月刊バスケットボール6月号

[全国ミニバス]母に続いて30年ぶり全国出場! 大曲ファイヤーウインズ#4佐藤詩和

#4佐藤詩和と母・愛子さん(写真/山岡邦彦)

母に続いて30年ぶり全国出場!



3月28日、いよいよ開幕した「第54回マクドナルド全国ミニバスケットボール大会」。大会1日目と2日目には女子、3日目と4日目には男子の試合が行われ、出場チームは2日間で3試合(一部のチームは抽選の結果、4試合)を戦うスケジュールとなっている。


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女子の秋田県代表として、30年ぶり3回目の全国出場を果たしたのが大曲ファイヤーウインズだ。部員は全員、大曲小の子どもたち。10人いる6年生を中心に、オールコートで激しくプレッシャーを仕掛ける執拗なディフェンスを磨いてきた。大会1日目の今日は垣生クラブ(愛媛)、桜丘ドリームゲッターズ(鹿児島)と対戦し、白星は挙げられなかったものの、最後まで諦めない姿勢を貫いて接戦に持ち込む健闘を見せた。

 

 そんな同チームの中で、人一倍に大きな声を出して仲間をまとめていたのがキャプテンの#4佐藤詩和(ことな)だ。1対1のディフェンスはチームNo.1で、スピードに乗ったオフェンスも持ち味。目指すバスケットスタイルを誰より体現する存在として、髙橋保久コーチも「うちのチームの要です。ディフェンスにしても走ることにしても、頑張ることを苦とせず頼もしい」と信頼を置いている。

 

 その#4佐藤の母・愛子さんは、現在アシスタントコーチを務めているチームのOG30年前の全国大会出場時には、大曲小の6年生でコートに立ったという。愛子さんいわく「今のチームも、かつて私が小学生の頃と同じようなスタイルで、体格の良さを生かしてガッツで勝負するようなチームです。秋田県大会で優勝したときには、『こんなことがあっていいのだろうか』と思うほどにうれしくて感動しました。自分が小学生の頃は緊張で何が何だか分からないまま大会が終わってしまったので、今回はみんなを見守りながら出場を噛み締めたいと思い、やって参りました」。娘の#4詩和も「ガッツあるプレーで、みんなで一生懸命、最後まで諦めない戦いができたので全国に出られました」と、親子2代にわたっての全国出場という偉業に胸を張る。

 

 挑戦者の気持ちで挑んだ全国の大舞台では2連敗の悔しさを味わい、#4佐藤詩和を含めて悔し涙を流す選手も少なくなかった。髙橋コーチは「全国大会とあって、まだまだ自分たちに足りないものが見えました。ただ、みんながこうして悔しい思いをした、ということも全国大会に来たことで得られた収穫であり、これから中学校でさらに頑張ろうという活力になるのではと思います」と語る。明日、大会2日目には全国大会のラストゲームとして京都のザ・イーグルスクラブと対戦予定。「明日の試合も、強豪相手に自分たちのディフェンスがどこまでできるか、子どもたちに体験してもらいたいです」と話していた。

 

【第54回全国ミニバス全試合配信「バスケットLIVE」】


『全国ミニバス2023』特設ページ(スコア速報・日程・出場校&選手名鑑・トーナメント表)



取材・文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

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