月刊バスケットボール5月号

[全国ミニバス]メンバー中、5人が2年生の横浜フェニックスクラブが念願の1勝!

#4亀岡夏実が絶対的エースの力を発揮!


3月28日に開幕した「第54回マクドナルド全国ミニバスケットボール大会」。大会1日目と2日目には女子、3日目と4日目には男子の試合が行われ、出場チームは2日間で3試合(一部のチームは抽選の結果、4試合)を戦うスケジュールとなっている。

【写真33点】横浜フェニックスミニバス×大垣ミニバスフォトギャラリーをチェック

 【第54回全国ミニバス全試合配信「バスケットLIVE」】

高知県代表として4年ぶり2回目の出場となった横浜フェニックスクラブ。初日は青森県代表の造道クラブに40‐51、滋賀県代表の草津クラブ燕に55‐66とあと一歩及ばず2敗。そして今日は、今大会のチームの目標であった「何が何でも全国1勝!」を懸けて、岐阜県代表の大垣少年団との今大会最終戦に臨んだ。

試合は両チームが攻防で持てる力をぶつけ合い一進一退の展開に。横浜フェニックスクラブは必死に食らい付いてゆくが、大垣少年団が先行する形で、前半は21‐29と8点のビハインドで終了した。

だが後半に入ると、エース#4亀岡夏実、170㎝の長身を生かしゴール下で強さを見せる#5花岡凛花ら6年生の活躍により横浜フェニックスクラブがジワリとその差を詰め、ついには33‐33と同点に追い付いて最終4Qへと突入。その後、34‐37と再びリードを許すものの、残り時間2分ほどの場面から#4亀岡が3本連続となるシュートを決め、粘る大垣少年団を40‐39で振り切ってみごと念願の勝利を挙げた。


果敢にドライブで切り込む#4亀岡



高さを生かしたプレーを存分に見せた♯5花岡

 
 この勝利には、数字にこそ表れないが、♯14久本ののかをはじめとする2年生プレーヤーたちのディフェンスの頑張りも大きく貢献しているに違いない。石塚栄一コーチが「最強の2年生」と称賛する#14久本は身長124㎝の文字どおり“ちびっ子”。だが、ボールの行方や周りのプレーヤーの動きに常に目を配りながら、すばしっこい動きを駆使したしつこいディフェンスで相手を大いに手こずらせた。



勇気いっぱいのプレーでディフェンスした#14久本


一昨年の2月には、実は部員が7名まで減少して新人戦にエントリーすることもできなかったという横浜フェニックスクラブ。だが、部員や保護者が近隣の保育園にチラシを配布したところ,4月には10名程のかわいい1年生が入部し、「練習が保育園状態に(笑)」(石塚コーチ)。しかし、上級生を中心に頑張り、臨んだ冬季大会では全国出場こそ逃したものの、四国大会への出場権をみごと獲得。ところが、その四国大会は新型コロナウイルスの影響により中止に。「今年こそは!」と臨んだ昨年のリーグ戦ではコロナによる棄権や主力選手の大ケガもありシード権を獲得できなかったが、最後の冬季大会では3つのシードチームを破る快進撃で、みごと今回の全国大会の切符を手に入れた。

全ての試合を終え、石塚コーチは「昨日も後半はいいゲーム、最後まで追いかけるゲームができたので、今日も最後まで諦めずに行けば絶対勝てると思っていました。小さい子たち(2年生)も、始めの頃は大会に出ても何もできず、ただコートに立っているだけのようだったのが、今日はしっかりディフェンスできるまでに成長しました」と振り返り、「苦しい時期を乗り越えて勝ち取った全国大会、そして1勝は本当にうれしかったです」と感慨深げに語った。

チームを勝利に導く連続シュートを決めた♯4亀岡は、「それまでは何本もレイアップを落としていたけれど、“これが最後の試合”だと思って決めることができました。みんなと楽しくバスケができてよかったです」と、エースとしての役割を全うしたことにホッとした様子。最後まで力強いプレーを見せた♯5花岡は、「絶対にゴール下を守り切るという思いで戦いました。中学に行ったらもっと強く、完璧に守れるようになりたい」と志も新たに。そして、小さい体をフル回転させて先輩たちとともにコートを駆けた♯14久本は、「ディフェンスはいきなり(ボールが)きて難しかったけれど頑張れてよかったです。これからまたたくさん練習をして、6年生になったらいっぱい試合に出たい」と力強く宣言。

今回、6年生4人、5年生3人、4年生2人、3年生1人、そして何と2年生は5人というメンバー構成で大会に臨んだ横浜フェニックスクラブ。6年生が卒業後は下級生が多くを占めることになりそうだが、今回、各学年が全国の大舞台に立った経験も糧に、「最低でも四国大会には毎年出られるようなチーム作りをし、その中でチャンスがあれば、やはり全国大会を目指したいと思っています」と石塚コーチは抱負を語った。

学年の枠を超えた仲の良さは、チームの流行だという“横フェニ・オリジナルグッズ作り”などにも表れている。間もなく中学校へと進む6年生、そして、その後を継ぐ後輩たちの成長が楽しみだ。


缶バッジやタオルなど楽しい“横フェニ・オリジナルグッズ”。写真右は石塚コーチ、左は花岡純子マネージャー

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取材・文/村山純一(月刊バスケットボール)

写真/JBA

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