月刊バスケットボール6月号

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2023.06.14

【第2回WUBS】山﨑一渉「優勝を目指し、いろいろなものを吸収して成長していきたい」 - ラドフォード大(アメリカ)オンライン会見での一問一答

810日(木)から13日(日)に国立代々木競技場第二体育館で開催されるWUBSSun Chlorella presents World University Basketball Series=ワールド・ユニバーシティー・バスケットボール・シリーズ)に出場するラドフォード大(NCAAディビジョン1ビッグサウス・カンファレンス)が、68日にオンライン会見で日本のメディアと交流した。


参加したのはヘッドコーチのダリス・ニコルズとダクワン・スミス(4年、ガード)、ケニオン・ジャイルズ(2年、ガード)、そして日本から渡米して2年目を迎える山﨑一渉(フォワード)の4人。会見中の山﨑は、相手が日本のメディアだったので日本語で対応したが、そのやり取りにニコルズHCが「私がクアンとKG(スミスとジャイルズそれぞれのニックネーム)のために通訳しようか?」と絡んだり、山﨑が自宅から話す間に愛犬が吠える場面も。終了間際にも、やはりニコルズHCが「どんな犬なの? 名前は?」と山﨑に質問したりと、約1時間の交流は和やかな雰囲気で終わった。

ここでは、山﨑が語ったメディアとの一問一答をまとめる。
※質問は要約


山﨑一渉 ラドフォード大(2年)#54 F 201cm/98kg 千葉県松戸市出身(写真/©️Radford University Athletics)

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Sun Chlorella presents World University Basketball Series大会公式サイト


――WUBS出場について

自分は日本出身で、いろいろな方々の支えがあって、自分の夢であるアメリカでプレーするということができています。こうして自分のいるチームが来日して日本の方々の前でプレーするということは、自分にとって本当に特別なことですごく楽しみにしています。

ケニオンも言っていましたが、自分がアメリカに行ったときにいろんなことが違ってすべてが新しかったです。チームメイトが日本でいろいろなことの違いに驚いたり、(そんな体験を)楽しみにしていると思うので、そこが楽しみです。

――WUBSでの目標

自分たちは8月はシーズン前になるんですけど、そこで短い期間だけどしっかり練習して、新しい選手たちも入ってくるのでしっかり一つになって大会に臨みたいです。もちろん優勝を目指してプレーします。

自分は日本とアメリカのバスケットのスタイルはわかるんですけど、ほかの国からもいろいろなチームが来るので、そこと対戦していろいろなものを吸収して成長していきたいと思います。

――大会中、試合以外で楽しみにしていること

皆が言っていたとおり食事とかは全然違うと思うので、自分の国の食事をみんなが気に入ってくれたらうれしいと思います。建物や繁華街の雰囲気もアメリカとは違うと思うので、そういうところにも連れていけたらというふうに思います。

ヘッドコーチも言っていましたが、自分がアメリカで英語も全然わからず新しいことばかりで本当に苦労したんですけど、チームメイトがみんなで助けてくれたので、今度は日本のことを一番知っていて日本語もしゃべれる自分がみんなを助けられるというのがすごく楽しみです。

――あらためて振り返って、どんな成長ができ、できなかったか

昨シーズンは本当にいろんなことが新しくて苦労した一年でした。一番苦労したり周りと違うと感じたことは、みんな毎日の練習に持ってくる熱量や勝ちに行くぞという気持ち。試合だけでなく日ごろの練習中からずっと試合を想定してシリアスに練習していく雰囲気の中で、毎日自分より高く飛んでうまい選手と練習できたことで、どんどんいろんな面で成長できたと感じています。

できなかったのは、自信を持ってプレーすること。それは英語の面から来ることもあるし、いろんな面から来ると思うんです。やっぱり英語をできるだけ早く完璧に近づけて、自分が持っているものに自信をもってプレーできたらチームに貢献できると思うので、それが来年の課題です。

――アメリカで驚いたこと

アメリカに1年いて感じたのは、試合のスピード感の違いでした。ディフェンスでもオフェンスでもどんどんスピーディーに試合が展開されていくなと感じて、最初は慣れなくて。後はやっぱりフィジカルやジャンプなど運動能力は本当にアメリカはすごいというのをあらためて実感しました。

――アメリカで活躍している日本人選手とのコミュニケーション

一番連絡を取っているのは、明成で同期だった菅野ブルースです。彼も悩むことがあったりするので、相談し合いながらやっています。彼もディビジョン1に入ってくるので、同じ舞台で頑張っていくという中でお互いに負けたくないですし、切磋琢磨しながら毎日できたことはすごく大きかったなと思います。

――U19日本代表への激励

自分がU19のワールドカップを経験したときはアジアでの大会がなく、初めての国際大会がワールドカップでした。今の代のU19はアジアも経験して、どれだけほかの国の選手たちがフィジカルで闘争心を出してくるかというのをある程度わかっているので、自分たちよりもワールドカップに入りやすいのかなと思います。

自分たちのときは1勝もできなかったんですけど、身体能力で劣る部分があってもシュートや技術では自分たちの方が上だったなと感じる試合も少なくなかったので、そこに自信を持って相手を怖がらずにプレーしてほしいです。

――自分自身の代表への思い

自分自身は初めてBリーグの若手や大学生の選手たちがいるキャンプに参加させていただくことになりました。年齢は一番下なんですけど、コーチからも言われるように、元気を出して自信を持ってやれば絶対に大丈夫だと思うので、まず気持ちを作って思い切りプレーしたいです。

日本代表にはアンダーカテゴリーから入っていて、将来はA代表で国を代表してプレーしたいという思いが強くあります。それに一歩近づけるチャンスなので、自分としては精いっぱい頑張りたいと思います。

――明成の先輩、八村 塁(現NBAロサンゼルス・レイカーズ)からのアドバイス

塁さんがワシントン・ウィザーズにいたころにコーチが練習に連れて行ってくれて、少し話させていただいたんです。塁さんはアメリカに来た1年目にすごく苦しんだそうで、それが続くこともあるけれど絶対に止めないで、どれだけ自分を信じられるかが勝負だと言っていました。本当にそれは今の自分が止めないで努力できていることにつながっていると思います。


あと、コート上では絶対に日本人にならないで、アメリカ人よりも競争心を持ってがつがつやっていくことが大切だというアドバイスをもらいました。それは本当に今の自分に生きていると思うし、意識しながらプレーしています。

Sun Chlorella presents World University Basketball Series大会公式サイト
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取材・文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

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