女子バスケ4世代対抗戦は最年長オーバー26が優勝。渡嘉敷来夢がMVP
2月12日(土)、国立代々木第二体育館(東京都渋谷区)にて、女子バスケ4世代対抗戦、WリーグSUPERGAMESの3位決定戦、決勝戦が開催された。
前日の結果により、3位決定戦は女子U22日本代表対女子U19日本代表、決定戦はWリーグ26歳以上選抜(O26)対25歳以下選抜(U25)の顔合わせとなった。
アンダーカテゴリー日本代表同士の戦いは、「上の世代とできるのは貴重な機会。できるだけの準備をして、何か得られるゲームにしたいですね。もちろん、勝利を目指します」とU19日本代表の藪内夏美HCヘッドコーチが前日に語っていた。このチームは昨年U18アジア選手権を戦い、ワールドカップへの出場権を得たチーム。それだけに司令塔の横山智那美も「アジア選手権の時より、チームの連携、コミュニケーションも良くなってきています」とチームとしての完成度は高まっている。そうした利点を生かしたU19日本代表は、ディフェンスからU22代表のペースを崩すと、その後も着々と攻略し続け76-66でアップセットを演じた。
これからチームを作っていく段階のU22は、個々の能力は高いものの、連携ミスなどのターンオーバーも多く見られた。特に前半は頼みの綱の3Pシュートが決まらず(16本中2本成功)、U19を流れに乗せてしまった。柏倉秀徳ヘッドコーチは「まずはペイントアタックから、ドライブ、ポストシールといったところを狙うのが原則でしたが、3Pシュートも自分のタイミングならば打っていいと指示していました。ただ、入らなかったときのリバウンドや、そこからのディフェンスのピックアップが遅れて相手に速攻を出されてしまうことが多かったので、そうしたところは今後の修正点です」と課題を挙げた。
会心の勝利をものにしたU19の薮内夏美ヘッドコーチは「相手の特徴は分かっていたので、それに対しての対策はしてきました。ディフェンスではフルコートでプレッシャーをかけ続けることや、ピックプレーに対しての守り方、ポストにボールが入ったときのトラップなどです。また、相手のディフェンスプレッシャーが強いので、オフェンスでは味方を信じてボールを離せるか、パスを回していくことでクローズアウトのシーンを作って、チャンスにつなげたいといったことがゲームの狙いでしたので、今日はそうしたゲームプランを理解し、よく遂行してくれたと思います。現段階では90点くらいの出来だったと思います」と選手たちのプレーに合格点を与えた。
バックアップのポイントガードとして13得点の活躍を見せた都野七海は「江村(優有)選手や朝比奈(あずさ)選手などすごい選手ばかりなので、挑戦しようという意識でしたが、昨日よりは歳の差もなく、自分たちのやることをしっかりとやれば勝てる可能性が見えてくると思っていました。ガードとして、周りを生かすことや、自分で点を取ることを意識してプレーしました。チームとしてはトランジションの中で、ボールを止めずに、全員でプレーすることができたのが勝ちにつながったと思います」と試合を振り返った。
Wリーグ勢による世代間対決となった決勝は、和気あいあいとした雰囲気の中にも、ともに「負けられない」といったプライドがぶつかり合う戦いとなった。
前日のU19日本代表との対戦では、後半に一時逆転を許す局面もあったWリーグO26だったが、「(即席チームということもあり)かみ合っていないところはありましたが、経験は豊富なので修正して明日に臨みたいです。26以上でも頑張れるんだぞというところを見せたい」と高田真希(デンソー)が語っていたように、この日のO26チームは、渡邉亜弥(三菱電機)から渡嘉敷来夢(ENEOS)、渡嘉敷から渡邉といった合わせや、アウトサイドからインサイド、そこからアウトサイドの3Pシュートを演出するなど連携プレーが随所に見られた。
一方のWリーグU25は山本麻衣(トヨタ自動車)が3Pシュート5本を含む19得点を挙げるなど圧巻のパフォーマンスで場内を沸かすも、先行するO26を捕えきれない。結局、選手それぞれが持ち味を発揮したO26が82-76で面目を保って見せた。
「こうして世代別に集まってチームとなって戦うのは初めてのことなので楽しかったです。そ昨日リツさん(高田真希)が言っていたようにもオーバー26でもできるんだということを見せられたと思います」と町田瑠唯。
「若い選手たちと一緒にバスケットいい経験となりました。私は31歳ですけど、まだまだ若い選手たちには負けていられないと感じました」とこの試合14得点で勝利に導き、大会MVPに選ばれた渡嘉敷来夢が大会を締めくくった。
[MVP]
渡嘉敷来夢(WリーグO26)
[ベストプレーヤー]
都野七海(U19日本代表)
林 真帆(U22日本代表)
山本麻衣(WリーグU25)
高田真希(WリーグO26)
写真/Wリーグ 文/飯田康二