月刊バスケットボール5月号

男子日本代表第14次合宿、“がけっぷち”の戦いが刻一刻と近付く

昨日、2月5日から味の素ナショナルトレーニングセンターにて、男子日本代表の第14次合宿が行われている。 この合宿には18名の選手が選出されたが、辻直人(川崎)、永吉佑也(京都)、富樫勇樹(千葉)、馬場雄大(A東京)、平岩玄(東海大2年)がケガのため、渡辺飛勇(ポートランド大1年)が学業のため不在。ケガ人が多いのは気がかりで、特に主力として予想される富樫と馬場の戦線離脱は痛い。  

ただその中でも、「相手に体をぶつけてリバウンドを取らせないというフィジカルコンタクトを言われてきて、それができています」と比江島慎(三河)は話し、ラマスヘッドコーチもチャイニーズ・タイペイ戦に向けディフェンスに対しての余念がない。 チャイニーズ・タイペイは内外角に得点源を擁し、この2人を止めることが勝利の絶対条件。さらに比江島が何度も「がけっぷち」と口にしたように、この試合に敗れれば、グループ3位までに与えられる2次予選進出が厳しくなり、そうなるとワールドカップの扉は閉ざされてしまう。と同時に、自国開催枠を保証されていない2020年の東京オリンピックの出場も絶望的だ。 これまで何度も対戦しているチームだが、星を分け合う試合が続いており、実力は互角。そのため当日は、これまで積み上げてきたディフェンスとリバウンドの差が勝敗を分けることになるだろう。   その上で一つ光明なのが、チャイニーズ・タイペイ、フィリピンと対戦するWindow2の登録メンバーに田臥勇太(栃木)が選ばれたこと。2016年のオリンピック世界最終予選を最後に代表から退いているが、田臥の経験は大きなプラスだ。富樫の復帰の見通しが立っていないこともあり、「ガードのケガなど、最悪の状況を考えたときに彼を呼ぶ可能性はあります」(ラマスヘッドコーチ)と、あくまで非常時の“保険”との見方だが、田臥が“がけっぷち”の日本代表の救世主になる可能性は大いに有り得る。 次週以降も合宿が行われるが、その場に田臥の姿はあるのか――? (月刊バスケットボール)



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