[Wリーグプレーオフ]勝利への執着心を見せたENEOSがデンソーを下しファイナルへ
勝利に飢えているという渡嘉敷(右端)がENEOSをファイナルに導いた
Wリーグプレーオフセミファイナル、デンソー対ENEOSの対戦。クォーターファイナルから勝ち上がったENEOS(レギュラーシーズン4位)がレギュラーシーズン1位のデンソーに挑む形となったが、レギュラーシーズンの対戦ではENEOSが2勝0敗、皇后杯の決勝でも勝利と直接対決ではENEOSが優位に立つ。
初戦は先行するENEOSが4Qに失速。デンソーが接戦に持ち込んだが、最後までディフェンスで粘り切ったENEOSが71-67で逃げ切りを見せた。
2戦目は、1戦目からアジャストしてきたデンソーが先手を取り1Qを20-13と負けられない戦いで意地を見せる。しかし、2Q中盤から徐々に追い上げたENEOSは、渡嘉敷来夢がリバウンドからのバスケットカウントで28-26と逆転。ベンチから出てきた中田珠未、藤本愛瑚らもいいつなぎを見せ32-30とリードを奪ったまま後半に突入。
ENEOSは長岡萌映子、林咲希が連続して3Pシュートを決め、一気に流れをつかみにいくが、デンソーも高田真希のインサイド、本川紗奈生の3Pシュートと、ベテラン勢がチームを支え、ENEOSに食らい付いていく。4Qには51-51と再び同点に持ちこむ。その後もENEOSが得点すれば、デンソーも決め返す展開となったが、終盤、ENEOSの星杏璃、宮崎早織のガード陣が連続してドライブを決め61-56と5点差に。粘るデンソーも赤穂ひまわりが3Pシュートを決めてワンゴール差まで迫るものの、残り一分余りを守り抜いたENEOSが61-59と接戦を勝ち抜いた。
デンソーのキャプテン赤穂ひまわりは「オフェンスリバウンドを取られないようにと対策してきたのですが、数は私たちの方が多いかもしれませんが、いいところでセカンドチャンスで決められてしまいました。また、速攻を抑えようと練習してきましたが、速攻を出されてしまった」とあと一歩及ばなかったと試合を振り返る。高田は「出だしから気持ちを出して戦うことができました。結果がすべてなのは分かっていますが、最後まで戦う姿勢を見せることはできたと思います」と試合後にコメント。
終盤で勝敗を左右するドライブを決めた星は「ミーティングでガード陣がもっと攻めるようにと言われていたので、思い切りいこう」と、試合に臨んだ心境を語る。渡嘉敷が12点、長岡が7点と、相手ディフェンスがインサイド陣へのディフェンスをフォーカスしてきた中で、宮崎13点、星が11点とアウトサイドから援護射撃。渡嘉敷は「選手一人一人が自分の役割を分かっていて、それを果たしてくれる」とほっとした表情を見せた。
再び戻ってきたファイナル。「やっとスタートラインに立てたという思い」と渡嘉敷。「みんながそれぞれ役割を果たしてくれれば、負ける気はしない」という自信とともに、「勝ちたちという気持ちが強いほうが勝つ」と決意を表した。
写真/W.LEAGUE 文/飯田康二(月刊バスケットボール)