月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2023.05.14

B1昇格賭けGAME3に向かう指揮官の言葉 - 前田健滋朗HC(長崎ヴェルカ)

GAME2後の会見での前田健滋朗HC(写真/©B.LEAGUE)

昨シーズンB3に同じタイミングで新規参入し、どちらも創設初シーズンでB2昇格を決めたアルティーリ千葉と長崎ヴェルカが、現在B1昇格をかけたB2セミファイナルで真っ向勝負を展開している。しかも、512日のGAME1でアウェイの長崎が 104-91で快勝を収め、翌13日に今度はホームのA千葉が93-61で取り返すというどちらも譲らぬ状況だ。


14日のGAME3はどちらのチームも勝てばB1昇格、負ければ最短でのB1昇格という目標達成の可能性を断たれる大事な試合。GAME2を終えた後の会見で、長崎の前田健滋朗HCが語った言葉をまとめる。

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GAME2の戦況に視線を向ける前田健滋朗HC(写真/©B.LEAGUE)

——GAME2の総評

今日に関してはA千葉の勝利に対する気迫に圧倒されてしまったなと思っています。我々もハードに最後までアグレッシブにプレーをしましたが、それを上回るプレーをA千葉は表現したなと思います。試合の出だしからそういった状況を作ってしまったことが今日の敗因かなと。

ただ、今日は今日なので明日のGAME3は、コーチ陣は対策を練って彼らをしっかりと止めるように準備すること。選手たちに話したのは、明日は我々がどういったチームかを示す場なので、我々のスタイルを表現すること。そのためにまずは明日に向けて準備しようと話しました。

長崎一丸という言葉が一番必要なとき

——リバウンドで苦戦した要因

もちろんリバウンドで難しい状況になったという状況がありますが、そもそものシュートの確率が高すぎると思っていますし、打たせる状況も良くなかった。リバウンドが改善点ではあるんですけど、その前の過程でいかに難しいショットをさせるかがポイントだと思っています。

——難しいショットをさせるための対策

A千葉は一人一人のタレントの能力があるので、11をどう守るのか、ピック&ロールをどう守るか、ポストをどう守るか、スクリーンをどう守るのかをもう一度整理した上で、気持ちを込めてプレーしたいです。

——長崎側のフィールドゴールが波に乗れなかった理由

我々のペースに持っていくことができませんでした。ディフェンスでストップすることができなかったというのが一つあるかなと思います。もう一つはオフェンスで、チームとしてプレーしなければいけないところで、少し個人でプレーしてしまう部分もあったかなと。難しい状況を作ってしまって、難しいショットを打ってしまったなと思っています。

——シーズン半ばで加入したルーキー小針幸也の、9得点を挙げた活躍に対する評価

彼はこういった活躍ができる選手です。チームを引っ張ってくれましたし、明日もそういったパフォーマンスをできる力があると期待しています。


小針幸也は長崎の日本国籍プレーヤーの中では最高の9得点を記録した(写真/©B.LEAGUE)

——長崎にとって初の3連戦、GAME3に対する変化・変更点

もう明日は勝つか負けるかだけのゲームなので、長崎一丸となって戦いたいと思っています。

——GAME3を迎えるにあたって長崎のファンへのメッセージ

今日も本当に難しい状況の中でも最後の最後まで我々をあと押ししていただき、力になりました。最後の最後まで選手が頑張れたのはそのあと押しのおかげです。明日はもう一つしっかりと勝つために、長崎一丸という言葉が一番必要だと思っています。「長崎一丸…! 一緒に頑張りましょう!」と伝えたいです。

——パブロ・アギラールが前日のシューティングをできなかった要因

パブロに関してはボールを持った時に、うちでは「アドバンテージ」と言っているんですが、取ったときにクローズアウトされているような状況で、オープンな状況をなかなか作らせてもらえなかったなと思います。スポットの場面でも、ピック&ロールの場面でもそうでした。相手が警戒していたことによって、そういった状況がそもそも作れなかったです。昨日とは彼がボールを持つ時の状況が違ったなと思います。


GAME1では3Pショットを9本中6本沈めて22得点を挙げ、アウェイでの勝利に大きく貢献したパブロ・アギラール。GAME2は3Pアテンプト自体4本にとどまり、成功1本のみの4得点だったが、すべてを決めるGAME3ではどんなプレーを見せるだろうか(写真/©B.LEAGUE)

——大きく点差を離されたときの心境

最初に少しリードされたところで、何度かタイムアウトを第1Qから早めに使って流れをこちらに持ってきたいと思ったのですが、それがなかなかできませんでした。

少しずつうちに流れが来るような状況は、第1Qも第2Qもそうですし、第3Qも、何回かありました。ただ、それが続かず点差を縮めることができませんでした。(追い上げる)チャンスは今日もあったと思います。

決戦のGAME3は14日17時ティップオフ

長崎は昨シーズンのB3チャンピオンで、今シーズンはB2西地区2位、全体4位の勝率だ(43勝17敗、勝率.717)。対するA千葉は今シーズンのB2最高勝率(47勝13敗、勝率.783)と東地区チャンピオンの座を手に入れている。クラブ創設以来の直接対決は、アルティーリ千葉が通算で6勝4敗と若干リード(今シーズンはレギュラーシーズンが3勝1敗、プレーオフが1勝1敗)。


千葉ポートアリーナでは長崎に対する声援のボリュームもかなり大きく、地元長崎では大規模なパブリックビューイングも開催されている。前田HC率いるヴェルカ大きな期待に応えられるか。GAME314日の17時に、みたび千葉ポートアリーナでティップオフを迎える。



取材・文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: B2プレーオフ アルティーリ千葉長崎ヴェルカ

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