月刊バスケットボール10月号

“戻ってきた日常”。熱戦が繰り広げられた「志木カップ」

精鋭、男女各18チームが集結


毎年ゴールデンウィーク恒例のミニバス大会、「志木カップ」が今年も4月29・30日に開催された。

新型コロナウイルスの影響を受け2020年は中止、2021年は時期をずらして年末の開催、昨年は応援に関わる各種制限はありながらも再びゴールデンウィークに日程が戻った志木カップ。37回目を迎えた今回は、必要な感染予防対策をとりながらもようやく通常の形での開催となった。

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関東1都7県および近隣4県から推薦を受けた精鋭、男女各18チームが集結。メインとなる志木市民体育館の他、和光市総合体育館、志木市立志木第4小学校を会場に、初日は3チームずつ6ブロックに分かれての予選リーグ戦、2日目は各ブロックの予選順位ごとによる順位決定リーグ戦を実施。各コートでは熱気あふれる試合の数々が展開された。この志木カップでは3ポイントルールが適用されるなどオリジナルなアレンジもあり、チャンスを見逃さず思い切って放たれる3ポイントや、チームに勢いを呼び込み仲間やベンチを大いに盛り上げる3ポイントなど、“志木カップならでは”の場面が今年も見られた。


メイン会場の志木市民体育館


和光市総合体育館


志木市立志木第4小学校

今大会のメインスポンサーは、バスケットボールファンにはおなじみのSPALDING。そして公式試合球として使用されたのが、SPALDING LEGACY TF-1000だ。TFシリーズは、世界初のバスケットボールを開発した同社の競技用ボールの最高級シリーズとして展開され、ヨーロッパ最高峰リーグ「EuroLeague」をはじめ、世界20か国以上、60のプロバスケットボールリーグで公式球として採用されている。そうした由緒あるボールで試合を行うことも選手たちのモチベーションを大いに上げたことだろう。また、高いクオリティーのボールを使用することは、未来へと続く選手たちの競技力の向上にもつながるに違いない。




初日の試合終了後には、出場全チームが志木市民体育館に集っての記念のセレモニーを開催。スクリーンに次々と集合写真が映し出されながら全チームの紹介が行われたほか、フリースタイルバスケットのパフォーマンスやワークショップも行われ、試合の緊張感から一転、体育館は笑顔と歓声であふれた。





男子は大宮中川バスケットボールクラブ
女子はみどり笠東バスケットボールクラブが総合優勝

大会2日目の午前中には、埼玉ブロンコス#35ミサカボ・カパ・ベニが志木市民体育館に来場するサプライズがあった。今春、白鷗大を卒業し、ブロンコスに加入後間もないベニだが、埼玉県出身とあって、B2昇格をかけた試合を5月1日に控えたこの日も熱心にミニバスプレーヤーたちのプレーを観戦。試合を終えた選手たちにエールを贈るとともに、翌日にチームが大一番を迎えるベニ自身にも大いに刺激になった様子。選手たちの熱烈なコールに応えて、最後は豪快なダンクを決めてコートを後にし、午後のチーム練習へと向かっていった。




今年の志木カップ、大会の結果は下記のとおり。1位リーグ、2つのブロックの優勝チームどうしが顔を合わせる総合優勝決定戦は、それまでのコート2面から、大会スタッフ総出による鮮やかな“舞台替え”で表れたメインコートで行われたが、大会のフィナーレを飾る試合で、選手やスタッフ、保護者をはじめとしたサポーターを最大限に盛り上げるこうした演出も志木カップならではのものだ。






男子総合優勝を飾った大宮中川バスケットボールクラブ(埼玉南部)


女子総合優勝を飾ったみどり笠東バスケットボールクラブ(群馬県)


ベスト5賞<男子>
大宮中川バスケットボールクラブ(埼玉南部) ♯7中村優斗
大宮中川バスケットボールクラブ(埼玉南部) ♯6江村佳悟
BOMBERS(新潟県) ♯4石山誠修
宗岡ミニバスケットボールスポーツ少年団(志木市) ♯4中村桃李
塩山ミニバスケットボールスポーツ少年団(山梨県) ♯4永山倖

ベスト5賞<女子>
みどり笠東バスケットボールクラブ(群馬県) ♯7進藤莉乃羽
みどり笠東バスケットボールクラブ(群馬県) ♯4川嶋こころ
志木バーズ女子ミニバスケットボールスポーツ少年団(志木市) ♯4大高瑠愛
桶川北ミニバスケットボールスポーツ少年団(埼玉北部) ♯4大澤愛莉
大久保東ミニバスケットボールスポーツ少年団(埼玉南部) ♯5小澤璃子

ベストコーチ賞<男子>
大宮中川バスケットボールクラブ(埼玉南部) 加瀬大介

ベストコーチ賞<女子>
みどり笠東バスケットボールクラブ(群馬県) 川嶋悟朗


新年度の活動が始まって間もないこの時期、今大会が県外チームとの初めての対戦というチームも多かったはず。日頃の練習の成果を試すことはもとより、この志木カップで出会った新たな仲間の存在が互いに刺激となり、今後の成長を促してくれることだろう。中学、高校、さらにその先へと進んでいった時、「志木カップ卒業生」どうしが、ライバルとして、あるいはチームメイトとして同じコートに立つこともあるに違いない。今年も、その光景が今からとても楽しみな志木カップとなった。

取材/村山純一(月刊バスケットボール編集部)
撮影/青山義幸、月刊バスケットボール編集部

スポルディング・ジャパン
https://www.spalding.co.jp/


☆男女総合優勝決定戦を中心とした大会の模様は5月25日(木)発売の月刊バスケットボール7月号でレポート!

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