月刊バスケットボール5月号

FIBA

2023.06.06

W杯アメリカ代表にジャクソンJr.、イングラムが参加と報道、前回7位の屈辱を晴らせるか!?

ジャクソンJr.(写真右)、イングラム(写真左)が代表に参加と報道

ロスターが固まるのは6月か7月初旬を予定


現地6月5日(日本時間6日)、アメリカスポーツメディア「ESPN」は情報筋の話として今季の最優秀ディフェンス選手であるジャレン・ジャクソンJr.(グリズリーズ)、ブランドン・イングラム(ペリカンズ)がワールドカップアメリカ代表(FIBAランク2位)に参加すると報じた。USAバスケットボールのマネージングディレクターを務めるグラント・ヒルは3月に、ロスターは6月か7月初旬に固まると語っている。

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208cm110kgのビッグマン、ジャクソンJr.は今季の最優秀ディフェンス選手受賞者にして、オールNBAディフェンシブ・ファーストチームに入っているディフェンス職人。今季レギュラーシーズンでは63試合に出場し、18.6得点、6.8リバウンド、3.0ブロックをマークしている。一方、203cm86kgのSGイングラムは、今季45試合に出場して平均24.7得点、5.5リバウンド、5.8アシスト、3Pシュート成功率39.0%をマーク。バランスの取れた選手だけに国際ゲームでも期待できる。ちなみにイングラムは2019-20シーズンにはオールスターに初選出され、MIP(最も進歩したプレイヤー)を受賞している。

ヒルマネージングディレクターは、6月か7月初旬にロスターが固まると明かしていることを考えると、今正に最終的な出場意思を確認しているところなのだろう。そのロスターの陣容については「ここ数年のサイクルを考えてみると、代表の成長と成功の担ってきた素晴らしいベテラン選手がいた。まず若く新しい波を迎え入れたい。若手をパイプラインに導き、複数のサイクルに参加させたい。もちろん、そこには年配のベテラン経験豊富な選手も散りばめられている」と若手とベテランを融合させたチームにするつもりだと明かしている。

今後の予定としては、8月初旬にトレーニングキャンプをスタートし、アメリカのラスベガスでエキシビションゲーム(プエルトリコ戦)を実施。その後、8月11日〜13日にスペインのマラガでスペイン(同1位)、スロベニア(同7位)と練習試合を、8月18日と20日にアラブ首長国連邦・アブダビでギリシャ代表(同9位)、ドイツ代表(同11位)と練習試合を行ってフィリピンに入る予定だ。

ヘッドコーチはスティーブ・カー(ウォリアーズHC)、アシスタントコーチにティロン・ルー(クリッパーズHC)、エリック・スポールストラ(ヒートHC)、マーク・フュー(ゴンザガ大HC)とスタッフ陣はかなり豪華。過去の結果を見ると、東京2020大会を含めてオリンピックでは出場19大会中16大会で金メダルを獲得と圧倒的な結果を残しているアメリカ代表。だがワールドカップでは出場18大会で金メダルは5大会のみ。グレッグ・ポポビッチ(スパーズHC)が指揮をとった2019年の中国大会では過去最低の7位という結果に終わっている。それだけに今年のワールドカップで結果を残さなければならないというプレッシャーも大きいはず。ジャクソンJr.、イングラムに続いて、どんなメンバーが集まるのか。今後の動向に注目である。

🇺🇸アメリカ代表過去の国際大会結果

■オリンピック ■ワールドカップ(世界選手権)
開催地結果開催地結果
 1936 ベルリン金メダル 1950アルゼンチン銀メダル
 1948 ロンドン金メダル 1954ブラジル金メダル
 1952 ヘルシンキ金メダル 1959チリ銀メダル
 1956 メルボルン金メダル 1963ブラジル4位
 1960 ローマ金メダル 1967ウルグアイ4位
 1964 東京金メダル 1970ユーゴスラビア5位
 1968 メキシコシティ金メダル 1974プエルトリコ銅メダル
 1972 ミュンヘン銀メダル 1978フィリピン5位
 1976 モントリオール金メダル 1982コロンビア銀メダル
 1980 モスクワ※ボイコット 1986スペイン金メダル
 1984 ロサンゼルス金メダル 1990アルゼンチン銅メダル
 1988 ソウル銅メダル 1994カナダ金メダル
 1992 バルセロナ金メダル 1998ギリシャ銅メダル
 1996 アトランタ金メダル 2002アメリカ6位
 2000 シドニー金メダル 2006日本銅メダル
 2004 アテネ銅メダル 2010トルコ金メダル
 2008 北京金メダル 2014スペイン金メダル
 2012 ロンドン金メダル 2019中国7位
 2016 リオデジャネイロ金メダル 2023日本、インドネシア、フィリピン
 2020 東京金メダル
※世界選手権は2014年大会よりワールドカップに改称




文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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