月刊バスケットボール10月号

W杯で日本が“ショーを見せる可能性がある”、FIBAが改めて日本のポテンシャルを紹介

リーグで成長を見せていると河村勇輝についても紹介

死のグループでの日本の可能性を紹介


現地5月3日(日本時間4日)、FIBA(国際バスケットボール連盟)は、FIBAワールドカップ2023で死のグループに入った日本代表 (FIBAランク36位)が「ショーを見せる可能性がある」と紹介。そのためにもディフェンス、特にリバウンドがカギになるだろうと綴った。

【動画】勝利した地区予選イラン戦&ホーキンソンのハイライトを見る

4月29日の抽選会でファーストラウンドの対戦チームがオーストラリア(同3位)、ドイツ(同11位)、フィンランド(同24位)に決まった日本。FIBAは「日本が最も過酷なプールで戦う」と厳しい戦いになるとしている。

前回大会4位にして東京2020オリンピックで銅メダルのオーストラリア、同じく東京2020大会でベスト8、ユーロバスケット2022で銅メダルを獲得したドイツ、そしてNBAオールスター選手で今季MIP(最も進歩した選手)賞を受賞したラウリ・マルカネン(ジャズ)率いるフィンランド。「控えめに言って簡単なグループではないことは確か。決まった以上、準備するしかない。沖縄で開催されるので、ホームでプレーできるのは本当に楽しみだし、ベストを尽くしたい」という富樫勇樹(千葉J)の言葉も紹介した。



「ベストを尽くしたい」という日本の司令塔、富樫勇樹(千葉J)


そして抽選会前に“サッカー日本代表、野球日本代表に続いて日本の男子バスケ代表が世界を驚かすだろう”と記事にしたとおり、FIBAは地元ファンの前で「ショーを見せる可能性がある」と日本にポジティブな要素があると改めて綴った。

一つの要素がアジアカップ準々決勝でのオーストラリア戦での内容だ。日本は85-99で敗れたのだが、『富永啓生(ネブラスカ大)はこの試合で8本の3Pシュートを沈めて33得点と活躍し、優勝したオーストラリアに対して善戦した。この大会は八村塁(レイカーズ)が欠場。大会に参加した渡邊雄太(ネッツ)もこの試合に欠場していた』と内容は良かったと紹介。

またアジアカップを通してディフェンス、素晴らしいパスを見せていた河村勇輝(横浜BC)は、今季、BリーグでMVP級の活躍を見せてチームを負け組からプレーオフに変貌させたと河村の成長についても触れている。そこに渡邊、八村、そしてNBL(オーストラリア)やGリーグ(アメリカ)で活躍する馬場雄大(レジェンズ)も加わることになれば、おもしろいチームになるということだ。

一方で日本が“ショーを見せる”ためにディフェンス、特にリバウンドが最大の課題になると指摘。「アジアカップのオーストラリア戦(●85-99)では29本-51本、同じく同大会のイラン戦(●76-88)では31本-44本。敗れた試合ではリバウンド争いで劣っていた。しかし、2月23日のアジア地区予選・イラン戦(○96-91)では48本-33本と上回った。その試合ではジョッシュ・ホーキンソン(信州)が11リバウンドを記録している」とリバウンド数で競える状態になる必要があるとしている。

ちなみに、ホーキンソンはワシントン州大時代の2014-15シーズンに334リバウンド、2015-16シーズンに276ディフェンス・リバウンドと大学の歴代1位と高いリバウンド力を持っている。



リバウンドのキーマン、ジョシュ・ホーキンソン(信州)


「このグループで2勝1敗になれば、次のラウンドに進めると思う。そのためにも、早い展開に持ち込むこと。チーム・バスケットボールに集中し、決してあきらめないこと。自分たちのスタイルを信じ、お互いを信じ、日々向上していきたいと思う」と語ったトム・ホーバスヘッドコーチが描くバスケットボールを形にするためには、ディフェンス、リバウンドがカギになるというわけだ。



自信を覗かせるコメントもしたホーバスヘッドコーチ


そして記事の最後では「アジアのチームで勝率1位になり、目標である2024年パリ五輪の出場権を得るためには2~3勝が必要だと思っている」「NBA選手や新たな選手が入ったチームになるが、中心選手のことはすでにわかっている。その点では自信がある」というホーバスヘッドコーチの言葉、「みんなが100%集中して、ピークで迎えられれば勝つこともできる」という渡邊の言葉を紹介している。



文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

タグ: 男子日本代表 FIBAバスケットボールワールドカップ2023

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