月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2023.02.12

アルティーリ千葉で存在感を強める大崎裕太

12日の試合での大崎裕太©B.LEAGUE

アルティーリ千葉に昨オフ新たに加わったポイントガードの大崎裕太が、212日に千葉ポートアリーナで行われたアースフレンズ東京Zとの一戦で存在感を強くアピールする活躍を見せた。接戦で迎えた第4Qに成功させたクラッチスリー2本を含むシーズンハイの10得点(フィールドゴール4/53Pショット2/2)に3リバウンド、 3アシスト。80-70の勝利で5連勝を飾ったアルティーリ千葉は、通算成績を309敗(勝率.769)として現在B2東地区首位に座している。


B1の信州ブレイブウォリアーズから移籍してきた今シーズン序盤は、なかなか力を出せない時期が続いた。しかし、自身がエントリーしているBリーグのバレンタインプロジェクト「B.LEAGUEモテ男 No.1決定戦」の投票受付最終日でもあったこの日、大崎の仕事は勝利に直結していた。

今節から声出し解禁となった会場には2,550人の観衆が来場。試合開始早々の大塚裕土のキャリア4,000得点達成や、第3Q終盤までほとんどの時間帯をリードしたアースフレンズ東京Zの健闘、そしてホームチームの勝利に場内は沸いていたが、大崎の勝利への執念も多くの人の心に届いたはずだ。試合後、大崎に心境を聞いてみた。


――今日のパフォーマンスはいかがでしたか?

普段あまり得点を獲る選手ではないので、ディフェンスで貢献することを強く意識して臨みました。3Pショットは他のメンバーがアタックすることで僕がノーマークになったところにパスをくれたので、ここは思い切って打っていいところと判断して打ったら、今日は入ってくれました。それが2本入ってくれたので良かったです。

――今シーズンは12月あたりから出場機会が増え、徐々に数字もついてきている印象ですが、ご自分ではどんな感覚ですか?

最初の頃よりも手応えがありますし、なかなかできなかったペイントアタックも、練習でトライ&エラーを重ねながらやっているうちに、少しずつ自分としての感覚をつかんできています。特に最近は自信をもって、自分が打てると思ったら打とう、攻められると思ったら攻めようと心がけています。それが少しずつ得点やいいオフェンスにつながっているので、続けていきたいですね。

――アルティーリ千葉はポイントガードの層が厚く、それぞれ持ち味が違い競争が激しいと思いますが、ガード同士の切磋琢磨はどんなものですか?

皆負けたくないと思って練習からやっていると思いますが、個性があってそれぞれいいところが違うので、それをコートで出せると一番いいかなと思っています。杉さん(杉本 慶)が大事な場面でレイアップを決めたりいいアシストしたり、ディフェンスでもいいところでスティールをしています。杉さんの終盤のコントロールは見習わなければいけないし、練習ではマッチアップすることも多いので負けないように、良いところは真似しようとしています。それに加えて自分のいいところを見せられればいいですね。

――大崎選手としての、後半戦に向けての課題はどんなところですか?

課題はたくさんありますが、僕が出ている時間のオフェンス効率を上げることが必要かなと思っています。僕が率先してアタックしたり、時にはコントロールしてプレーコールして、オフェンスのねらい目を見極めるとか。

ディフェンスでは前からプレッシャーをかけるのは当然ですけど、もっとテイクチャージができるようになりたいですね。杉さんや(藤本)巧太に負けないように、しっかり相手の正面に入る勇気を持ってプレーしたいです。

――今日2,550人の観客が集まりましたが、プレーしていてどんな感想を持ちましたか?

やっぱりめちゃくちゃ力になります。シュート1本ですごく沸きますし、拍手も声も聞こえてくるので乗っていけますね。皆さんの後押しが、声を出せるようになったことでより強く感じられました。

アルティーリ千葉のアンドレ・レマニスHCも以下のようなコメントを残し、大崎の努力が報われてきていることを感じているようだった。


「ザキはここまでのシーズンで浮き沈みもありましたが、素晴らしい姿勢で迷わず取り組み続けてきました。ほかの皆もそうですが、彼も日々の練習でずっとまじめに頑張っていましたが、そうしていれば成果が出てくるものですよ。今日はそれが見えた試合だったと思います」
"Zaki has his own opportunity to go up and down over the course of the season. But he has maintained a fantastic work ethic throughout the practices. He’s never wildered. He comes in and keeps putting in the work as all of our guys do. I believe if he continues to put in the work all the time, you get rewarded and he was rewarded tonight."

今シーズンまだ半ばを過ぎたあたり。大崎がこの日のように成果を出し続けていけば、チームの目標であるB2制覇とB1昇格の可能性も自然と高まっていくに違いない。



取材・文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: アルティーリ千葉

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