心を尽くしてファンに感謝の気持ちを伝えたWリーグオールスター
選手たち自らさまざまな仕込みでファンを楽しませた
4月29日、30日と2日間にわたり、有明アリーナにて京王観光 presents Wリーグオールスター2022-2023が開催された。毎回さまざまな志向を凝らしたイベントが盛りだくさんのオールスター。DAY1はルーキー選手たちによるフレッシュオールスター、さらに日韓対抗Day として、韓国女子バスケットボールリーグのWKBLから若手のオールスターチームRISING STARSが参戦。スキルズチャレンジ、3Pシュートコンテスト、そしてDAY1のメインイベントとして日韓オールスターゲームが行われた。
日韓オールスターゲームでは、序盤韓国代表にも名を連ねるパク チヒョン(ウリ銀行)が3Pシュートを連発し、WKBL RISING STARSがリードを広げる。Wリーグオールスター参加選手の選抜チームをW LEAGUE ALLSTAR UNITEDは、山本麻衣(トヨタ自動車)が3Pシュートで反撃すると、徐々に点差を詰め始める。後半に入り逆転すると、そこからはWリーグ選抜が優位に試合を進めると、最後はお互いのプライドがぶつかり合う、オールスター戦とは思えないほど白熱。最後は逃げ切る形でWリーグ選抜が89-84と勝利した。MVPに選出された東藤なな子(トヨタ紡織)は「最初は体がおもかったのですが、後半はディフェンスから足を動かしていこう」と気合を入れ直して、逆転勝利に貢献。MIPに選出されたパク チヒョンは「若手選手が多いチームなので、とてもいい経験をすることができました。温かく迎えてくれた日本のファン、Wリーグの方々に感謝したい」と感想を話した。
続くDAY2はALL BASKETBALL ACTION Supported by 日本生命グループとして東京2020パラリンピックで銀メダルを獲得した車いすバスケットボール男子日本代表選手によるスペシャルチーム、当時のキャプテン豊島英氏率いる「Team 豊島」と、やはり東京2020オリンピックで銀メダルを獲得した女子日本代表のキャプテン高田真希(デンソー)率いる「Team 高田」が対戦した。前半はハーフコートの3x3、後半はTeam 高田が5人、Team 豊島3人でオールコートで対戦。Team 豊島がTeam 高田を翻弄しながら19対8で圧勝。車いすバスケットの魅力、すごさを表現した。豊島英氏は「銀メダリストの女子選手たちは不慣れな車いすバスケに前向きに挑戦してくれました。オールコートでのプレーで、より車いすバスケのスピード感などが伝わったのでは」と振り返った。
スキルズチャレンジ、3Pシュートコンテストはそれぞれ宮崎早織、林咲希のENEOS勢が優勝。和気あいあいとした雰囲気の中で、ハイレベルなパフォーマンスを披露した。
そして、いよいよオールスターゲーム。渡嘉敷来夢(ENEOS)がキャプテンを務めるTeam SUNRISEと山本麻衣がキャプテンを務めるTeam STARLIGHTの対戦は、選手たち自らさまざまな仕込みでファンサービスを盛り込み会場を湧かせる。後半に入ると一転本気モードで試合もヒートアップ。74-64とTeam STARLIGHTがリードして迎えた最終クォーター。Team SUNRISEが上長美菜(アイシン)、平下愛佳(トヨタ自動車)の連続3Pシュートなどで追い上げると白崎みなみ(姫路)のシュートで74-74と同点。その後は点の取り合いとなり、終盤までもつれ込む接戦。最後は「楽しみながら、勝ちます」と宣言していた渡嘉敷来夢がリバウンドシュートを決めて88-87とTeam SUNRISEが勝利を手にした。MVPには両チーム最多の17得点と共に、会場を大いに盛り上げたTeam SUNRISE高田真希が、MIPには3Pシュート3本を含む15得点を記録したTeam STARLIGHTの林咲希が選出された。
文・飯田康二/写真・W.LEAGUE