月刊バスケットボール6月号

[全国ミニバス]草津OSC、天国で見守る岡上Aコーチとつかみ取った夢の大舞台

滋賀県予選は「天国から力を貸してくれた」


「夢をつかめ!」を合い言葉に、攻撃的な高速バスケットを貫く草津OSC(滋賀)。老上志津クラブを前身とし、元Bリーガーの横江豊(元滋賀ほか)らを輩出してきた県大会上位の常連チームだ。今年度は6年生が3人と少なかったが、見事5年ぶり3回目の全国大会出場を果たした。
 


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 3月30日、草津OSCは初戦で徳島のRIZINGS阿波と対戦し、64-52でうれしい勝利。そのベンチに置かれていたのが、岡上和雄Aコーチの遺影だ。
 
 
 クラブを創設した清水健宏Aコーチとともに、前身の老上志津クラブ時代から約25年間、指導に当たってきた岡上Aコーチ。だが昨年7月、クモ膜下出血により58歳の若さで亡くなった。突然の訃報に清水Aコーチは「突然のことで信じられませんでしたし、非常にショックで…。子どもたちも皆泣いていました」と明かす。なお、メインで指揮を執る成瀬宙元コーチも卒団生で、清水Aコーチや岡上Aコーチの教え子だという。


 悲しみに暮れる中で8月、卒団生や現役選手、保護者の有志で執り行われた「お別れの会」には120名を超える人々が集まり、故人を偲んだ。そして現役選手たちは、県大会優勝と全国大会出場を天国の岡上Aコーチに約束。8月以降は、ベンチに遺影を飾って戦ってきた。


 そして迎えた全国予選は、まさに死闘に次ぐ死闘。準々決勝を5点差、準決勝を1点差、決勝を1点差と、緊迫したクロスゲームを次々に制して、見事に全国への切符をつかんだのだ。特に準決勝は残り1.2秒まで負けている展開だったが、「#4樹山友海から#5井上裕斗へふわりと大きなパスが通って、タップシュートでのブザービーターでした。本当にドンピシャなタイミングで、選手たちもよく頑張ってくれましたし、きっと岡上コーチも天国から力を貸してくれたのだと思います」と清水Aコーチは語る。


 亡き岡上コーチとともに、まさにスローガン「夢をつかめ!」の精神で大舞台への切符をつかみ取った草津OSC#5井上は初戦後に「初めての舞台で緊張しましたが、試合の中でだんだん慣れていきました。最初は自分の力が通用するか分からず不安でしたが、大事にしてきた基本のプレーなどは全国でも通用したと思います。残りの試合も楽しみながら戦いたいです」と語っていた。この日の2試合目、宮城のおきのスポーツ少年団には45-68で敗れたものの、まだ明日2試合が残っている(抽選により計4試合を実施)。夢の舞台で、最後まで全力を尽くしたいところだ。




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取材・文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

タグ: 全国ミニバス2023

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