[Wリーグ ファイナル]トヨタ自動車がENEOSの反撃をしのぎ切り3連覇へ王手
トヨタ自動車が3連覇に王手をかけた
4月15日、Wリーグファイナル第1戦が武蔵の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)にて行われた。4月1日からスタートしたWリーグプレーオフはセミクォーターファイナル、クォーターファイナルは一戦勝負。セミファイナルからは2先勝方式にて行われ、勝ち上がるごとにシードが待ち受けるステップラダー方式のトーナメント。セミファイナルをともに2連勝で勝ち上がったのがWリーグ連覇中のトヨタ自動車と今シーズンの皇后杯チャンピオンENEOS。両者は今シーズンの開幕カード(2022年10月19日、20日)で対戦し、1勝1敗のタイ。皇后杯では準決勝で対戦し、77-57でENEOSが勝利している。この対戦ではENEOSの渡嘉敷来夢が32得点、17リバウンド、3ブロックの圧巻のパフォーマンス。これにはトヨタ自動車の大神雄子HCも「渡嘉敷選手に支配されてしまった」と話したほど。Wリーグファイナルでは、トヨタ自動車の渡嘉敷対策がどう出るかが注目のポイントの一つとなる。
第1試合はトヨタ自動車のディフェンスが効果を発揮。前半、渡嘉敷を6得点に抑えるなどENEOSを17得点に抑えると、攻めては馬瓜ステファニーが躍動、バスケットカウントを何度も奪い、外からは山本麻衣が効果的に加点。それぞれ前半だけで14得点、11得点を挙げる活躍で、38-17と21点のリードを奪い後半を迎えた。
後半に入ると一転、ENEOSディフェンスがトヨタ自動車の足を鈍らせる。攻めては星杏璃、高田静らが3Pシュートを決め、インサイドでは渡嘉敷が存在感を発揮。4Q残り4分10秒には林咲希のドライブに渡嘉敷が合わせてシュートを決めると47-53と6点差まで詰め寄った。しかし、そこからお互いにディフェンスを粘り合い、ENEOSは得点を決められない。最後はトヨタ自動車の川井麻衣がドライブでダメ押し。55-47で第1戦の勝ち星を挙げた。
ENEOSの佐久本智HCは「出だしで相手のプレッシャーディフェンスに対して、受けてしまった。後半は気持ちを切り換えてできたのですが、前半の差が響いてしまった」と試合後にコメント。最終的に17得点を挙げた渡嘉敷は「もっともっと自分が起点になって攻めることができたと思います。明日は気持ちを切り替えて、まずは全員でディフェンスから集中していきたい」と第2戦への覚悟を見せた。
勝利したトヨタ自動車の大神雄子HCは「我慢できるチームになった」と話し、追い上げられる中で、ディフェンス、リバウンドでしっかりと粘れたことを評価。また、渡嘉敷へのディフェンスを「チームとしてディフェンスできた」とセミファイナルからの1週間で対策を講じたこと明かした。
その大神HCも、馬瓜も山本も「明日勝たなければ意味がない」と気持ちを引き締める。「ENEOSさんは、今日以上の気持ちで臨んでくるのは間違いない。私たちもそれ以上で戦えるように」と馬瓜。
明日、ファイナル第2戦、「勝ちたい」気持ちが上回るのはENEOSか、トヨタ自動車か。
写真/山岡邦彦 文/飯田康二(月刊バスケットボール)