月刊バスケットボール12月号

八村塁W杯欠場決定「NBA キャリアを優先し考慮させていただき、このように判断いたしました」

今オフ制限付きFAとなっている八村がW杯欠場を決断


6月27日、公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)は、 FIBAワールドカップ2023日本代表候補に入っていた八村塁(レイカーズFA)が大会を欠場すると発表した。八村は「今後の自分の NBA キャリアを優先し考慮させていただき、このように判断いたしました」とメッセージを綴っている。

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JBAはリリースの中で「八村選手本人、および八村選手が所属している代理人事務所のワッサーマンのエージェントの方々と鋭意協議を続けてまいりましたが、NBAにおける来季の契約、またコンディショニング等の課題を総合的に勘案したうえで本人の意向を受入れ、今夏の日本代表活動への招集を見送ることといたしました」と敬意を発表している。

協会を通じて八村は「このたびは今年の FIBA ワールドカップを欠場する決断をさせていただきました。ワールドカップを楽しみにしていてくれていたファンの皆様にはこのようなご報告になってしまい申し訳ありません。 とても難しい判断でしたが、昨シーズンと長いプレーオフ戦を終え、これから初めてのフリーエージェンシーに備えて今後の自分の NBA キャリアを優先し考慮させていただき、このように判断いたしました。また、来シーズンに向けてこの夏はトレーニングに集中し、体のコンディションを整えさせていただきます。 関係各所の皆様、JBAの皆様、トム・ホーバス HCには今回僕の決断を理解していただき大変感謝しています。バスケ日本代表チームメートの活躍を祈るとともに、一番のサポーターとして応援させていただきます」とメッセージを出している。

4年目のNBAとなった2022-23シーズン、ウィザーズでスタートした八村は1月23日にレイカーズへトレードに。以来、スターターとしても活躍し、レイカーズのプレイオフ進出に貢献。今季は63試合に出場して、11.2得点、4.5リバウンド、0.9アシストというアベレージを記録している(ウィザーズ時代の成績含む)。現地報道によるとレイカーズから850万ドル(約12.2億円)のクオリファイング・オファーを受けていると伝えられている。今オフは制限付きFAとして交渉先を探すことになり、契約に合意した場合、そのチームのオファーシートにレイカーズがマッチするか否かで所属先が決まる。NBAのFA交渉は現地6月30日東部時間18時(日本時間7月1日7時)に解禁になる。

八村欠場を受けて男子日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチからは「沖縄で開催されるワールドカップを、能力や存在感のある八村選手と一緒に戦えないことは非常に残念です。しかしながら、私たちは現在の代表候補選手に大きな期待を抱いており、ワールドカップにおいてアジアNo.1のチームとなってパリオリンピックの出場権を獲得するという目的を達成するために努力を続けていきます」とW杯に向けて努力を続けると発表。「八村選手がNBAで活躍し続け、そして来年のパリオリンピックでは一緒に戦えることを心より願っています」と八村にエールを送る言葉を発信している。

また、JBA東野智弥 技術委員長からも下記コメントが発表となっている。
「このたびの八村選手の招集見送りの決断については、自国開催のワールドカップで同世代の最高のプレーヤーたちとの競演が見られないのは残念ですが、この決断により今後八村選手個人のさらなる成長が見込めること、また、日本チームが“チーム一丸” となり、ハングリーさを前面に押し出せるチームで闘うことにつながることを信じ、その楽しみは次のステージであるパリオリンピックまで先送りします。
今回は八村選手不在となりますが、我々は戦い抜きます。ホーバスHCは、いつも逆境を退ける力を見せてくれます。私個人としても、またJBAとしても不退転の覚悟持ってホーバスHCを全力でサポートし、世界に立ち向かっていきますので、引き続き、ご声援をよろしくお願いいたします」



文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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