天皇杯、決勝は千葉ジェッツと琉球ゴールデンキングス – 3.12有明コロシアム決戦は昨年の準決勝のリマッチに
第98回天皇杯全日本バスケットボール選手権は2月15日に準決勝2試合が行われ、ブレックスアリーナ宇都宮での宇都宮ブレックス対千葉ジェッツはアウェイの千葉ジェッツが、沖縄アリーナでの琉球ゴールデンキングス対横浜ビー・コルセアーズはホームの琉球が勝利した。この結果3月12日(日)に有明コロシアムで行われる決勝は、千葉J対琉球の対戦に決まった。両チームの対戦は昨年の大会における準決勝のリマッチ。そのときは千葉Jが87-92で勝利している。
重たい展開から千葉Jが主導権を握り快勝
宇都宮ブレックス65-77千葉ジェッツ
宇都宮 65(07 16 27 15)
千葉J 77(15 28 21 13)
公式ボックススコア

富樫勇樹はチームトップの17得点を挙げ勝利に貢献した(写真/©JBA)
序盤は千葉Jが開始から5分間の10-2のランでリードを奪う展開となったが、第1Qは両チームともフィールドゴール成功率が30%に満たない(宇都宮18.8%、千葉J26.3%)重苦しい流れとなった。しかし第2Qは、クリストファー・スミスが11得点とヒートアップした千葉Jが勢いづき、ハーフタイムまでにリードを43-23の20点差まで広げる。
後半は宇都宮がディフェンスを立て直し、千葉Jのオフェンスを34得点にとどめ反撃に転じた。ただ、チーム全体として試合を通じて3Pショットを思うように打たせてもらえず、アテンプト20本で成功6本と低調に終わったことが、最終的に勝負を分ける一つのポイントとなった。比江島 慎とアイザック・フォトゥが20得点ずつを挙げたが、決めるべきフリースロー1本、是が非でも獲りたいリバウンド1本も宇都宮側にはこなかった。

ゴールに向かう比江島 慎。左のアイザック・フォトゥと並ぶゲームハイの20得点を挙げたが勝利ならず(写真/©JBA)
千葉Jは昨年に続く2年連続決勝進出。3月12日の決勝戦では、第94回大会(2019年1月)以来4度目の王座を目指す。
琉球チーム力の勝利、河村勇輝の45得点を跳ね返す
琉球ゴールデンキングス96-91横浜ビー・コルセアーズ
琉球 96(29 27 18 22)
横浜BC 91(18 26 23 24)
公式ボックススコア

3Pショット6本中4本を沈め21得点の今村佳太。この試合で何人もいたヒーローの一人だ(写真/©JBA)
沖縄アリーナの最多来場者数記録を塗り替える8,503人の大観衆を迎えたこの試合は、ホームの琉球が今村佳太、牧 隼利、岸本隆一、松脇圭志らバックコート陣の3Pショットと、ジャック・クーリーを中心とした力強いリバウンドでほとんどの時間帯をリードする展開となった。横浜BCは、ビッグマンのチャールズ・ジャクソンが開始約3分で2つ目のファウルを犯しベンチに下がったことも影響し、琉球に持ち味を発揮する隙を与えてしまった形だ。
それでも横浜BCは、3Pショット9本を沈め45得点を奪った河村勇輝を軸とした攻守の粘り強いプレーで対抗。前半終了時点の2桁ビハインド(56-44)から、第4Q残り5分13秒に一度は79-78の1点差まで詰め寄る。ただ、タフショットを次々沈めた河村の爆発的なパフォーマンスにも、琉球はチームの強みを見失わず、オフェンスで集中力を保ち押し切った。
河村勇輝の45得点は琉球のディフェンダーが弱かったから生まれた数字ではない。厳しいマークを受けながらタフショットを決めきるパフォーマンスは、大観衆の度肝を抜くものだった(写真/©JBA)
琉球はクラブ史上初の天皇杯決勝進出。2016年にbjリーグ最終シーズンを制して以来の日本一の座をかけ、そのときと同じ有明コロシアムでの決戦に臨む。
文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)