月刊バスケットボール1月号

Wリーグ

2023.07.16

元スペイン代表コーチのモンデーロ氏が再び日本で指揮「チームを作るのは料理を作るようなもの」[Wリーグサマーキャンプ]

3ヵ年計画でチームを強化すると語った名伯楽

ルーカス・モンデーロ氏はスペイン女子代表ヘッドコーチとして2014年世界選手権で銀メダル、2016年のリオオリンピックで銀メダル、2018年ワールドカップで銅メダルに導いたほか、スペイン、中国、ロシアのリーグでも数々のタイトルを獲得してきた名将。

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日本のWリーグでは、2019年よりトヨタ自動車アンテロープスのヘッドコーチに就任し、2020-21シーズン、2021-22シーズンとリーグ連覇を達成し、勇退した。そんな名将が今シーズン、2シーズンぶりにWリーグに戻ってきた。今シーズンより指揮を執るのはトヨタ紡織サンシャインラビッツ。2019-20シーズンにリーグ4位(コロナ禍によりプレーオフは中止となった)になって以降、ベスト4には食い込めずにいた。

7月15日に開幕したWリーグサマーキャンプ(7月15~17日、@高崎アリーナ/群馬県)にトヨタ紡織の指揮官として参加したモンデーロHCは「Wリーグはより大きなリーグになろうとしているようですね」と話す。というのも、Wリーグは第26回大会(2024-25シーズン)より2部制を敷くことが決定しており、そのため、来る2023-24シーズンは降格の懸かるシーズンとなるからだ。上位リーグに残るのは8チーム。昨シーズン7位のトヨタ紡織にとってはまずは降格しないことが大前提となるが、もちろん、モンデーロHCはそのためにチームに加わったわけではない。

「我々は3年計画で考えています。1年目は私のメソッドや、アイディアを浸透させ、2年目にはベスト4、そして3年目にはチャンピオンシップを戦えるチームなっていたいと考えています。このリーグにはENEOSやトヨタ自動車、デンソーやシャンソン化粧品、富士通といった強豪チームがあります。母体企業の規模も大きなチームが多いですし、選手のサイズも大きいチームもあります。我々は小柄なチームですから簡単ではありません」

トヨタ自動車時代に対戦していたトヨタ紡織について「とてもディフェンスのプレッシャーが強く、諦めない選手が多かったです。いつも難しい戦いを強いられる相手でした」と語り、自分が指揮することで、「もう少しオフェンスの部分で強化していきたいですね」と話した。
「自分のバスケットボールのメソッドは変わりません。それはこれまでどこのチームでも結果を出してきたものです。ですが、そこにいる選手たちはそれぞれ違いますから、それに合わせて、いろいろなアイディアを加えていきます。日本の選手たちは小柄ですが、素早く、4番の選手も速く動き回れます。また、シュートのうまい選手が多いですね。そういうチームは一人大きな選手がいると、チームを作りやすいのですが…。チームを作るのは料理を作るようなものです。素材の違いがあって、それが美味しくなるように調味料を加えていくんですね」と自らのチーム作りを料理に例えたモンデーロHC。
 トヨタ紡織をWリーグの頂点に導くために、どんな調味料を加えていくのか。その手腕に注目していきたい。






文/飯田康二(月刊バスケットボール)、写真/石塚康隆

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