月刊バスケットボール5月号

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2023.05.26

【第2回WUBS】白鷗大ソルジャーズ網野友雄監督 - 「願わくはしっかり勝ち上がって、より高いレベルの競争をしたい」

©月刊バスケットボール

今年8月に2度目の開催を迎えるWUBSSun Chlorella presents World University Basketball Series=ワールド・ユニバーシティー・バスケットボール・シリーズ、以下WUBS)は、昨年の4大学から8大学に規模を拡大して行われる。日本からの出場枠も2チームに増えており、2年連続出場の東海大に加えて、第74回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)準優勝の白鷗大ソルジャーズも出場権を得ている。


網野友雄監督率いる白鷗大は、大学自体の創設が1986年という比較的新しい大学だが、直近10年間の躍進ぶりは目覚ましい。何しろこの4年間はインカレでベスト4を逃した年はなく、2021年には念願かなって日本一の座を獲得している。まぎれもなく日本の大学バスケットボール界を代表するにふさわしい強豪と言えるだろう。

WUBSは白鷗大にとって、世界基準を肌で感じてさらなる飛躍を遂げるきっかけにもなりうる大会だ。網野監督は初出場の意義についてこう語る。


「大学界は国際経験が少ない状況です。U22の活動や李相佰、ユニバなどはありますが、それ以外の国際ゲームがほとんどありません。そういった経験を代表以外の学生たちができるという意義はすごく大きいと思っています」


今夏の第2回WUBSにインカレ準優勝チームとして出場する白鷗大の網野友雄部長兼監督。スプリングトーナメントではチームを準優勝に導いた(写真/©月刊バスケットボール)

こうした認識もあり、網野監督は折に触れてチームに国際的な経験を積ませる機会を過去にも用意してきた。例えばコロナ禍が始まる前までは韓国遠征をしたり、フィリピン大が来日した際に練習試合を行ったという。しかし、国際交流に厳しい制限がかかった2019年以降、そうした活動もできなくなっていた。「今在籍している学生は、単独で国際ゲームに取り組んだことはありません。この大会は僕たちにとってもありがたい経験だと思います」。これはコーチとして、教育者としての本音だろう。

2WUBSでチームに期待することの一つは、「物おじせずハードに取り組むこと」だという。「どうしても国際経験が少ないので、見たことのないユニフォームを着た海外の選手を目の前でパッと見たときに、大きく見えてしまうというようなことが起きると思うんです。ハードに泥臭くぶつかっていってほしいですね」と網野監督は語る。その上で、チームとして自信を持っているディフェンスの強度がどのくらい通用するか。「願わくはしっかり勝ち上がって、準決勝でシドニー大とアテネオ大の勝った方とやって決勝まできちっと進み、より高いレベルの競争をしたいという思いです」。貴重な舞台に指揮官はどん欲な姿勢を見せる。

目標はすべての大会において優勝。これはWUBSでも変わらない。ただし結果に一喜一憂するのではなく、参加の意義をかみしめながらプレーすることに重点を置くことを網野監督は強調した。「自分たちの力がどのくらい通用するかを確認しながら、国際交流を含めた人間関係の構築が達成できたらいいと思っています」

Sun Chlorella presents World University Basketball Series大会公式サイト


4年生でチームの中心となる脇 真大は今年の李相佰に日本代表として参加したが、白鷗大単独としての国際経験は今回のWUBSが初めて。今後のキャリア構築を考えると、貴重なステップになりそうだ(写真/©月刊バスケットボール)



取材・文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: 白鷗大

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