月刊バスケットボール6月号

Wリーグ

2023.07.16

現役復帰の馬瓜エブリン、優勝請負人になれるか「髙田さんと共に優勝し、新しい歴史を作りたい」[Wリーグサマーキャンプ]

Wリーグサマーキャンプで久しぶりのプレー姿


 2020-21、2021-22シーズンにトヨタ自動車アンテロープスで連覇を果たし、東京2020で銀メダルを獲得した後、一年間の休養宣言とともに、チームを離れた馬瓜エブリンが、今シーズンよりデンソー アイリスで復帰した。

【画像】Wリーグサマーキャンプ2023 in 高崎大会1日目の試合結果

7月15日より開催されているWリーグサマーキャンプ(7月15~17日、@高崎アリーナ/群馬県)において、富士通レッドウェーブとの初戦から早速コートに立った馬瓜は大きな声を出し、チームに活気をもたらしていた。

「コートの上でも、ベンチでも、チームを元気づけることは意識していますし、私の仕事だと思っています」と試合後に話してくれた馬瓜。デンソーについての印象を聞くと「力のあるベテラン選手もいますが、若い選手たちも多く、いい意味で発展途上のチームだと思います。それがどんどん改善して良くなっていくのが楽しいですね」と語る。一年のブランクを経て「以前は、もう頭の中はバスケットボールだけ、コートでは自分が点を取らなければ…といったマインドだったのですが、今はチーム全体を見られていますし、どんな声かけをしようかとか、どんなコミュニケーションがいいかなといったことを考えられたりしています」と何がチームのためになるかと、気持ちに余裕を持って臨めているようだ。


写真/石塚康隆(月刊バスケットボール)


 デンソーは日本代表センターの高田真希を筆頭に、赤穂さくら、バイ クンバ ディヤサンとインサイドの層は厚い。そんな中で馬瓜は「ドライブやゴールにアタックしていくことを求められています」と新天地での役割を語る。
 一方で馬瓜には優勝請負人としての期待もかかる。デンソーは強力なインサイドだけでなく、やはり日本代表の髙田真希、赤穂ひまわり、元代表の本川紗奈生ら実力のある選手を擁し、近年リーグの強豪チームとしての地位を確固たるものにしているが、優勝にはたどり着けていない。昨シーズンも皇后杯では準優勝、Wリーグではレギュラーシーズン1位となりながらも、プレーオフでは準決勝敗退となった。

「そうした部分で期待されているのも分かっていますし、2回優勝してきている自分の知見を生かしていければと思っています。プレーというより、こうした流れのときにはこうした雰囲気にしていかなければならないといったものをもたらせればと思っています。自分が加わることで化学反応を起こすことができればと思っています。まぁ、よく出ればいいですが、悪く出たらすみません(笑)。でも髙田さんと共に優勝し、新しい歴史を作りたいですね」
 デンソーは悲願達成に向け、最後のピースを手に入れたのか。リフレッシュした馬瓜がもたらすものがカギとなりそうだ。


写真/石塚康隆(月刊バスケットボール)


文/飯田康二(月刊バスケットボール)、写真/石塚康隆

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