月刊バスケットボール1月号

【東北ブロック大会2023展望】男子は福島勢や仙台大明成、女子は聖和学園などに注目!

昨年大会の決勝戦(仙台大明成vs.羽黒)より

  • 関東ブロック大会バスケットライブ

6月24日(土)、25日(日)の2日間にわたり、青森県の新総合運動公園マエダアリーナにて第78回東北高等学校男女バスケットボール選手権大会兼 第59回NHK杯大会が行われる。前年度の東北大会の結果などから、男子は開催地の青森から4チーム、宮城、山形から3チーム、岩手、秋田、福島から2チームの計16チーム、女子は青森から5チーム、秋田から3チーム、岩手、宮城、山形、福島から2チームの計16チームが出場。7月末に北海道で行われる「令和5年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)」に勢いを付けるためにも、そしてウインターカップの出場枠を1つ増やすためにも、どのチームも虎視眈々と東北王座を狙っている。前年度は男子・仙台大明成、女子・柴田学園大附柴田学園が優勝したが、今年はどうなるか。

【男子】新人戦で結果を出した福島県勢や仙台大明成が中心となるか

男子の各県インターハイ予選を1位で通過したのは、八戸学院光星(青森①)一関工(岩手①)仙台大明成(宮城①)能代科学技術(秋田①)羽黒(山形①)福島東稜(福島①)の6チーム。
 
まず注目したいのが、福島県代表の福島東稜と帝京安積(福島②)だ。これまで東北といえば仙台大明成や能代科学技術、羽黒などが長年強さを振るってきたが、2月の東北新人大会では決勝で福島県対決が実現。能代科学技術や羽黒などを破った福島東稜と、仙台大明成を破った帝京安積による頂上決戦となったのだ。結果は帝京安積が、東北新人初出場にして初優勝の偉業を成し遂げた。指揮を執る水野優斗コーチは、かつて福島南高を全国3位に導いた水野慎也コーチ(現福島商)の長男。大量得点も可能なスコアラー・菅野陸を中心に、今大会も注目校の一つだろう。そんな帝京安積に、福島県予選で89-62と快勝し、2年ぶりにアベック優勝でインターハイ出場権をつかんだのが福島東稜。機動力のある外回りのメンバーと、203cmの留学生アデバヨ・オニロルワ・ジョセフを擁し、高さと速さを兼ね備えたチーム。こちらも優勝候補の一角となる。

また、見逃せない注目校が仙台大明成だ。創部からチームを率いてきた名将・佐藤久夫コーチが6月8日に急逝。これまでアシスタントだった髙橋陽介コーチがこの東北大会は指揮を執り、5月に現役を引退したOBの畠山俊樹コーチ(元越谷ほか)もそれをサポートする。悲しみは計り知れないほど大きいが、キャプテンのウィリアムス ショーン莉音を中心に並々ならぬ思いで戦いに挑むだろう。東北新人ではベスト4に終わったが、その後、チームに勢いをもたらす即戦力の1年生たちも加入しており、チーム力はかなりアップしているはず。互いに順当に勝ち上がれば準決勝で福島東稜との対戦になる可能性が高く、必見の1戦となりそうだ。

そのほか、5月の能代カップで洛南市船橋前橋育英から勝利を挙げた能代科学技術も、機動力や思い切りの良いシュートが魅力の実力校。また、東北新人ベスト4の羽黒は、6月24日〜7月2日に男子の「FIBA U19バスケットボールワールドカップ2023」が開催されるため、U19日本代表の小川瑛次郎が欠場となる。エース抜きの難しい大会となるが、周りの選手たちが貴重な経験を積む絶好の機会にもなるだろう。

【女子】名門・聖和学園や連覇を狙う柴田学園大附柴田学園に注目


昨年は柴田学園大附柴田学園が湯沢翔北を破り大会を制した


東北女子で各県の予選を1位通過したのは、柴田学園大附柴田学園(青森①)盛岡白百合学園(青森①)聖和学園(宮城①)秋田中央(秋田①)山形中央(山形①)福島東稜(福島①)の6チーム。

優勝候補の筆頭は、宮城県予選で仙台大明成を77-57で下した聖和学園だ。2月の東北新人大会でも圧倒的な強さを見せ、危なげない勝ち上がりで5年ぶりの優勝を飾った。昨年の絶対的エース、上野心音(筑波大)は卒業したものの、キャプテン高瀬ゆのかを中心に経験豊富なメンバーで織りなすコンビネーションは完成度が高く、平均的な高さもある。今大会でも華麗なチームプレーを披露するだろう。

また、東北新人大会で準優勝だった柴田学園大附柴田学園も見逃せないチーム。佐々木杏花(拓殖大)ら昨年の主力はごっそり抜けたものの、青森県予選では62-60と2点差で八戸学院光星を下し、8大会連続の優勝で意地を見せた。前年大会では悲願の初優勝を成し遂げたが、今年は開催地代表として、地の利を生かして連覇を目指したいところだ。

そのほか、秋田県予選で湯沢翔北(秋田②)を8点差(75-67)で下し、東北新人でもベスト4に入ったのが秋田中央や、昨年から主力は入れ替わったものの岩手県予選で4連覇を果たした盛岡白百合学園なども、大会を面白くしそうだ。

高校ブロック大会2023ライブ配信バスケットLIVE
https://onl.sc/VYJQhaR



文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

タグ: 高校バスケ バスケットLIVEブロック大会

PICK UP

RELATED