月刊バスケットボール6月号

【北海道総体】男子は激戦の末、1位 東海大付札幌、2位 旭川工、3位 駒澤大附苫小牧、女子は女王・札幌山の手にオール1年生の日本航空北海道がインターハイの切符を獲得!

写真は東海大付札幌の山岸竜輔(昨年のウインターカップ時のもの)

  • 関東ブロック大会バスケットライブ

男子は1位 東海大付札幌、2位 旭川工、3位 駒澤大附苫小牧、女子は札幌山の手、日本航空北海道がIHへ


令和5年度 全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ) 北海道予選会は6月16~18日まで北海道立北見体育センター他で男女の競技が開催され、それぞれ下記のような結果となった。


【男子】決勝リーグは3チームが2勝1敗で並ぶ混戦に。得失点差で1位 東海大付札幌、2位 旭川工、3位 駒澤大附苫小牧がインターハイ出場へ

<6月18日 リーグ戦結果>
旭川工 68‐55 東海大付札幌
駒澤大附苫小牧 79‐66 札幌工

東海大付札幌 105‐71 駒澤大附苫小牧
旭川工 84‐65 札幌工

大会序盤のトーナメントを勝ち抜き、4強へと進んだのは東海大付札幌、札幌工、駒澤大附苫小牧、旭川工の4チーム。続くリーグ戦1戦目は東海大付札幌が札幌工に、駒澤大附苫小牧が旭川工に勝利し、インターハイ出場へ一歩近付いた。中でも、#4山岸竜輔、#5藤岡真翔、#9大橋 クリスチャン ケヴィンの3人が、当時2年生ながら昨年のウインターカップを経験している東海大付札幌は頭一つ抜け出した存在かと思われた。

しかし、その東海大付札幌は、18日の1試合目(リーグ戦2試合目)で旭川工の前に55‐68と手痛い1敗を喫してしまう。旭川工は、#10笠谷穣大朗をはじめ各選手が士気あふれるプレーで果敢に東海大付札幌のゴールに攻め込み、シュートを決める度に熱いアクションで仲間を鼓舞、チームとしての一体感を高め展開をリードしていった。後半、東海大付札幌も3Pで点差を詰めるべく挑むが、旭川工は#10笠谷が試合を通じて内外問わず硬軟自在なプレーでけん引し、チームを勝利に導いた。

各チームともリーグ戦2試合を終えて、駒澤大附苫小牧が2勝で一歩リード。東海大付札幌と旭川工が1勝1敗で、それぞれ最終試合にインターハイ出場権獲得の望みをつないだ。

その最終試合、東海大付札幌と駒澤大附苫小牧の試合は、序盤は両チームの攻防が拮抗して互角の展開となったが、負けられない東海大付札幌は2Qで#4山岸の3P、#6佐々木快の鋭いドライブ、#9大橋のミドルなどで一歩抜け出す。

さらに3Qに入ると東海大付札幌は#4山岸が3Pを連発、#7沼口春のゴール下も決まるなどして駒澤大附苫小牧を突き放す。たとえ敗れたとしても、得失点差で優位に立ちたい駒澤大附苫小牧は最後まで各選手が果敢に攻めるが、東海大付札幌も攻防の強度を緩めることなく戦い切り、105‐71で勝利を収めた。

もう一つの最終試合、旭川工と札幌工の試合は、3Qの終了ブザーとほぼ同時に旭川工#8江口桜平のミドルが決まり55‐50と一歩抜け出すと、それが起点となり4Qでは#4義達斗和の3P、#10笠谷のドライブなど一気の攻めで84‐65と点差を付け、旭川工が勝利を収めた。

この結果、東海大付札幌、駒澤大附苫小牧、旭川工の3チームが2勝1敗で並んだが、得失点差で東海大付札幌が優勝(得失点差+21)、旭川工が準優勝(得失点差0)、駒澤大附苫小牧は3位(得失点差-21)となった。



【女子】札幌山の手を相手に確かな手応え。新星・日本航空北海道はインターハイでも注目すべき存在に

<6月18日 リーグ戦結果>
札幌山の手 100‐52 札幌東商
日本航空北海道 101‐68 北海道栄

札幌山の手 82‐53 日本航空北海道
札幌東商 74‐49 北海道栄

大会序盤のトーナメント、初戦となる2回戦で白樺学園を139‐47、3回戦で北星学園女を126‐52と破った札幌山の手。17日の決勝リーグ初戦も北海道栄を122‐56、そして18日の2戦目、札幌東商も100‐52と、ここまで4試合連続の100点ゲーム、正に女王の貫録を見せて勝ち上がってきた。

一方、今大会、旋風を巻き起こしたのが今春創部したばかりの日本航空北海道だ。オール1年生のメンバーで札幌支部予選3位となり、北海道予選会は初出場。しかし、#6庵原有紗(180cm)の得点力を大きな武器に、各選手の伸び伸びとしたプレーで今大会も力強い勝ち上がり。トーナメント初戦の2回戦で海星学院に95‐50、3回戦で遺愛女に101‐58と連勝。緊張感の高まる決勝リーグ初戦で札幌東商に68‐66と競り勝つと、2戦目の北海道栄戦では再び得点力を発揮し101‐68で勝利し、ついに負けなしで札幌山の手との最終戦を迎えた。

試合は、札幌山の手が#5栗林瞳のシュートで先制。しかし、日本航空北海道も#1宇都鈴々奈が巧みなドライブでディフェンスを突破し難しいゴールを決めれば、#73中村泉咲は自身のシュートに対し自らリバウンドに行き、左手の繊細なタッチのシュートを決め切り、#6庵原も仲間からのパスをしっかり得点につなげるなど、1Qはまったく互角の展開に。

2Qは、札幌山の手が日本航空北海道の僅かな隙を突いたスティールからボールをつなぎ、#11新田杏樹、#4巻朋花がゴールを奪うなどして展開を一歩リードするが、日本航空北海道も#00Fatoumata Camaraが187cmの高さを生かしたゴールで対抗、#6庵原のゴール下での粘りのプレーなどで必死についていく。

しかし、3Qに入ると日本航空北海道には連戦の疲れのためか動きの俊敏さにやや陰りが見え始め、小さなミスから札幌山の手にボールを奪われ、徐々に点差が開いていく。

4Qに入ると札幌山の手は#7谷口憂花の3Pなどで得点を積み重ね、さらに点差は離れていく。だが、大会最後の試合で力をふり絞る日本航空北海道も、これまでの練習の成果を発揮すべく懸命にパスをつなぎ、託されたボールを#6庵原が着実にゴールへ。また#73中村も優れた状況判断と高い身体能力を駆使して見る者をうならせるシュートを決めるなど奮闘。

結果は、札幌山の手が82‐53と力の差を見せ付け、40大会連続47回目のインターハイ出場を決めた。だが、日本航空北海道の健闘も大いに光る試合だった。今大会、札幌山の手の得点を唯一100点未満に抑えたディフェンスもたたえられる。試合直後、自分たちの力を存分に発揮し、“まだやれる!”という手応えも得た、充実した笑顔が日本航空北海道の選手たちには見られた。堂々2位での出場、地元・北海道で開催されるインターハイでの戦いぶりも大いに楽しみだ。





文/村山純一(月刊バスケットボール編集部)

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