月刊バスケットボール6月号

NBA

2023.02.12

渡邊雄太、新生ネッツでの挑戦は「3分間でプラスをもたらせるか?」 - ボーンHC語る

日本時間212日(北米時間11日)に行われたブルックリン・ネッツ対フィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦を終えた後の会見で、ネッツのジャック・ボーンHCが渡邊雄太の起用法に関して言及した。


この試合はほとんどの時間帯をネッツがリードしたが、終盤約5分間にシクサーズが14-2のランで逆転し、101-98の勝利を手にした。渡邊は今シーズン、前試合まで平均18.6分の出場時間を得ていたが、トレード期限直前に加入したキャム・ジョンソンとミケル・ブリッジスがネッツの一員としてデビューを飾ったこの試合でのプレータイムは52秒にとどまり、3Pショット2本をはずし無得点に終わっている。

ジャック・ボーンHCは会見で、12人のプレーヤーをコートに送り出したこの日の起用法についての質問に対し、渡邊にも触れながら以下のように語った。

「皆の出場時間が多くなりすぎないようにと考えていました。デイロン(シャープ)とユウタはローテーションの端の方で、多くはプレーしませんでしたね。でも皆がいつ入っても、3分間で流れに悪い方向ではない影響を及ぼしてこられるように、準備してもらわないといけません。今日はそんな戦略でした」
I didn’t want to get the minutes too high for guys. Two guys that were kind of on the periphery a little bit, with Day’Ron and Yuta, didn’t play a ton of minutes. But I’ve gotta get guys ready to be able to go in and play a three-minutes stand and have an impact and not a negative impact so…, that was a little bit of strategy for me.

「ユウタは今日その役目でした。デイロン、5分でいい仕事をしてきてくれ。ユウタ、君も同じことができるかい? みたいなことで、私たちは皆にそんなやり方で結果を出せるか試してくつもりです」
Yuta was the guy tonight. Day’Ron, can you get in to the game, play five minutes, have an impact positively. Yuta, can you do the same thing? So, we’ll continue to test guys that way mentally to see if they can perform.

これは非常に難しい仕事に違いない。しかも、ウイングの新戦力となるブリッジスが23得点、ジョンソンが12得点。かつ、5得点にとどまったドリアン・フィニー-スミスも含め3人そろって好ディフェンスを披露したことに加え、既存戦力でもシューターのジョー・ハリスが3Pショット9本中6本を沈め18得点という状況は、渡邉のローテーション・スポット争いのハードルがいかに高いものかを感じさせる。

しかしある意味では自身の位置づけと目標が明確で、渡邊としても向き合いやすいのではないだろうか。渡邊自身、この試合を終えた時点で実質的にリーグトップの3P成功率48.1%108本中52本成功=リーグのランキング規定に成功数が4本足りていない)とハイレベルでわかりやすい結果を残しており、ディフェンス面でも素早いカバーやスマートなポジショニングでボーンHCの信頼を得ている。

この試合での出来には満足できていないかもしれないが、コートに立てているのは信頼や期待があればこそ。力のあるチームで有力プレーヤーと切磋琢磨することは成長の糧であり、さらなる飛躍のチャンスだ。

文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: 渡邊雄太 ブルックリン・ネッツジャック・ボーン

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