月刊バスケットボール1月号

高田真希、女子日本代表再出発でパリへの思い——「出場したい気持ちは十分! そこに向けてしっかりパフォーマンスしたい」

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626日(月)から72日(日)にかけてシドニー(オーストラリア)で開催されるFIBA女子アジアカップ2023に向け、味の素ナショナルトレーニングセンターで強化合宿に臨んでいるバスケットボール女子日本代表候補で、新たに導入されたポジション・キャプテンの一人としてセンター陣をけん引する高田真希。511日の強化活動方針発表会見と公開練習を終えた後、パリ2024オリンピックとその大舞台に向けた最初のステップとなるアジアカップへの意気込みを語った。


この日は合宿が始まってからまだ二日目とあって、首脳陣の強化方針や考えがすべて浸透しきっていたわけではなく、まだ仕上がりを語れる状況ではないが、公開練習は活気にあふれていた。「若い選手も多いですけど、皆声を出しながらできていてすごくいい雰囲気です」と高田はチームの様子を語る。

オフェンスが機能不全に陥り8強入りを逃した昨夏のFIBA女子ワールドカップ2022を受け、恩塚 亨HCはこれまでと異なるシステムを導入している。「オフェンスの入り方は今までと違った部分があり、そこを確認し合いながら練習を重ねている段階」と高田は話し、「手応えも少しずつ感じています」と前向きな感触を持っている様子だった。

「コミュニケーションをとりながら次々と選択肢が生まれるようなものになっていて、いかに自分たちがその場の適応力を出せるかというのも一つのポイント。まずは形を覚えること。もう少し時間がかかると思いますが、自分たちしだいなので、しっかり練習の中で精度を上げていきたいなという段階です」


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ワールドカップでの高田は、平均26.3分の出場時間と9.4得点がチームトップの数字。トップの高田が2桁に到達していないことからも察することができるように、チームとしての平均63.2得点は出場12チーム中10位と低迷した。「お家芸」とすべきはずだった3Pショットも成功率28.4%は大会全体の9位。ただ、どのチームと戦ってもサイズ面で苦戦することが明らかだった中で、失点は最も多かったオーストラリア戦でも71だった。5試合の平均は66.6とディフェンス力は十分発揮できていただけに、望ましい結果を得るためにオフェンス面での破壊力を高めたいところだ。

高田はセンターのキャプテンという立場から、オフェンス面での影響力について以下のように話した。

「自分の特徴としては、決められた動きをやるのもそうですけど、チームが困ったとき、崩れてしまったときに動けるところが良さでもあると思うので、ディフェンスに対応してこういう動きをしていいんだよというのを、言葉でもプレーでも見せていけたらと思います」

そうしたリーダーシップにより、センターの視点からチームの改善につながる提案をヘッドコーチや異なるポジションのプレーヤーと話し合う触媒のような存在になることを目指すようだ。「そこはしっかりコミュニケーションをとらないといけないところ。センターとしての難しい部分をヘッドコーチやキャプテン(林 咲希)に伝える役割と思っています」

8チームが参加するアジアカップのディビジョンAは、4強入りできればオリンピック世界最終予選(OQT=202424日[日]~12日[月])の出場権が手に入る。OQTはアジアからの4チームのほかアフリカ3、アメリカ4、ヨーロッパ6の計16チームが4チームずつの4グループに分かれてグループラウンドを行い、それぞれのグループから上位3チームがパリへの切符を獲得する。

現在33歳の高田は今回の招集メンバーの最年長。東京2020オリンピックでの銀メダル獲得に至る長年の努力の積み重ねと成功体験を知っているベテランとして、パリへの思いも強い。

「出場したい気持ちは十分! そこに向けてしっかりパフォーマンスしたいなという気持ちがあります。でもそう簡単に出られるものではないですし、まずはこのアジアカップで優勝することが一つの目標なので、出場目指して頑張りたいと思いますし、そこまでに自分としても東京オリンピック以上のパフォーマンスを出せるように頑張りたいと思います」


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ワールドカップで味わった悔しさは前を向くための糧。ウォームアップのシューティングで3Pショットをスパスパ決めまくっていた公開練習での高田の存在感は、あいかわらず大きかった。



取材・文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: 髙田真希 Akatsuki Japan

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