月刊バスケットボール24年3月号

【中国大会】男子・豊浦、女子・広島皆実が頂点に立つ

広島皆実・松前結奈が決勝で最多26得点をマーク(写真はウインターカップのもの)

  • 関東ブロック大会バスケットライブ

中国大会を制したのは男子・豊浦、女子・広島皆実


6月16〜18日の3日間、岡山県・ジップアリーナ岡山を舞台に開催された「第67回 中国高等学校バスケットボール選手権大会」。男子は豊浦(山口)、女子は広島皆実が優勝を飾った。

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【男子】豊浦(山口)が鉄壁のディフェンスで頂点に

中国ブロック男子の上位争いは、広島県勢と山口県勢が4強を固め、広島皆実(広島1位)と広島瀬戸内(同2位)、豊浦(山口1位)、そして宇部工業(同2位)という顔ぶれとなった。

開催地岡山で1位だった岡山商科大付は準々決勝で広島瀬戸内と大激戦を演じたが、71-72で敗退。島根1位の松江東も宇部工業との準々決勝で68-69と1点差の勝負を落とした。鳥取1位の鳥取城北は初戦で松江西(島根3位)を123-56という大差で破ったが、準々決勝で広島皆実(広島)の前に96-66で敗退。8強はすべて各県でのインターハイ予選優勝・準優勝チームであり、その中で広島と山口の上位が特に持ち味を発揮したという流れだ。

[準決勝]広島瀬戸内75-57宇部工業

広島瀬戸内と宇部工業は、どちらも初日に苦しい思いをしながら勝ち上がってきたチームだ。広島瀬戸内は、米子松陰(鳥取3位)との初戦では第2Q序盤に4-20の劣勢に立たされていた。相手の身長198cmのセンター、クレタス ピーター ジョンには31得点を奪われる厳しい戦いだったが、23得点を稼いだキャプテン濱田典也を筆頭に5人が2桁得点を記録するバランスの取れたオフェンスで74-71の逆転勝利を収めると、その良い流れを次の岡山商業大付戦にも継続して勝利した。

宇部工業も、鳥取東(鳥取2位)との初戦は前半劣勢を背負う展開から64-61と逆転勝ち。次の松江東戦でも前述のとおり1点差の勝利だったが、どちらもキャプテンの吉田 心が18得点ずつを記録してチームを鼓舞し、粘り強く勝ち進んできた。

両チームによる準決勝は序盤こそ点の取り合いとなったが、第1Q半ば以降は広島瀬戸内のオフェンスが波に乗る。第2Q残り4分1秒に#13池田 翔がフリースロー2本を沈めたところで40-19。宇部工業も第3Qに反撃を見せたが、もう1本か2本決まれば点差を1桁に詰められそうな場面で悪くないショットが決まらないという歯がゆい展開に。その流れは最後まで変わらず、広島瀬戸内が75-57でこの試合をモノにした。

[準決勝]豊浦66-57広島皆実

広島皆実は初日の2試合で平均103.0得点という今大会随一の爆発的なオフェンス力を持つチーム。対する豊浦は平均失点が対戦前時点で今大会最少の55.0。両チームによる準決勝は好対照な個性の激突だった。

広島皆実では、初日の2試合でそろって29.5得点のアベレージを残したキャプテン小田悠人と中村英司の得点力が際立つ。対して豊浦は、得点を記録したプレーヤーが初戦で10人、準々決勝で11人。キャプテンの坪井遥生(2試合平均11.0得点)と梅田晄希(平均12.5得点)という核はいるものの、こんな特徴でも両チームは対照的だった。

最終的な結果は66-57で豊浦勝利。豊浦のディフェンスはローテーションが的確で、広島皆実に簡単なフィニッシュを許さなかった。オフェンスでは坪井と梅田の巧みな1対1からのミドルジャンパーを軸に、彼らのドライブ&キックからシューター陣が放つ3Pショット、相手の裏を突くバックドアカットからの得点などオフェンスも多彩。広島皆実も第1・第2・第3Qの終了間際に得点をもぎ取るなど粘り強く戦ったが、勝負がかかった第4Qの我慢比べでは豊浦に軍配が上がった。

[決勝]豊浦81-68広島瀬戸内

決勝戦は第3Q半ばまでどちらも譲らぬ接戦が展開された。ロースコアな進行は豊浦ペースだが、広島瀬戸内はキャプテン濱田の驚異的なディープスリーや、その濱田との連係からのゴール近辺のフィニッシュを中心にチームハイの22得点を稼いだビッグマンの末永渚冴らの活躍で、一歩も引かない戦いを見せた。

流れが豊浦に傾いたのは、第3Q終盤に梅田の3Pショットで試合が49-49のタイになったところ以降だ。この一撃を皮切りに、第4Q開始約1分過ぎに#13安永昊太郎が坪井のパスからアリウープを決めたところまで豊浦は16-2のランを展開。その後も豊浦の堅固なディフェンスと巧みなタイムマネジメントが冴え、豊浦が81-68で王座に就いた。

