月刊バスケットボール7月号

Bリーグ

2023.05.27

千葉ジェッツの最強シックススマンを封じた琉球の包囲網

先勝した琉球、スミスへの守備が奏功


琉球ゴールデンキングスと千葉ジェッツによる「日本生命 B.LEAGUE FINALS 2022-23」は、ゲーム1が終了。この試合はダブルオーバータイムにもつれる大激闘となったが、ラスト5分で集中力を見せた琉球が96-93で千葉Jを振り切り1勝目を挙げた。

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琉球の中で特に活躍が目立ったのはインサイドで縦横無尽に動き回り26得点を挙げたアレン・ダーラム、特に2度目のオーバータイムでビッグショットを次々に沈めた今村佳太、そしてファウルアウトになったとはいえ、インサイドで圧倒的な存在感を放ったジャック・クーリーら。

ほかにも要所の3Pシュートで貢献した牧隼人に、うまくゲームをコントロールしたベテラン岸本隆一ら選手それぞれが役割を全うした上での勝利だった。

そして、松脇圭志。6本中3本の3Pを射抜くオフェンス面での貢献もさることながら、ディフェンス面でも千葉Jの最強シックススマン、クリストファー・スミスを抑える上で大きな働きを見せたのだ。

この試合でスミスは僅か4得点に終わっており、得意の3Pシュートに至っては1本も決められず。しかも、レギュレーションの40分間では1本も打つことすらできなかった(ダブルオーバータイムで打って最終的には0/1)。レギュラーシーズンで平均5.9本試投し成功率43.8%、チャンピオンシップでは同6.6本、45.5%と数字を上げていたボリュームシューターを封じたことは、琉球が勝利する上で大きなポイントとなった。

そして、主にスミスへのマッチアップを担当していたのが松脇で、試合後には「スミス選手はCSですごく当たっていたので、そこには打たせたくないというマインドでマークしていました。チームとしてスミス選手にはまずはとにかくボールをもらわせないことと、もらわせてもキャッチ&シュートを打たれないことを話していました。その上でドライブであればされていいと話していました。とにかくキャッチ&シュートを警戒していた」と明かす。その上で「特に僕がスミス選手につくという指示はなかったのですが、結果として僕が出てマークしていたのでチームの共通理解としてああいう守り方になりました」と、あくまでも個人ではなくチーム全体でスミスを警戒したことがこの守りにつながったことを強調した。

桶谷大HCも「レギュラーシーズンや天皇杯で千葉と戦ってきた中でも、スミス選手については今日の守り方が1番良かったと思います。中でも松脇がしっかりと抑えてくれました」と納得の評価。


写真:山岡邦彦/月刊バスケットボール

千葉Jの武器の一つ、クリストファー・スミスの封じ込めに成功した琉球(写真:山岡邦彦/月刊バスケットボール)



もちろん、この試合は千葉Jのギャビン・エドワーズがファウルトラブルに陥った台所事情もあって、ヴィック・ローとジョン・ムーニーのプレータイムが増え、逆にシューティングガードのスミスはプレータイム(16分48秒)が普段より少なかった。それが全体的な試投数が減る一要因であったことは明白。それを踏まえて桶谷HCも「明日はもっと試合に出てもっと打ってこようとすると思います。爆発されると20点以上取ってくるので本当に彼は警戒していきたいです」と気を引き締めている。

ただ、プレータイムが少なかったのは千葉Jがスミス対策への解決策を見いだし切れず、ラインナップ事情も含めて使いづらくなってしまったからという見方もできる。

試合前に試合のポイントを解説してくれた佐々木クリス氏が、千葉Jはスミスが5本以上の3Pを沈めた試合ではCSを含めて11戦無敗というデータを紹介してくれた。その意味では、この試合で琉球が敷いたスミスへの包囲網は、千葉Jの勝ちパターンを一つ消したという捉え方もできる。

2戦先勝方式の醍醐味は相手とのアジャスト合戦にある。千葉Jが次戦でどう修正してくるか、あるいは琉球が今日のようなディフェンスをどこまで遂行できるか。まずはスミスの動きに注目してみると、その変化が分かるはずだ。

取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)

タグ: 千葉ジェッツ 琉球ゴールデンキングスBリーグ

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