月刊バスケットボール5月号

FIBA

2023.02.13

ニライ・アイドアン(3x3トルコ代表)、トルコ南部の大地震で帰らぬ人に - 懸命な救出活動実らず

3x3のトルコ代表選手が地震の被害者に


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6日にトルコ共和国南部で発生した大地震とそれに続く余震で、倒壊した建物の下敷きになったことが報じられていた3x3女子トルコ代表プレーヤーのニライ・アイドアン(Nilay AYDOĞAN)が、その後の救出作業も実らず帰らぬ人となったことが212日に明らかになった。


【SNS】元NBAプレーヤーでトルコ連盟会長ターコルーが綴った悲しみのツイート

この地震ではトルコとシリア両国を合わせて30,000人以上の死者が報告され、倒壊した建物のがれきの下に現在も多くの人々が取り残されているとみられている。アイドアンは国内リーグのバイウイークのタイミングで祖母と過ごすために震源に近いマラティヤを訪れ、犠牲者の一人となってしまった。

アイドアンに関しては、先に祖母が同じ建物で犠牲となったことが伝えられていたが、アイドアン自身も助からなかった。199256日生まれの31歳。早すぎる別れにチームメイトや近親者が悲しみの声を挙げている。

トルコバスケットボール連盟(TBF)やトルコ国内での所属クラブであるチャンカヤ・ウニバーシティシ(Çankaya Universitesi Ankara)なども悲報を伝えた。元NBAプレーヤーでTBF会長のヒド・ターコルー(Hidayet Türkoğlu)も、「私たちは、地震による壊滅的な被害によりマラティヤでがれきの下敷きとなっていたナショナル・プレーヤーのニライ・アイドアンを失ったとの知らせを受け取りました。尊いアスリートのために、ご遺族と関係者にアラーのご慈悲を願い、心からのお悔やみを申し上げます(Deprem felaketinin ardından Malatya'da enkaz altında kalan milli basketbolcumuz Nilay Aydoğan'ın maalesef vefat haberini aldık. Kıymetli sporcumuza Allah'tan rahmet, ailesine ve camiamıza başsağlığı dilerim.)」とツイッターで追悼メッセージを投稿している。

現場でがれきの下敷きとなった人々の中には生存者がいる可能性が報じられていたことから、ソーシャルメディアを通じて人的・物的支援を求める呼びかけも広がり、懸命な救出作業が続けられていた。大声で叫びたくても声が枯れて届かず、「喉が二つあったらいいのに…」と絶望的に話す作業者の声も伝えられている。

トルコでは甚大な地震の被害により、青年スポーツ相が国内でのスポーツイベントを当面休止する旨をツイッターで発表するという状況だ。一方で女子バスケットボールの代表チームは、地震発生後にFIBAユーロバスケット2023予選最終Windowのアウェイゲーム2試合を戦っている。結果としては、2月9日にポーランドに72-76で敗れ、12日がアルバニアに対する98-48の勝利となった。

国民の間には、国家的危機に直面している中で国際試合に代表を送り込んだTBFの姿勢を疑問視する声もある。ただし逆に、トルコ代表がグループDの首位で今年6月にスロベニアとイスラエルで開催される本戦への出場権を手にしてたことで、前向きな思いや希望を見出している人もいるようだ。なお、FIBAはトルコの大地震が国際試合の日程に影響しないことを最終Window前に声明で明らかにしていた。

文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: トルコ代表

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