豊浦は5年ぶり5度目の王座。得点源の坪井(21得点)と梅田(30得点)が持ち味を十分に発揮したが、何よりチームとして3P成功率が40%(25本中10本成功)、2P成功率が53.5%(43本中23本)に達し、ターンオーバーがわずか2つだけという王者らしいバスケットボールだった。広島瀬戸内では末永のほか三次桜侍が18得点、濱田が15得点を記録している。

【女子】広島皆実がOTの末鳥取城北を下して連覇達成

中国ブロック女子は開催地岡山県から県1位の就実と3位の倉敷翠松が準決勝に勝ち上がり、鳥取城北(鳥取1位)、広島皆実(広島1位)とともに4強入りを果たした。準決勝の2試合は鳥取城北対就実、倉敷翠松対広島皆実の組み合わせとなった。

倉敷翠松は1回戦で松徳学院(島根1位)を75-57、2回戦では徳山商工(山口1位)を72-69と2県のインターハイ優勝チームを撃破しての4強入り。昨年のSoftBankウインターカップ2022でベスト16に進出した後の新チームが、アイデンティティーを見出していることを感じさせた。岡山は2位の明誠学院もベスト8入り。2試合で平均15.5得点のキャプテン上村彩華を中心としたねばり強いプレーが今後の飛躍を期待させる。

[準決勝]鳥取城北85-63就実

この試合は開始早々に就実が16-1のランで優位に立ったが、鳥取城北は中山水璃が3Pショットを沈め16-4としたあたりから落ち着きを取り戻し反撃に転じた。第2Q残り7分4秒の横井 初のフリースローで21-21と同点に追いつき、亀田ゆなが3Pショットとダブルクラッチ・レイアップで連続得点を奪ったところで30-23。ディフェンスの切れも高まった鳥取城北は、ハーフタイム前にリードを45-35の10点差まで広げると、後半の就実の反撃にも慌てず85-63の勝利をつかんだ。

[準決勝]広島皆実79-49倉敷翠松

倉敷翠松対広島皆実の準決勝は、序盤の接戦を抜け出した広島皆実がぐんぐん勢いを増す展開となった。第2Q開始2分過ぎに原田 誉の3Pショットが決まった時点でスコアは30-10。倉敷翠松は広島皆実の厳しいディフェンスに反撃の糸口をつかめず、前半終了時点で広島皆実のリードは42-16の26点差まで広がった。倉敷翠松も後半、ゾーンディフェンスで広島皆実のターンオーバーを誘うシーンが何度かあり流れを引き寄せる気配を感じさせたが、点差はなかなか詰まらず。最終的には79-49で広島皆実が勝利した。

[決勝]広島皆実80-76鳥取城北(OT)

地元岡山県勢に快勝を収めたチーム同士の決勝戦は、激闘となった。

序盤は点の取り合いの中での接戦となったが、キャプテン貫井佑里子のドライブやミドルジャンパーを軸に得点を重ねた鳥取城北が先行する流れ。第2Q半ばに一時は38-25と13点のリードを奪う。しかし広島皆実は、3Pショットを第1Qだけで5本沈めた松前結奈らを中心に食らいつき、前半終了間際あたりから徐々に流れを手繰り寄せていった。

前半は3Pショットでの得点が光った松前は、後半になるとハイポストからのミドルジャンパーを中心にさらに得点を量産。その松前に加え、身長183cmのセンターでキャプテンを務める大上粋奈が、ゴール下周辺で得点やリバウンド、アウトサイドで待つシューターへのおぜん立てなど柔軟なプレーでチームをけん引した。広島皆実はハーフタイム時点では37-46のビハインドだったが、第3Q終了時点では58-56と先行していた。

レギュレーションの最終クォーターはわずかに広島皆実がリードを保つ展開で終盤を迎えたが、鳥取城北は残り30.6秒に亀田のレイアップで72-72の同点に追いつく。藤浪桃子がスティールから速攻で攻め上がり、絶妙なノールックパスを亀田に渡して生まれたこの得点で、試合はオーバータイムへとなだれ込むこととなった。

緊迫した展開となったオーバータイムは、最初の約2分間どちらも得点を奪うことができないまま過ぎた。重苦しい空気を打ち破ったのは鳥取城北で、ペイントで再び藤浪から亀田への連係が決まり74-72と2点のリードを奪う。しかし広島皆実は大上の2連続ゴールで逆転すると、一度は亀田のフリースローで追いつかれたものの、残り41.3秒の原田の3Pショットで79-76と先行。最後は残り22.6秒に松前がダメ押しのフリースローを1本沈めて80-76で勝負をつけた。

広島皆実は連覇を達成し、通算9度目の王座獲得となった。リーディングスコアラーは松前で26得点(7リバウンド、3アシストも記録)。また大上は19得点、25リバウンド、5アシストという驚くべきスタッツを残している。鳥取城北では亀田(22得点、13リバウンド)と藤浪桃子(18得点、10リバウンド、6アシスト、0ターンオーバー)の二人がダブルダブルの大健闘。両チームのプレーヤーたちの活躍は、決勝戦にふさわしい緊迫した熱戦を大いに盛り上げていた。



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