月刊バスケットボール6月号

【中国ブロック大会展望】男女ともに混戦模様、頂点に立つのはどのチームか!?

  • 関東ブロック大会バスケットライブ

6月16日(土)から18日(日)にかけてジップアリーナ岡山(岡山県岡山市)で開催される第67回中国高等学校バスケットボール選手権大会に出場する5県の男女各16チームが出そろった。今回は鳥取、島根、広島、山口から3チームずつ、岡山から4チームの計16チームが出場し、ブロック王座を争う。昨年の大会は男女とも広島勢の広島皆実が制したが、今年はどうなるか。

【中国男子】各県上位の特徴あるチームがいかに強みを出し切るか


 男子の各県インターハイ予選を1位通過したのは広島皆実、鳥取城北(鳥取)、豊浦(山口)、松江東(島根)、岡山商科大附(岡山)の5チーム。このうち広島皆実、鳥取城北、豊浦の3チームと、広島県瀬戸内(広島2位)、関西(岡山3位)、松江西(島根3位)を加えた計6チームは、昨冬のSoftBankウインターカップ2022にも出場している。また、2月の中国新人大会では岡山商科大附が豊浦を2点差で下して優勝を飾った。この2チームは、今回の中国大会でも注目の筆頭といえるだろう。

岡山商科大附は、県予選を見ても準決勝、決勝ともに20点差以上の快勝を収めた。特に岡山工との決勝では片岡裕基が30得点、田村優二が22得点と、チームの総得点の半分以上を挙げて91-65で勝利。昨年の夏の予選、3点差で敗れたリベンジを1年越しに果たした。勢いそのままに、地元開催の今大会で中国王者の座を勝ち取りたいところだ。

中国新人準優勝の豊浦も、持ち味のディフェンス力が光る戦いぶりで危なげなく県予選を突破。準決勝で山口に48-34、決勝で宇部工に65-42で勝利した。SoftBankウインターカップ2022で平均27.0得点、4.5スティールと大暴れした梅田晄希、同じく洛南(京都)との2回戦で20得点を挙げた坪井遥生の3年生コンビが躍動すれば、自ずと中国チャンピオンも見えてくるはずだ。
 
 前年王者の広島皆実も、3月の全関西バスケットボール大会(交歓大会)で全勝優勝するなど力のあるチーム。県予選では準決勝で英数学館(広島3位で中国大会出場)を99-63で破った後、決勝で広島県瀬戸内に88-78とやはり2桁点差を付けて勝った。決勝で23得点を挙げ、大会最優秀選手に輝いたスモールフォワードの中村英司(3年)は、昨年のインターハイ3回戦でも残り4秒に逆転シュートを決めた勝負強い選手。今年は絶対的エースとして注目したい。

鳥取城北では、昨年からスタメンで経験を積み、SoftBankウインターカップ2022の実践学園戦でも14得点、6リバウンドの活躍を見せたポイントガードの小林裕次郎に注目。彼と同じくインターハイ予選の優秀選手に選ばれたシューティングガードの綾野愛大もカギを握る存在だろう。また、昨年はあまり出番のなかったセンター、サンダグドルジ・サンジェ(208cm)が、2年生になってどう成長しているかも見どころとなる。

島根では、昨年の主力を務めた顔ぶれが卒業した松江西に対し準決勝で119-69という大勝を手にし、そのままインターハイ出場権を得た松江東だけでなく、その松江東と決勝で77-76という大激戦を演じた出雲北稜も要警戒のチーム。中国ブロック男子は各県から特徴のあるチームが集っている。どの県のチームにも、強みを出し切れさえすれば勝ち目がありそうだ。

【中国女子】上位候補を中心に他チームがどこまで迫れるか


中国女子は、各県から鳥取城北(鳥取)、松徳学院(島根)、就実(岡山)、広島皆実(広島)、徳山商工(山口)が予選を1位通過。このうち鳥取城北は、2月の中国新人でも広島皆実を76-67で破って優勝した注目チームだ。総合力の高いガードの實井佑里子、身長170cmのパワーフォワード亀田ゆなら3年生がけん引し、身長187cmの2年生センター、オルヤタ・フェヴェーが相手に大きな脅威をもたらすだろう。
 
ディフェンディング・チャンピオンの広島皆実は、今大会でも間違いなく優勝候補の一つに挙げられる。昨年、U16アジア選手権、U17ワールドカップに出場した三次真歩が卒業したが、三次とともに2つの国際大会を経験したセンター大上粋奈(3年、181cm)が今年は絶対的エース。県予選では、最もきわどい試合だった清水ヶ丘との準々決勝を94-89で制すると、その後は比治山との準決勝が100-62、広島観音との決勝が80-56と危なげない勝ちっぷりで、大上は大会最優秀選手にも輝いた。

大会を面白くしそうなのが、松徳学院と松江商という島根勢。県予選の決勝では、松徳学院が56-54という紙一重の勝負の末に松江商を下した。両チームは2月の新人戦決勝でも顔を合わせており、このときは松江商が71-70で勝利。すなわち松徳学院が夏はリベンジを果たした形だが、両者に力の差は全くないといえるだろう。松徳学院は中高一貫で近年力を付けてきたチームで、過去にJr.ウインターカップで活躍した淺野 凛(2年)や坂元遥香(2年)、渡辺乙環(3年)らがチームの核。一方の松江商は、SoftBankウインターカップ2022の山形商(山形)戦で22得点ずつを記録したSGの上野めいとPFの細木茜里、加えて司令塔を務める渡邉かのんらが、経験を生かしてチームを引っ張りそうだ。

岡山勢では、一人で50得点以上奪えるアイピドゥン・グレイスが卒業した倉敷翠松に代わってインターハイ出場権を奪取した就実が、その勢いに乗ってどこまで駒を進めるか。山口では得点力のあるポイントガード福田ゆう(3年)を軸とする徳山商工(山口)が、チーム全体としても高い得点力を見せて県インターハイ予選を勝ち抜いた。女子は島根を除く4県で決勝が2桁点差だったことからも、ブロック王座争いは各県チャンピオンと松江商が軸になるのではないだろうか。


高校ブロック大会2023ライブ配信『バスケットLIVE
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