月刊バスケットボール6月号

W杯バスケ対戦相手紹介「NBAオールスター、マルカネンが引っ張るフィンランド」[8月27日(日)に対戦]

マルカネン対策がカギに

マルカネン対策がカギに


■FIBAワールドカップ2023ロスター
■FIBAワールドカップ2023 ヨーロッパ地区予選結果
■FIBAワールドカップ過去の結果
■ヨーロッパ予選・マルカネン醜状エストニア対戦時(2022/2/28)のロスター

日本がファーストラウンドで対戦する中で、24位と最もFIBAランクが低いのがフィンランド。しかし、NBAオールスターのラウリ・マルカネン(ジャズ)が引っ張る強敵である。

ワールドカップ初出場はワイルドカードで出た2014年スペイン大会。その時は大会初戦でアメリカに55-114という大敗を経験したものの、続く2戦目にウクライナに81-76で勝利して1勝4敗で22位という成績となった。前回大会(2019年中国)は予選で敗退。そして今回、ヨーロッパ地区予選でドイツに次ぐグループJ2位となって初の自力出場を決めた。

その予選途中に開催となったユーロバスケット2022では、グループステージを突破して決勝トーナメントに進出。過去最高の7位で大会を終えている。“スシイェンギ(チームの愛称、群狼作戦の意)”を引っ張るのはジャズのマルカネンだ。ユーロバスケットでは平均27.9得点、8.1リバウンドと活躍したマルカネンは今季のNBAでも25.6得点、8.6リバウンドと同等の活躍を見せてMIPを受賞している。またFIBAは、「31歳のベテランSGサス・サリン、マルカネンに似た若手ミカエル・ヤントゥネン、オールラウンダーのエリアス・バルトネンも予選で10試合に出場した」と中心選手だと紹介している。


日本は、2021年7月に沖縄アリーナで行われた強化試合でフィンランドと対戦している。その際、日本は渡邊雄太(当時ラプターズ、現ネッツ)が17得点、エドワーズ・ギャビン(千葉J)が15得点、比江島慎(宇都宮)、金丸晃輔(当時三河、現三遠)が13得点と5人が2桁得点をマークし、拮抗した展開となったものの71-76で敗戦(マルカネンは出ていない)。試合後、当時ヘッドコーチだったフリオ・ラマス氏は「最後の1秒まで戦ったが、自分たちのバスケをさせてもらえなかった」と試合を振り返っている。

抽選会を受けてラッシ・トゥオビヘッドコーチは「やっと (大会について)考えることができるようになる(笑) ドイツとオーストラリアは大会のメダル候補。我々はチャレンジャーというポジションになるが、決勝トーナメントに入るためには、ファーストラウンドでどちらかを蹴落とすことが条件となる。日本についてはNBA選手が2人いて、ホームのファンもいる。ダークホース的存在として勝ち上がりを狙ってくるだろう。いずれにせよ、良い組み合わせだと思う。チームにとってもファンにとっても、沖縄という土地は素晴らしい経験をできる場所。バスケの面でも、オフコートの面でも素晴らしいコンディションでプレイができるだろう」と“死のグループ”と言われる抽選結果について「良い組み合わせ」だと語っている。

ユーロバスケット2022でトゥオビHCは、マルカネンに多くのボールを託した。ワールドカップ2023でも同様に多くの時間帯でマルカネンが持つことになるだろう。213cmにしてドライブもこなすマルカネンの数字をいかに下げていくか。日本が勝利を勝ち取るうえで重要なポイントとなりそうだ


フィンランドのラッシ・トゥオビヘッドコーチ


■FIBAワールドカップ2023ロスター

# 選手名身長生年所属
1 ミロ・リトル1942004ベイラー大
5 アレックス・マーフィー2061993エストゥディ(ESP)
9 サス・サリン1911991レノボ・テネリフェ(ESP)
13 オリヴィエ・カモウア2032000ミシガン大
14 ヘンリ・カントネン1981997FA
18 ミカエル・ヤントゥネン2042000パリ・バスケットボール (FRA)
19 エリアス・ヴァルトネン2001999バスケット・マンレサ(ESP)
20 アレクサンダー・マドセン2081995FA
21 エドン・マズーニ1881998FA
23 ラウリ・マルカネン2131997ジャズ (NBA)
34 ジェイコブ・グランディソン1981998FA
35 イラリ・セッパラ1881993サン=シャモン (FRA)





FIBAワールドカップ2023 ヨーロッパ地区予選

試合日 対戦相手結果
2021.11.25 スウェーデン●62-72
2021.11.28 クロアチア○77-71
2022.2.25 スロベニア○86-76
2022.2.28 スロベニア○83-79
2022.6.30 スウェーデン○85-69
2022.7.3 クロアチア○81-79
2022.8.25 イスラエル○79-73
2022.8.28 エストニア○76-68
2022.11.11 ドイツ●80-94
2022.11.14 エストニア○91-71
2023.2.24 イスラエル○97-95
2023.2.27 ドイツ●87-81
▶グループJ2位通過でワールドカップ出場権を獲得


FIBAワールドカップ過去の結果

開催年 開催地結果
 2014 スペイン22位1勝4敗
 2019 中国※予選敗退


ヨーロッパ予選・エストニア対戦時(2022/2/28)のロスター

No. プレイヤー身長生年月日年齢
1 Miro LITTLE193cm2004.5.3018
7 Shawn HUFF198cm1984.5.539
9 Sasu SALIN191cm1991.6.1131
13 Olivier NKAMHOUA203cm2000.5.223
14 Henri KANTONEN198cm1997.8.2025
18 Mikael JANTUNEN204cm2000.4.2023
19 Elias VALTONEN200cm1999.6.1123
20 Alexander MADSEN207cm1995.1.2628
21 Edon MAXHUNI188cm1998.3.2125
23 Lauri MARKKANEN213cm1997.5.2225
35 Ilari SEPPALA188cm1993.3.2730
41 Topias PALMI194cm1994.8.2628


2023/2/27ハイライト動画







文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

タグ: 男子日本代表 FIBAバスケットボールワールドカップ2023

PICK UP

RELATED