決勝でオーストラリアと対戦。4Qリードを握る場面もあったが、74-80で敗れて4大会連続で準優勝(2大会ぶり5度目)となった。今大会4強入りを果たして「FIBA U17女子ワールドカップ2024」(来年メキシコで開催予定)の出場権を獲得しているだけにチームとして、さらなる飛躍に期待したい。

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チャイニーズ・タイペイとの準決勝を93-46で快勝した日本。決勝では、前回大会同様にオーストラリアと対戦することになった。試合は終始競り合う展開に。2点差を追いかける中で迎えた4Q開始直後、#57阿部心愛のスティールから#7後藤音羽のレイアップで54-54と追いつくと、#51山田桜来の3Pシュート、#12濱田ななののレイアップ、#57阿部心のジャンパーなどでわずかにリードをキープしていく。しかし、残り5分を切ってからオーストラリアの集中力がアップ。リバウンド争いで苦しくなって逆転を許すと、最後まで攻める姿勢を貫いたものの、74-80での惜敗。準優勝となった。

試合後に発表されたオールスター・ファイブには、日本のキャプテンでチームNo.1のリバウンド(6.6)をマークした#57阿部心、チーム得点王(15.8)の#11金澤杏が選ばれている。

以下は大会を終えての選手たちのコメント。

■#57阿部心愛キャプテン:
「初戦から決勝にかけて、チームとしては動きがどんどん良くなっていました。日本はディフェンスから流れを作るチームだと思うのでディフェンスの部分を特に意識して試合をしていました。チームとしては、ディフェンスはプレッシャーをかけられたし、ミスを誘えたのがよかったです。改善点としては、ボールを取ったあとのターンオーバー(TO)を減らすのと、疲れてきた時に動きが止まってしまうからずっと動き回れるようにしたいです。個人の良かったところは、積極的に攻めを狙えたことや、リバウンドを飛び込みに行けたこと。改善点は、ジャンプシュート、スリーポイントの確率を上げること、ディフェンスでもっと相手にプレッシャーをかけられるようにすることです)

■#11金澤杏
「練習期間も少なかったのに試合ごとにチームの一体感が出てきて、1 試合 1 試合とても楽しかったです。チームとして、まずこの 12 人で戦えたのが 1 番良かったです。
今年は身長が例年と比べると小さいけど強みである『ディフェンスから』を意識していました。明るくて元気が良い今年の女子 U16 日本代表チームで 5 試合すべてとても楽しくできました。個人として、空いていたらシュートを打てと言われてきて、決勝まで結構良かったですが、大事な場面で決めきれなかったことが 1 番の反省です。あそこで自分が決めていたらもっとチームが波にのっていたのにとずっと考えてしまいます。 もっともっと『ここ!』って時に勝負強い選手に必ずなります。初の国際大会を通して、自分の通用する部分としなかった部分がたくさん見つかったのでこれからに活かしていきます。ほんまに楽しかったです!!!」

■#7後藤音羽
「初戦のサモア戦から決勝のオーストラリア戦まで、試合を重ねるごとにどんどんチームが良くなっていくのがわかりました。プレーの面はもちろん、プレー以外の面でも良くなっていきました。チームにまとまりが出て、最終的にはどこのチームよりもいいチームになれたと思います。このチームの持ち味は、前から当たる粘り強いディフェンスです。アジア選手権が始まるまでの合宿で、ものすごくディフェンスを強化してきました。大会中も、試合が終わるごとに反省点を出し、次の試合ではその部分を修正できるようにしていました。その強化してきたディフェンスをこの大会でしっかりと発揮することができて良かったです。ですが、この大会を終えて、ボックスアウトを徹底してやることができていなかったなと思います。決勝のオーストラリア戦では、ボックスアウトを徹底してやることができず、セカンドチャンスでやられてしまうことが多くありました。セカンドチャンスでやられていなければ勝てていたかもしれません。なので、チームとしてはボックスアウトの部分が課題だと思います。個人として、自分のドライブは世界にも通用すると言うことがわかりました。あとはフィニッシュの部分が課題だと感じました。自分よりサイズのある選手に対してどうシュートを決めるか、それが課題だと思います。決勝戦では、ドライブに行ったあと、オーストラリアの大きい選手にブロックをされてしまいました。なので、自分よりサイズのある選手に対してどうシュートを決めるのか、練習していきたいと思います」


FIBA U16女子アジア選手権2023

開催期間:2023年7月10日〜16日
開催地: ヨルダン
大会公式サイト:https://www.fiba.basketball/asia/u16women/2023
組み合わせ:
【グループA】オーストラリア、韓国、チャイニーズ・タイペイ、タイ、シリア
【グループB】中国、日本、ニュージーランド、サモア
スケジュール(予定):
7月10日(月)日本◯106-28サモア
7月11日(火)ニュージーランド44-75◯日本
7月12日(水)日本◯70-44中国
7月15日(土)準決勝:日本◯93-46チャイニーズ・タイペイ
7月16日(日)決勝:日本☓74-80オーストラリア



文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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